初めまして。クラウド経費本部とDI本部兼務のQAを担当しております入江と申します。 先日、9/8(木)、9/9(金)でソフトウェア品質シンポジウムというイベントが開催され、そちらに参加してきました! 私も初めての参加だったのですが、濃い内容の講演がたくさんあり、良質なインプットや刺激を受けることができました。この経験をまだ参加されたことがない方に向けて、シンポジウムの内容や雰囲気についてお話できればと思い、この度エンジニアブログにて情報発信させていただきます!
そもそもソフトウェア品質シンポジウムってなんなの?
https://www.juse.jp/sqip/symposium/
一般財団法人 日本科学技術連盟のSQiPという組織が運営していて、1981年より続いている歴史のあるイベントとのことでした。(初めて知りました) 国内におけるソフトウェア製品の品質向上と効果的開発の方法論の確立を目指して開催されています。
9/7(水)は併設チュートリアルといってシンポジウム本会議の前日に開催される半日の講座があります。 今回私は、9/8(木)、9/9(金)の本会議のみの参加とさせていただきました。
参加費は以下になります。もし早めに日程を抑えられるなら、早割があるのでお得です!
本会議内容
本会議は1日目と2日目に分かれています。4つのチャンネルで同時開催されるため、すべての講演を聴くことはできません。 事前にタイムテーブルを見て、どの講演を聴くか検討しておくのがおすすめです。
ちなみに今回の開催はオンラインでの開催となりましたので、興味がある講演を試しに聴いてみて やっぱり違うなぁと思ったら、その他の講演に参加するのが容易でした。 以前はオフライン開催だったらしいので、そういう面ではオンラインはとても助かりますね!
私は以下の講演を選択しました。 このように全ては聴けなくても、かなりの数の講演に参加することが可能です!
1日目
- 【基調講演】「経験から学び、人を育てる」松尾 睦(北海道大学 経済学研究院 教授)
- 対話型モデリングによるモデルベースな上流設計の実践 -モデルで納品・モデルで開発・モデルで検証-
- これからのQAのあり方
- これからのQA人財育成
- 顧客提供価値の品質評価
- ステークホルダーのアクションと関心事に着目したレビュー観点導出手法 ~今日からあなたも上級レビューア!『SAKE』の提案~
- リスクベースアプローチの変更実現による安定したITサービスの提供
- 暗黙的になりがちな開発仕様パターンを活用してモデルベーステストを改善する
- STAMP/STPAとシーケンス図を用いたコントローラ間の相互作用があるシステムにおける安全設計手法の提案
2日目
- 「ソフトウェア・ファーストから考えるソフトウェア品質」
- 「組織にテストを書く文化を根付かせる戦略と戦術(2022秋版)」
- 【特別講演】 「日本取引所グループシステム部門の取組み ~システムトラブルからの学びと今後の挑戦~」 横山 隆介(㈱日本取引所グループ 専務執行役)
講演中のお話
ほとんどの講演はキャプチャや録画NGでしたので、常にメモとりながら聴いてく感じでした。 ごく一部の方はキャプチャOKやTwitterで拡散OK!という方もいらっしゃいました。
講演後に質疑応答の時間があるのですが、オンラインなので質問もしやすく、さまざまな質問が上がっていました。 登壇者の方によっては、随時質問投げてOK(Twitterも可)の方もいらっしゃったので、都度質問を拾ってくださり、一方的なブロードキャストというよりも、登壇者と聴衆が繋がってこのシンポジウムを作っているような気がしました。これは録画した動画を見るだけでは体験できないので、リアルタイム参加することの醍醐味だなと感じ、参加してて楽しかったです。
また逆にオンラインのデメリットですが、通信状況が悪く、ちゃんと登壇者の声が聞こえないなどアクシデントもありました。途中から復旧したのですが、運営の方々の焦りなどが伝わってきて、一緒に応援したくなる気持ちになっていました^^ 事前にテストしててもこういうトラブルはあるよな〜と思いながら聴いていました。(パフォーマンステストなど非機能のテスト大事)
お昼時間もランチセッションというのがあり、企業側からの商品のプレゼンテーションを行うような時間もあり、丸一日時間を余すところなく品質に対してインプットできるようになっています。
印象に残った講演
本会議2日目の和田卓人さん登壇の「組織にテストを書く文化を根付かせる戦略と戦術(2022秋版)」の内容が私の中で特に興味深かったです。 2時間の講演の中でThe State of DevOps ReportsというDevOpsの適応度合いを大規模に調査したレポートについてのお話がとても印象的でした。
講演では2019年と2021年の2つの年の調査結果について説明がありました。 少し簡単に内容をご紹介させていただきます。
2019年の調査
2021年の調査
この調査は約3万社のさまざまな業種の企業に行ったものです。 全ての企業に対して4つのメトリクス
・リードタイム ・デプロイ頻度 ・MTTR ・変更失敗率
についての数値を測ることで、4つのクラスター(集団)に分類することができたそうです。
・エリート ・ハイパフォーマー ・ミディアムパフォーマー ・ローパフォーマー
そして、それらのクラスターのメトリクス数値を比べることで以下のことがわかってきたそうです。
・開発速度と品質はトレードオフの関係ではない ・企業の開発力は、企業の業績や生産性にも比例している ・各クラスターに分類される企業には、それぞれ特性を持っている
私は、この結果が衝撃的で目から鱗の内容でした。 企業によってここまで開発力に差がついているのかと思い、現実を突きつけられた気がします。
後日、和田卓人さんのTwitterで下記リンクのページのご紹介がありました。 シンポジウムで発表していた内容が一言一句漏らさずまとめられております。上記のスライドについても説明されています。 もっと詳しく知りたい方、ご興味ある方はぜひご覧ください!
答えが分からないものを模索しながら作り続ける世界に我々は突入した。和田卓人氏による「組織に自動テストを根付かせる戦略」(その1)。ソフトウェア品質シンポジウム2022
感想まとめ
今回初のシンポジウム参加でしたが、すごく濃厚な二日間でした。 全てを理解できたわけではないですけど、その中には普段の業務に活かせそうな内容だったり、今後のQA活動に作用しそうな内容もあったと感じます。
講演の中で特に印象に残った和田卓人さんの「組織にテストを書く文化を根付かせる戦略と戦術(2022秋版)」についてはインプットしたことを社内でも別途資料をまとめてみたり、開発者に向けてライトニングトークで紹介したりと、新たなアクションにつなげることができました。
全体を通しての感想は 品質に対しての考え方は、目まぐるしいスピードで常に変わってきていてて、それを敏感に察知し適応していく必要があるということでした。今回のシンポジウムで学んだことがきっかけでそこに気づくことができ、参加してよかったと思いました。
少々参加費は高いですが、機会があれば今後も引き続き参加してみたいです!
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