エンジニアが技術広報に取り組んだ奮闘記 2021年上期

数カ月ぶりにおはようこんにちはこんばんは。
マネーをフォワードする会社で技術広報してるluccafortです。
皆さん元気ですか?
私は応援するマンチェスター・シティがチャンピオンズリーグの優勝を逃してしまいやる気の全てが虚無に消え去ってしまいました。
でもコパ・アメリカでアルゼンチンがグループ首位になったのでこれを糧に日々をなんとか過ごしています。
選手ではアグエロが好きです。

今年の3月から技術広報を本格始動してはや3ヶ月、怒涛の時間を過ごしたので技術広報立ち上げ期の壮絶ハードな活動を書いておこうと思います。
めちゃくちゃ頑張ったので 全力でシェアしてください!!!

エンジニアが技術広報としていろいろ貢献したり、失敗したことも会社の資産だと考えたので今回エンジニアブログに投稿させてもらいました。
技術的な内容ではないのですが、プロダクト開発でも技術広報でも根底となる思考プロセスやカイゼンの手法は同じなので広義の意味でエンジニアリングで技術広報をしていると捉えてもらえればと思います。

いきなりですが宣伝させてください!

GoCon 2021 Springでスポンサーをされていたカミナシさんと合同でイベントを開催します。
弊社マネーフォワードからは2名のエンジニアが登壇予定となっています。

岩村からは確定申告が技術的負債を如何にして返済して、フルリニューアルを成し遂げたのか?
木吉からは経費精算の自動化をさらなる推進を実現するためにGoでマイクロサービス開発をおこなった話をそれぞれ登壇していただく予定になっています。

6月30日(水曜) 19時開催予定となっています、まだ定員に空きがありますので是非ご参加ください。
「現場の声にとことん応える!ペーパーレス最前線のプロダクト開発」

閑話休題。

毎度のことながら、長文なので読みものとして読むことをおすすめします。
それでは長文となりますが、おつき合いください。

2021年2月

VPoEの渋谷から「技術広報しませんか?」と声をかけてもらうも「技術広報 is なにするひと?」状態だったので「マネーフォワードにおける技術広報はなにを期待されているのか」を話しました。
事前にもらっていた技術広報そのものに対する期待値(ぼく個人ではなく会社としてこういうのが必要だよねーって話し)から精査して、どういう方向性を目指すかをざっくり決めて、どこに向かって動くかの指標を作るところからはじめました。
なおこの時点ではまだ正式辞令前なのですが、いざ3月に辞令だ!となってからでは動き出すまでに時間がかかりすぎると考え、事前にできることをやろうと密かに始動していました。
フライングはバレなければフライングじゃないので大丈夫の精神です。
戦争は戦う前に勝敗が決まっている、とかそういうやつ。

当時課題と感じていたものとしては次のようなものがありました。

  • エンジニアブログはエンジニアになぜ書かれないのか?
  • 入社したひとはマネーフォワードのどこを良いと感じたのか?
  • 技術広報を行う上でどのようなスキルセットが必要なのか?
  • 技術広報は採用広報や人事広報などとなにが違うのか?
  • 今期に技術広報として取り組むべき最優先課題はなにか?
  • 今年度の目標とそれに向けたマイルストーンやロードマップにはなにがあるか?

これら個別の事象と課題感から技術広報にいくつかの大きな課題があることがわかりました。

  • 技術広報がどういうことをするか誰もわからない
  • 技術広報をおこなう上で必要なデータがわからない(なのでデータも取れていない)
  • 戦略も戦術もない状態なのでまずそこを定める必要がある

ないない尽くしだったので、まずは調べること、データを取得することからはじめるのが妥当だろうと判断し、着手をおこないます。
このときの諸々のチャレンジの結果、早々に失敗を繰り返すこととなります。

2021年3月

3月になりました。この辺りくらいから必要な情報が徐々に集まりだし、整理され始めます。
主だって公表されたことで、ようやく気兼ねなく動き始めることができるようになりました。

まずなによりも知ってもらうこと、認知してもらうことが最重要課題であると考えて、技術広報に何故就任したのか、その課題や背景などはなにかを伝えるための入り口として会社の公式noteとエンジニアブログに投稿をしました。

