はじめに

会社員は経費が使える?使えない?

会社員にとって経費といえば会社が払うもの。事務用品の購入や出張にかかった費用など、領収証をもらって会社に提出すれば会社が精算をしてくれますよね。得意先の接待費用も会社名で領収証を書いてもらって後日精算……というのが一般的です。

でも、仕事がらみの出費だからといって、なんでもかんでも100%経費として精算できるわけでは(会社で確実に負担してもらえるわけでは)ありません。「これを経費申請するのはちょっと気がひけるから、自分で払っておこう」——そんなふうに思って精算しなかった経験がある人は少なくないはずです。


知っておきたい「特定支出控除」って?

そんな人が知っておきたいのが「特定支出控除」という言葉。特定支出控除とは、会社での業務をするのに必要でありながら、会社からの補助がなく自腹を切った支出があった場合に、それを所得から控除することができる制度のことをいいます。

所得から控除できるということは、その分課税所得が少なくなり、所得税が軽減できるということ。特定支出控除は、自営業者や起業している人と同様に、会社員であっても所得申告の際に必要経費を組み込めるという制度なのです。

経費になるのはどんな支出?

でも、業務に必要だからといって何でもかんでも経費(特定支出)として認められるわけではありません。税法では会社員が利用できる特定支出を次の8つの項目に定めています。
  • 通勤にかかる費用
  • 転勤に伴う転居費用
  • 研修にかかる費用
  • 資格を取るためにかかる費用
  • 単身赴任者の帰宅にかかる費用
  • 業務に関する図書の購入費用
  • 業務に関する衣服の購入費用
  • 業務に関する交際費用

さまざまなものがありますね。ただし、あくまでも「会社の補助なく」「自腹で」支払った場合に、経費になります。

キャリアアップに特定支出控除を活用!

若いビジネスパーソンの中には、キャリアアップを目指してセミナーに通ったり、資格取得にチャレンジしたり、熱心にビジネス本や新聞を読んだりと頑張っている人も多いはず。

これらの支出が特定支出控除の資格取得費・図書費などに適用されれば、節税にもなり、お財布に少し余裕ができます。おまけにキャリアアップによって収入もアップすればトータルでお得ですね。

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