はじめに

「家計の金融行動に関する世論調査」によると、将来に不安を抱える人は増え、老後の暮らしに対し、約8割の人が「心配」と考えています(*1)

将来に備えて、自分である程度は貯めておく必要がある時代です。超低金利の預金だけでなく、少額から分散投資が可能な投資信託を検討するのもおすすめです。

しかし、一口に投資信託といっても多くの商品があります。日本国内の公募投信の純資産総額は、2016年7月13日時点で86兆631億円、本数は5929本(*2)もあります。

特に投資初心者にとって、選択肢が多すぎるのは困ってしまいますよね。そんな初心者の方が始めやすい投資信託のひとつにインデックスファンドがあります。

アメリカの投資家ウォーレン・バフェットも次のようなことを言っているほどです。「低コストのインデックスファンドは、投資家の大多数にとって、最も聡明な投資だ」。

では、その魅力とは一体どこにあるのでしょうか。

*1 出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成27年)」
*2 出典:一般社団法人投資信託協会「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)2016年6月末」


そもそもインデックスファンドって何?

インデックスファンドとは日経平均株価やTOPIX等特定の指数に連動する投資成果を目指すファンドのことです。

《インデックスファンドに採用されている主な指数》

指数内容
日経平均株価指数(日経225)東京証券取引所第一部上場銘柄のうち代表的な225銘柄を対象として日本経済新聞社より算出、公表される株価指数。
TOPIX(東証株価指数)東京証券取引所第一部に上場する国内普通株式全銘柄を対象として算出した指数で、わが国の株式市場全体の値動きを代表する株価指数。
JPX日経インデックス400東京証券取引所の第一部、第二部、マザーズ、JASDAQを主たる市場とする普通株式の中から、時価総額、売買代金、ROE等を基に原則400銘柄を選定し算出される株価指数。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが米国を代表する30銘柄を選出した指数で、米国株式市場を代表する指標の一つ。

なぜ投資初心者にはインデックスファンドがおすすめなのか

投資信託は通常、インデックスファンドとアクティブファンドに分けられます。インデックスファンドは、アクティブファンドに比べて、初心者にも始めやすいと言われていますが、なぜでしょうか?

インデックスファンドの特徴


日経平均株価指数(日経225)やTOPIX(東証株価指数)等の指数に連動した運用成果を目指すインデックスファンドには以下の特徴があります。
  • シンプルで分かりやすい
自分の保有しているファンドが連動する指数の動きを見ていれば、ファンドの値動きがわかる。
  • 低コストのファンドが多い
購入時の手数料がかからない(ノーロード)ファンドや運用中の管理コスト(信託報酬等)が抑えられているファンドが多い。目標とする指数に連動するようコンピュータのプログラムに基づいて運用するため、コストを抑えた運用が可能。

アクティブファンドの特徴


インデックスファンドに対して、指数を上回る運用成果を目指すアクティブファンドには以下の特徴があります。
  • ファンド選びに知識が必要
「どういった方針で運用を行なったファンドが今後伸びるか」等の予測を立てて、ファンドの中身を吟味して選ぶ必要がある。
  • 運用・管理には一定のコストがかかる
指数以上の運用成績を狙うため、ファンドマネージャーがマクロ経済の分析や企業調査を行い、「値上がりしそう」と判断する銘柄に投資すると、人手と手間がかかるため、コストがインデックスファンドに比べて高い傾向がある。

つまり、インデックスファンドでは、指数より高い運用成果を出すことは難しいものの、「値動きのわかりやすさ」「商品の選びやすさ」「低コスト」といったメリットがあるため、一般的に初心者にオススメだと言われているのです。

一方、アクティブファンドでは「商品選びに知識が必要」「一定コストがかかる」のですが、運用がうまくいけば指数以上の運用成績が期待できるという楽しみもあります。

《インデックスファンドとアクティブファンドの違い》

項目インデックスファンドアクティブファンド
運用方法指数に連動することを目指してシステム的に運用。ファンドマネージャーが調査、研究し投資対象を選ぶ運用。
値動きの見方該当する指数の動きをチェック。市場の指数よりも成績がいいか悪いかチェック。
ファンドの選び方どの指数に連動するファンドがいいかで選ぶ。ファンドごとの運用方針、運用対象などを見て、値上がりしそうなものを選ぶ。
購入時手数料(*3)0.00%0.00%~2.64%
信託報酬(*4)0.01%〜0.29%0.23%~0.90%程度

*3 *4 手数料等は三菱東京UFJ銀行のインターネットバンキング専用ファンド(平成28年5月30日時点)のものです。