公式note

エンジニアリング + 技術広報 = ユニークキャリア

エンジニアブログ

エンジニアリング + 技術広報 = ユニークキャリア

結論からいうとこれらはあまり社内でも社外でも効果があったとはいえない状態です。
現時点ではとりあえず公表した以上の効果は感じていません。
ですが、この手の所信表明的なメッセージはのちのち意味を持つ傾向が高いため、かけたコストは将来的に回収できると考えています。

2月の最後に失敗を繰り返した話を匂わせましたが、社内で「技術広報という役割があるらしいぞ?」と認知されはじめ、さまざまなMTGに顔を出したり、相談を持ちかけることをしていました。
このあたりから失敗を何度も繰り返すこととなります。

まずなにかを調べるにあたりさまざまな部署のかたと話をして、協力をお願いしないといけないということがわかりました。
これは技術広報がエンジニア、広報、人事、マーケティングの4つの属性を持ち、濃淡はあれどそれぞれの専門分野を越境する必要があったからです。

このため、自分では自明だと思った背景や課題を伝えた際にも「果たしてそれは本当に課題なのか?」というところからスタートする事態が発生しました。
ある分野における課題は、別の分野では問題ではなかったということです。

その上で施策をおこなうには「何故必要だと考え、協力してもらわないといけないか?」を説明する必要がありました。
つまり失敗したことというのは「やりたいこと」が先行してしまい、「何故必要なのか、どうして協力を求めているか」の詰めが甘く独りよがりな意見を押しつけるようなふりまいをしてしまったということになります。

その結果、さまざまな観点から指摘を受け、軌道修正を余儀なくされるケースがありました。
他人の仕事を増やすことになるため、事前準備が足りていないことを痛感しました。
逆の観点からすると動き出してからではなく、提案段階でこのような問題に気づくことができたのは重畳でした。

この失敗から、事前に情報を集め、解決したい課題とそのためのアプローチやプロセス、何故その選択をしたのかなどの「Why/What/How」の情報を社内ドキュメントに書いて共有するようにしました。
事前にレビューとコメントをもらうことでMTGの場で指摘されることが少なくなり、効率がよくなったと感じています。
(まだまだ要約がうまくいかず気持ちが先行することも多々ありますが……)

それまでほぼ0だったGoogle Docsの数がたった数ヶ月で20を超えるまでになりました。いまでも順調(?)に増え続けています。
Google Docs以外の社内ドキュメントにも20以上投稿を行っていたので、およそ3日に1回はなにかしらのドキュメントを作成したことになります。

なにかを始めるときには相手に伝わるように背景や課題を伝え、何故その解決策でなければいけないのか?などの思考プロセスにおける経緯を伝える重要性を 言葉でなく心で理解しました。

技術広報に就任直後はこれらの情報の重要性をあまり認識できておらず、MTGに臨んでは返り討ちにあうということを繰り返していました。いまでは多少改善したのではないかと考えています。

また自身がどういう期待をされているのか、なにができるのか、相手は技術広報になにを期待していいのか、期待してはいけないのかなどなど形が定まってない状態だったこともあり、お互いに相手を気遣い手探り状態で牽制しあうような状況が生まれてしまいました。
これらの問題に対しては早めにロードマップやマイルストーンを作成し、共有することである程度対応できたのではないかと思います。

内容としてはあまり詳細まで書き込んでいませんでしたが、ざっくりとした道筋を示すことで相手がどう動けばいいのかの指標を示すことができたと考えています。

早めに技術広報が今期注力することとやらないこと、そしてマイルストーンやロードマップを設定して共有しておくと関係する部署やメンバーも相談しやすくなります。
もし、これから技術広報を始めようと考える企業のかたがいれば参考にしていただくとよいかなと思います。

2021年4月

さまざまな仮説検証をおこなうためにまずデータを集めることに奔走した3月となりました。
すぐに集まる類のデータはこの時期にある程度の量を確保することができ、分析を開始することができました。

このデータを元に分析したり、そのデータから読み取った仮説や分析結果のサマリーを社内の全エンジニアがいるチャットで共有し、技術広報としての活動の可視化をおこないました。

