マネーフォワードのモバイルアプリエンジニアを支えるスマートデバイス推進グループ

こんにちは。
「マネーフォワードホームカンパニー HOME本部 サービス開発部 PFMグループ」兼「CTO室 スマートデバイス推進グループ」に所属するsyarihu(しゃりふ)です。

今回は「CTO室 スマートデバイス推進グループ」のしゃりふとしてエンジニアブログを執筆しています。

当社では、モバイルエンジニアの課題に向き合い、解決する組織としてCTO室にスマートデバイス推進グループが2021年の2月に発足されました。社内のモバイルエンジニアに個々人がいま感じている課題について定期的にアンケートを実施し、アンケート結果から抽出された課題に対して、どういったアクションがとれるかを検討し、実際に解決に向けて動きます。

2021年2月に発足されてから約半年ほどが経過し、マネーフォワードのモバイルエンジニアの環境もだいぶ良くなってきました。
本記事では、スマートデバイス推進グループがどのような経緯で発足され、実際にどのような活動を行い、マネーフォワードのモバイルエンジニアを支えているのかについてお話します。

スマートデバイス推進グループについて

スマートデバイス推進グループは2021年2月にCTO室配下に発足されたグループです。
ここでのスマートデバイスの定義は、iOS、Android、クロスプラットフォーム、タブレット、スマートスピーカー、VR , ARデバイスなど、比較的新しく普及している、していくと思われるデバイス、又はそれに対応する技術の総称を指します。
スマートデバイス推進グループの活動の主な目的は、スマートデバイスによる事業貢献です。社内のスマートデバイス人材の活性化や、新規スマートデバイスが出てきた際にどのように事業に貢献できそうかなどの検証、社内からの技術相談に積極的に乗るなど、さまざまな活動を行います。

スマートデバイス推進グループが発足した経緯

ことの始まりは2020年12月、私しゃりふが今後のエンジニアのキャリアについて悩み始めたのがきっかけでした。
2020年12月当時、私のマネーフォワードでの勤続年数は3年を超え、自身が所属する部署で開発しているAndroidアプリでは開発環境をかなり整えたおかげもあり、やるべきことが少なくなっていました(やれることは探せばいくらでもあるけど、すぐにやらなきゃいけないことは減ってきた)。

担当するAndroidアプリの負債改善や、社外での登壇、執筆活動のおかげもあり、社内での評価も入社当時に比べるとかなり上がり、それに伴って社内グレードも上がっていきました。
社外では、Androidアプリ開発業界内でもある程度知名度は出てきたものの、自分個人としてはまだまだ学びたいモチベーションがあったため、このまま今の会社に所属し続けるのか、自分よりもできる人がいる会社にいって成長目的で頑張るか、今後のキャリアについて悩んでいました。

とりあえず会社からの期待の解像度を上げたほうが良いと思い、普段自部署での評価を行ってくれているVPoEにまずは相談をしました。VPoEとしては、これまでどおり社外での活動を続けつつ、部署内でAndroidエンジニアとして横断的な動きをしてくれれば良いというようなお話をいただきました。また、全社横断的な動きも考えているのであればCTOと話してみたほうが良いかも、という話をVPoEにしていただき、CTOとの1on1をセッティングしてもらました。
CTOと話をしたときは、もう少し全社的にモバイルエンジニアを盛り上げていきたいけど、モバイル領域での全社横断的な組織が無いので、そういった横断的な動きもして欲しいというような話もいただきました。

また、社内で自分がどのように評価されているのかも知るべきかと思い、社内のモバイルエンジニアで自分と同じくらいのグレード(だと思っている人)にお願いをして、ランチついでにお話を聞いてもらいました。自分では社外アウトプットを継続的に行っているものの、それが当たり前になりつつあってあまりすごいという感覚がありませんでしたが、それを継続的に行えるのはすごいと思ってるし、全然大丈夫だと思いますよ、といった意見をもらい、自分が思っているほど社内の他のエンジニアからの評価もそこまで低くないのだな、ということが分かりました。

社内だけでなく社外からも話を聞いたほうがいいと考え、社外のAndroidエンジニアに今後のキャリアについて悩んでいることを軽く話してみたところ、同じ課題を乗り越えてきた人に話を聞くといいかも、というアドバイスをもらいました。そこで、こういうのはすぐに行動すべきだと思い、とある会社でモバイルエンジニアの採用や育成、支援を行っているエンジニアや、全社横断的にAndroidのエキスパートとして働いているエンジニアが知り合いにいたので、その2人にそれぞれ1on1をお願いして相談してみることにしました。
相談した結果、私自身のスキルセットや今感じている課題、今後なりたい方向性、社外目線での評価などさまざまな角度から話を引き出してもらい、自分の中で課題の整理ができて、頭の中がクリアになっていきました。
また、Androidエンジニアという領域に限った話でいうと、上限はわりとすぐに到達すると思っていて、私自身は社外目線でいうとその上限やそれに近しいポジションにいること、その状態で他社にいったところでAndroidエンジニアとしての成長を求めるという軸では、そんなに選択肢やそれ自体に可能性が無いのではというアドバイスをもらいました。Androidを抜きにしたエンジニアという成長軸でいうといくつか選択肢があり、目指したい方向によって変わってくるという話もしてもらいました。

