就活中で出費がかさむ…賢いやりくり方法はありますか?

FPの家計相談シリーズ

就活中で出費がかさむ…賢いやりくり方法はありますか?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの相談シリーズ。今回は読者の家計の悩みについて、プロのFPとして活躍する野瀬大樹(のせ・ひろき)氏がお答えします。


現在、就職活動をしている大学4年生です。お金の出入りが激しく、見直したいと思っています。就活中の上手なお金の使い方があれば、アドバイスをお願いします。
(20代前半 独身 男性)

野瀬:就職活動はとにかくお金がかかります。スーツ・ネクタイ・靴はもちろん、文房具やホテル、交通費など、たくさん受ければ受けるほどこれらの支出が必要になります。

さらに、最近はそれ以外の支出もたくさんかかります。就職活動でのアピールのための英会話学校や、海外インターンなど。

私は1年の半分以上をインドのデリーで過ごしているのですが、毎年たくさんのインターン学生と出会います。

最近の就職戦線は厳しいので、昔のインターンに加え、最近は海外インターンがトレンドです。そしてよりハードルが高そうな、インドでインターンと、年々エスカレートしているようです。

さらに「なんとかインターンの経験がほしい」と思っている学生のほうが立場が弱くなるので、おかしいことに学生側が「お金を払って」インターンしているケースも存在します。

「どうだ? 就活のためにインドでインターンしたいんだろ?」という感じの悪徳エージェントが存在するのもまた事実です。いつの世も立場が弱いと、辛い思いをするのですね。

就活の支出は一時的なもの

さて、そんな就職活動とお金についてですが「出入りが激しいので見直したい」というご要望かと思います。

ただ、個人的には就活時に必要なお金は一時的なものなので、あまりに気にしなくてよいと思います。

たしかに学生時代にバイトで苦労して稼いだお金や、親から就活用にもらったお金を交通費やスーツにならまだしも、玉石混合の海外インターンなどにジャブジャブ使うことには抵抗があるかもしれません。

ただ、就職活動やその準備は基本的に「一生に一度の機会」になります。かつ結婚式などのように「見栄のための支出」でないものについては、あまりケチケチしないほうがよいと思われます。

理不尽と言えば理不尽なのかもしれませんが、世の中では「お金で機会を買う」ことが多いのも事実。海外インターンだけでなく、会社が遠く交通費がかかるけれど、ものすごく興味がある会社の面接や就活で仲良くなった人との飲み会など……これらはある意味「お金で機会を買っている」ということもできます。

「無駄遣いをしろ!」とはまったく思いませんが、明らかに機会と考えられる就職活動に関しては、支出は一時的なものと捉えてあまり気にしないことがよいでしょう。

20代のお金の使い方

さて、そんな就職活動とお金についてですが、就職前にきちんと「お金の管理の仕方に慣れておくこと」は有益です。

まずはどうすれば「大きな漏れなく家計管理ができるか」を、就職前の今の段階から始めるとよいでしょう。

ステップ1:クレジットカード払いとスマホの利用

節約本によくある「家計簿をつけよう!」という主張ですが、それが簡単にできれば苦労はないわけです。では、どうしてこれができないかというと「細かな現金払い」がたくさんあるからだと思います。もとをたどれば現金払いはATMから下ろしたお金なので、諸悪の根源はATMの利用ということにもなります。

これを防ぐために、私は基本的に日本でもインドでも、支払いはクレジットカードやデビットカードにしています。家計簿アプリを使えば、これらの支払いを自動的に家計管理に取り込めるので、私自身に手間はかかりません。

もちろん現金も使いますが、それは極力少なく「雑費」として考えられる程度にしています。時には大きな出費もありますが、“時には”程度で、かつ大きな出費となると記憶しているので、それは手動で入力するとよいでしょう。

こうすることで「毎月のお金使い」の傾向がわかります。社会人になって半年程度たてば、月々どれくらいのお金が必要なのかが記録からわかるでしょう。明らかに不要な出費があったら、この時点で切ってください。

ステップ2:予算化

次はジャンルごとに「毎月の予算」を決めるとよいでしょう。そして実際の支出と比較して、残りの半年以内で「予算内の生活」を目指しましょう。最初は苦しいかもしれませんが、半年間で徐々に慣れるようにしてください。

ポイントは先ほどお話ししたような「お金で機会を買う」行為についても、予算をつけておくことです。逃した機会はあとで買い戻せないので、気持ちよく使えるように「機会の予算」も少しでよいので設けておくとよいでしょう。

そして、この予算を定めると「せっかく予算があるから『機会』をつくろう」という逆の効果も出てきます。久しぶりの友人に会ったり、会社以外の交流を深めたりすることもよいでしょう。

ステップ3:残高管理のあとは…

ステップ2で予算化ができたら、あとは「予算を超えたか、守ったか」だけをチェックして、基本的には毎月の資産ポートフォリオの管理だけでよいと思います。

予算さえ守れば、資産は貯まっていくので、あとはその資産を「どんなかたちで」持っているのかをチェックし続けてください。

最初は資産も少ないので投資に回す分はないかもしれませんが、投資はものすごく勉強になりますので、少しずつ投資信託や株式などに回していくとよいでしょう。

「厳しくて続かない」家計管理より、「ゆるくて続く」方がよいに決まっています。個人的にはこの3ステップが楽なのでお勧めです。

最後にしつこいですが、予算に取り入れることで機会をしっかりつかんでください。

「普通の人が京都から大阪に行く感覚で、京都から東京へ行き、普通の人が京都から東京に行く感覚でデリーから日本へ行く」

これは日本の家は京都、インドの家はデリーにある私の交通費に対するモットーです。要は、交通費と交際費は惜しまないということです。この2つの支出は自分の将来に仕事やチャンスを運んでくれるものなので、予算を組んでしっかり使うようにしましょう。

よい結果につながることをお祈りいたします。

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