これらのおこないが功を奏したのか、はたまた元々課題感を持っていたが相談する場がわからなかったからなのか、徐々にイベントの企画や相談などを受け始めます。

当初想定していたロードマップでは「2021年上期はテックイベントなどを開催できるようにするための準備期間」と位置づけていたのですが、社内メンバーから「こういう企画を考えているので開催したい」という相談を役職や部署に関わらず相談を受けることとなります。
相談はVPoE経由のものもあれば、1エンジニアや人事、広報からというものもありました。
想像よりも多種多様な経路で相談や企画持ち込みをされたため、当初想定の3ヶ月前倒しでイベントの企画運営に着手する意思決定をしました。

そこで実施が必要なものとすでに進行中で社外の事情が絡むものは残しつつ、マイルストーンやロードマップの立て直しを計ります。
結果として立て直したものはざっくり次のようなものになります。

  • ブログ投稿のためのサポートイベント
  • 技術広報の活動を知ってもらうための社内向けサマリー記事
  • 社外講師のかたを招いたワークショップ企画とその実施
  • マネーフォワードが関係するテックイベント企画運営

正直いま考えると残しすぎたなと反省しています。
スケジュールがコントロール可能なものは後ろ倒ししてしまっても問題なかったはずなので、その判断が遅かったように思います。

当時はいくつかのイベントが開催の2週間前〜1ヶ月前という状況だったことと参加メンバーのスケジュールを抑えるところまでやってしまい、サンクコスト的な面で諦められずそのまま強行してしまいました。
この辺りは次回以降、反省ポイントとして改善できればと思っています。

また社内だけではなかなか経験していない、「これから経験する知識を先回りで知ることができない」ためエンジニアとしてのコネクションをフル活用して大型カンファレンスを企画、運営している知人に現在のマネーフォワードの位置を説明し、テックイベントの難しさやどのようなアプローチを取ろうとしているか壁打ちさせてもらいました。

結論からいうと大変貴重なアドバイスをいただいたのですが、十全に活かすことができませんでした。
理由としては単純で、目の前の業務やタスクに忙殺されてしまい、せっかくもらったアドバイスの「これは避けたほうがよい」という教えをすっかり忘れてしまっていたからです。
このことによって大変痛い目にあったので、次回からはアドバイスがきちんと活かせるのではないかと思います。

痛い目をみたことで意見を聞かせてもらった議事録を読み直したのですが、事前にいただいたアンチパターンを再現することとなっており、自分たちでコントロールできる範囲から小さく始めることの重要性を改めて認識しました。

2021年5月

各所から依頼を受けてしまい、かつそれらのスケジューリングがうまくコントロールできなかったためイベントを抱え込みすぎてパンクします。
5月、GWがあったことで日数的にも厳しかったように思います。
2021年度上期の技術広報として一番忙しかった月です。

前月である4月から各所からちょこちょこと相談やイベントのお誘いを受けるようになりました。
大変ありがたいことにいろいろな企業さまとオンラインイベントをやりませんか?というお誘いが舞い込み始めます。
セルフコントロールもまともにできていない状態で気軽に「お、いいですね!やりましょう!!!」といって回った結果、完全にキャパオーバーしてしまいました。

4月の半ばごろから主務であるエンジニアと兼務である技術広報のバランスを取るのが難しくなってきたため、たまたま5月から主務側を減らして技術広報にコミットするようリソースバランスを調整していたことが効果を出し、かろうじて危機を乗り切れました。

この月は主にイベント関連の登壇者アサインや日程調整、テーマ決めなどなどイベントの運営企画に関わるほぼ全てのタスクがドッと押し寄せてそれらの対応に忙殺される…という状態でした。
他社とのやり取りや調整が発生したため、アンコントローラブルなタスクが多く生まれてしまったため、非常に忙しい月となりました。

そしてこれによって技術広報がボトルネックになってしまうという現象が発生しました。
これは将来的には発生するだろうと予測していた内容だったのですが想定していた予想よりも半年ほど前倒しで発生する結果になりました。
さすがにこの前倒しは想定外だったので同じ所属チームのテックエンハンスメントグループのメンバーにヘルプを求めて助けてもらいました。