社内外さまざまな方から話を聞いた結果、現状他社にいったところで自分が望むAndroidエンジニアとして学べる環境はこれ以上得られる見込みは少なく、今の会社でプロダクト開発を続けつつ、CTOから打診してもらったようなモバイルエンジニアにおける全社横断的な組織づくりに協力していくのが会社的にも自身のキャリア的にもよいと判断し、今後も今の会社で頑張っていこうと思いました。

自身の悩みがクリアになったところで、モバイルエンジニアの全社横断的な動きをする組織づくりに関する話を進めることにしました。まずは当社が抱えるモバイルエンジニアの課題を抽出するため、社内でグレードが高いiOS、Androidのエンジニアを数人集めて、CTO、VPoEを含めてどのように解決していくかという話し合いの場をセッティングしました。
そしていくつかの課題を抱えていること、それを解決するために全社横断的な動きをする組織があったほうがいいよね、という話し合いが行われました。その結果発足したのがスマートデバイス推進グループです。今後スマートフォン以外にもスマートデバイスがより普及してくる可能性もあるため、モバイルだけではなくスマートデバイス、という括りになりました。

12月に相談や課題の抽出までの話し合いを行い、年があけた1月に再度今後の方針を決めて、月を跨いだ2月にスマートデバイス推進グループが発足されたため、かなりのスピード感で話が進んだのは当社の良いところだなと思いました。

スマートデバイス推進グループの活動

2月に発足してからスマートデバイス推進グループが現在までに行ってきた活動について簡単にご紹介します。

技術顧問の招致

社内のモバイルエンジニアの技術力の底上げや、社外のエキスパートを呼び技術的に困ったときに相談できるといいよね、などの課題感から、技術顧問を招致することにしました。
Androidの技術顧問としてあんざいゆきさん、iOSの技術顧問として三木康暉(giginet)さんに就任いただきました。

直近では、AndroidではJetpack ComposeやKotlin Coroutines Flowの勉強会を実施するなど、これからのAndroid開発に必要な技術についてのサポートを行ってくださっています。iOSもWWDCのキャッチアップのサポートやiOSに関する知見の共有を行ってくださっており、両OS共に当社の技術力の底上げに貢献いただいています。

モバイルエンジニアの露出を増やす

マネーフォワードのモバイルエンジニアは、しゃりふはよく登壇とかしているけどその他のモバイルエンジニアの露出が少ないよね、みたいな課題がありました。

そのための解決策としてまずはエンジニアブログへの寄稿を促し、もしネタがない、書くのに自信がないという場合は、普段ブログや技術同人誌の執筆などを継続的に行っているしゃりふが全力でサポートしますよ、というような案内を行いました。
その結果、実際に20年新卒のAndroidエンジニアが実際にエンジニアブログに投稿してくれたり、最近もマネーフォワード MEのiOSエンジニアをやっている2人が投稿してくれました。

また、もう一つの施策としてMoney Forward Tech Driveという自社イベントの主催を行いました。これはスマートデバイス推進グループだけでなく、当社の技術広報に協力をいただきながら行いました。
しゃりふの知り合いのエンジニアに一緒に開催しませんか、と声をかけて、クックパッドさん、eurekaさんと共に3社合同でオンラインでのイベント開催を行いました。時期的にGoogle I/Oがちょうどよくあったので、Google I/Oの報告会という形にしました。

オンライン開催に関する知見が少ない状態だったため、いくつか反省点はあったものの人も集まり、イベントの開催は無事に成功しました。
その後、iOS版も同じようにエブリーさん、Kyashさんと共にWWDCの報告会という形でオンラインでのイベントの開催を行いました。

以前に比べると、社内のエンジニアがエンジニアブログや自社イベントなどで少しずつですが露出も増えてきたように思います。こういった露出を増やすことは採用にも繋がると思うので、今後もこういった活動を続けていきたいと思います。

社外エンジニアとの交流

これはしゃりふ自身が感じていた課題なのですが、昨今の状況によりリアルで開催される勉強会が減り、エンジニア同士の交流の場が少なくなってきました。そういった課題を解決するため、社内外とのエンジニアの交流の場として、オンラインで気軽に参加できるランチ会を開始してみることにしました。

オンラインランチという形式上、あまり人数を多くしすぎるとうまく会話ができないと想定されたため、1グループ最大5人までとして募集を行いました。
参加枠に対してはそれなりに人も集まり、実際に話をしてみたところ同じような課題感をもった方々が参加してくれました。イベント後のアンケートでも非常に高い満足度が得られたので、イベントは成功に終わりました。
また、この成功体験からiOSも同様にランチイベントを開催しました。

イベントに参加してもらった当社のiOSエンジニアからも、久々に社外のiOSエンジニアと話せて良かったといった感想をいただけたので、社内外どちらも高い満足度を得られて開催してよかったと思います。