また弊社マネーフォワードの2021年度上期は5月末までとなっているため、評価面談やそれらの準備、下期へ向けたロードマップの設定見直しやアップデートなどなどやるべきことが目白押しとなってしまい、忙しいときにやらなければいけないタスクがふりかかるという雪だるま式にタスクが増えて、目の回る忙しさになっていました。

この頃から技術広報領域での自分の得意な領域と不得意な領域がハッキリとわかり、自分だけでは手にあまることが目に見えるようになりました。

ボトルネックに対する対応策が必要であるとわかり技術広報関係の書籍を読んだりや現在、技術広報をされているかたに話を聞きにいくなどの活動を並行しておこないました。
DevRel エンジニアフレンドリーになるための3Cという書籍が非常に参考になりました)

これによって自分のなかで曖昧だった技術広報の輪郭がくっきりと浮かび上がったので苦労はしましたが、必要な成長の痛みだったと考え直しました。

2021年6月

6月です、梅雨らしいジメジメした感じはあまり感じませんでしたがついに5月苦労した集大成を発表する月になります。

6月は主に2つの軸で動いていました。

  • 2021年度下期の目標設定、それに向けた戦略戦術の再構築
  • マネーフォワードが関係する登壇イベントの企画、運営

6月は登壇イベントが3つあり、そのうちマネーフォワードが主催するものは1件だったのですが、はじめてのオンラインイベント開催ということでいろいろなところで不手際が目立ちドタバタしてしまいました。
主催でないイベントに関しても、任せるところは別の運営メンバーに任せたり、主催者側の運営者のかたを頼ることで乗り切りました。
もちろん何もしていないわけではなかったのですが、自分たちのリソースの限界が5月の段階でわかったため、分担してできるできないをハッキリ主張し持続可能なイベント企画運営を第一目標として設定し、乗り切りました。

自分だけで抱えるのではなく、適宜チームのメンバーにヘルプを頼んだことで技術広報に就任してはじめてのイベント運営を無事終えることができました。
まだまだ熟れているとはいえない状態ではありますが、1つイベントを企画から実施、閉幕までやりきったことで見えてきたもの、足りていないものが顕著になりました。
これらの経験を元に次回はよりよいイベントを企画や運営に活かせるのではないかと考えています。

【3社合同】Money Forward Tech Drive – #IO21 Recap

自分たちのチームにないものは外部に求めるしかないということもわかってきました。
そこでたまたま知己を得た技術広報のかたにアドバイザリーとして業務委託でチームに入っていただけないか相談をさせてもらい、快く応じていただくことができました。
予算の関係があったので難しいかな?と思っていたところに、即レスでVPoEからOKという返答が返ってきたのにはさすがにすこしびっくりしてしまいました(笑)
これらの裁量がチームやそこに携わるメンバーに与えられるのはマネーフォワードのよい文化だなと改めて実感することとなりました。
この技術広報のアドバイザリーに関する詳細はまた後日なにかしらの形で公開させてもらおうと思います。

兎にも角にも6月30日(水曜)に予定しているカミナシさんとの合同イベント「現場の声にとことん応える!ペーパーレス最前線のプロダクト開発」が終わればようやく忙しかった技術広報の仕事をふりかえる時間ができそうです。

まとめ

技術広報の就任からあっという間の6月でしたが、非常に充実していた半期でもありました。
今期頑張ったね!で終わるのではなく、カジュアル面談を担当されたかたから「マネーフォワードさんが最近技術広報に力をいれている、と褒められました」と報告を受けており、きちんと技術広報としての成果を出せたのかなと考えています。

もちろん、技術広報だけの成果ではないと理解していますが、苦労した点が報われるのは大変ありがたいことですし、励みになるなと感じています。

まだまだ課題も山積み、これからやっていくことややりたいこと、そのために整えなければいけないことなどなど仕事が無限に増えていく一方ではありますが、マネーフォワードがよりよい組織になるためにも次の下期も全力全開でやっていこうと思います。
下期では上期の反省を活かし、戦略や分析に重きをおいて2022年度でさらに組織のエンジニアリングが加速できるような仕組みを整えていこうと考えています。

マネーフォワードでは全力で情熱を燃やすかたを全方位全職種で絶賛募集中です。

もし1%でも興味を持っていただけたらカジュアル面談もあるので是非お話させてください。

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