この開催でいくつか課題も見つけられたので、次回もまた機会をみて開催したいと思っています。

新しい技術に挑戦できる環境

会社が成長し既存のプロダクトが古くなってくると、既存のプロダクトに新しい技術を導入することが難しくなってきます。
そういったプロダクトに属しているエンジニアとしては、新しい技術に触れたいのにできない、触るには他の部署や会社に行くしかない、という状況になり、最悪の場合はやめてしまうことにも繋がります。
そこで、社内のアプリが無いプロダクトで、社内向けに一旦お試しでアプリを作れる環境を用意し、社内のエンジニアなら誰でもコントリビュートしてもいいよ、という場を用意してみることにしました。

直近ではKotlin Multiplatform Mobile(KMM)を使って、iOSはSwiftUI、AndroidはJetpack Composeでアプリを開発できる環境を整えています。
スマートデバイス推進としては一旦KMMを使える場を用意していますが、クロスプラットフォームの文脈でいうとFlutterも社内向けプロジェクトで採用されているものがあります。こういった活動を続けてうまくワークすれば、何か新規でプロダクトを作る機会があった際の選択肢にもなるので、こういった環境を用意する活動も続けていければと思っています。

モバイルエンジニア向けのグレード要件策定

社内のグレード制度では、ジョブスキルと組織貢献の2軸がありますが、ジョブスキルの方は職種ごとに分かれており、エンジニアはエンジニアのジョブスキルグレードが定義されています。
しかし、モバイルエンジニアとして見たときに、それだけだと少し抽象的な部分があり、ジュニアレベルのエンジニアは具体的にどういったスキルを身につければよいのか、目指すべきところが分からないという課題がありました。フロントエンドエンジニアではすでにそういった課題に向き合い、フロントエンドエンジニア向けの具体的なグレード要件の策定を行っていたという前例があったため、モバイルエンジニアもモバイルエンジニア向けのグレード要件を策定することにしました。
社内でグレード要件が高いモバイルエンジニアを集めて検討を行い、社内のモバイルエンジニアに軽く説明を行い意見を行った後に実際に評価要件として反映されました。

社内交換留学

社内のモバイルエンジニア同士での横のつながりが少ないよね、という課題がありました。
社内のモバイルエンジニア同士での横のつながりを作ることで部署間で連携する際にコミュニケーションをしやすくしたり、普段行っている仕事と別のドメインで仕事をすることでより良い成果を上げられるかもしれないという仮定のもと、モバイルエンジニア同士での社内交換留学を実施することにしました。
マネーフォワード MEと確定申告はサービス同士で連携していることもあり、今回はこの2部署で1ヶ月の交換留学を行いました。

モバイルエンジニアの交換留学を実施する際、サーバーかモバイルのどちらかを選択できるようにしたのですが、両サービスともサーバーを選択しました。
普段触っているのと全くの別ドメイン、別技術を同時に行ってしまったため、普段と違う領域に触れられたのは良かった反面、1ヶ月だけではほぼ学習で終わってしまうという結果に終わってしまいました。
この結果から、同じ技術、別ドメインの場合は1ヶ月程度、違う技術、別ドメインの場合は3ヶ月程度必要そうだということが分かりました。

次回交換留学を行う際には今回の参加者のフィードバックを踏まえて実施したいと思います。

まとめ

2021年2月にスマートデバイス推進グループが発足されてから、さまざまな活動を経てモバイルエンジニアの課題が解決に向けて良い方向に動き出しているのを身を以て実感してきています。
スマートデバイス推進の発足自体からも言えるように、VPoEやCTOが自社の一人のエンジニアから上げた課題について真摯に向き合い、課題解決に積極的に協力してくれる雰囲気があるので、個人的にはとてもやりやすい環境であると感じています。ただ、こういった課題は声を上げないと伝わらないので、まずは1on1で上司に相談してみることから始めるのは本当に大事だと思います。
キャリアの悩みに関しても、自社だけでなく社外目線から話を聞いてみると、自分がどのような評価をされていて、どのような方向を目指していくべきなのか、社内だけでは見えないことも見えてくるようになるので、転職することだけにこだわらず、まずは相談してみるというのも大事だなと思います。

スマートデバイス推進グループは今後、引き続きモバイルエンジニアに定期的にアンケートをとりつつ、課題があれば随時解決に向けて活動していきます。
今回紹介した新しい技術で開発できるアプリについては、アプリとしてある程度形になってきたらそれを軸にして、たとえばスマートスピーカーなどその他のスマートデバイスでの機能提供などを検証し、実際にユーザーに提供するプロダクトに導入できるような可能性を探っていきます。また、スマートデバイス推進グループが発足してから、スマホアプリの機能を活用してサービスの利用体験を向上したいというような相談も社内のあるチームから届いたため、モバイルエンジニアの開発環境だけでなくユーザー体験の向上にも貢献できるように協力していきたいと考えています。
こういった課題解決に向き合う姿勢やスピード感、モバイルエンジニアとしての開発環境など、当社に少しでも魅力を感じていただけたのなら、ぜひ一度気軽にお話を聞きに来ていただけたら幸いです。


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