はじめに

「うどん県」への“改名”など、常にうどんの話題には事欠かない香川県。

その西部に位置する三豊市の会社が、「CUO(チーフ・うどん・オフィサー)」という不思議な職を公募して、注目されています。

その報酬はなんと年1,000万円。これは単なる話題作りではなさそうですが、CUOとは、一体どんな仕事をする人なのでしょうか?


“うどんの聖地”香川県三豊市

瀬戸内海に面した自然豊かな香川県三豊市。創業107年を誇る製麺機メーカー「さぬき麺機」や、2006年に公開された映画『Udon』のモデルとなったうどん店などが存在し、“うどんの聖地”として、近年の讃岐うどんブームを支えてきました。

同市は、今年10月、特産品であるうどんに特化した地域商社「瀬戸内うどんカンパニー」の設立を予定。現在、そのリーダーとなる「CUO(チーフ・うどん・オフィサー:最高うどんビジネス責任者)」を募集しています。

会社の業務執行を統括する「CEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー:最高経営責任者)」や、財務を統括する「CFO(チーフ・ファイナンシャル・オフィサー:最高財務責任者)」は多くの企業に存在しますが、“うどん”を統括するCUOの設置はきっと日本初。

うどんに特化した会社で、どんな職を担うのか? 気になることづくしのニュースです。

うどんで地方の「稼ぐ力」を強化

今回の取り組みについて、目的は「三豊市の“稼ぐ力”を強化すること」と、三豊市田園都市推進課の倉本さんは話します。

「三豊市には、産品・観光ともに、まだ市場に認知されず眠ったままになっている潜在的付加価値の高い商品がたくさんあります。また、前向きに地域活性化に取り組む若者も多く存在します。若い人たちを巻き込みながら、戦略的に三豊市の隠された商材を活用。継続的に地域が稼げるようになることを目標としています」(倉本さん)

「瀬戸内うどんカンパニー」では、こうした瀬戸内うどん文化をキーワードに、うどんにまつわる商品の開発を行い、国内外へ売り込む予定。うどんに関連する観光や地域産品の開発・流通・プロデュース、うどんにまつわる人材育成・ブランディング事業など、多岐にわたる事業領域において「うどんのことならなんでもお任せください!」と言える事業体を目指します。

CUOに求められる資質とは?

そこで現在、この瀬戸内うどんカンパニーを牽引する初代リーダーとして募っているのが、最高うどんビジネス責任者、CUOです。

CUOという変わったネーミングについて、「事業を行っていくうえで、おもしろさも重要な要素のひとつだと考えています。そのため、役職の名前についても話題が呼べるものを選びました」と倉本さんはその狙いを明かします。

しかし、話題性もさることながら、CUOに求められているのは「うどんに関する事業モデルの中から、3年で収益商品を100生み出す」という厳しいミッション。地域の未来を担って立つポジションとなるため、求める人物像もハイスキルです。

【「瀬戸内うどんカンパニー」CUO募集要項】
■求める人材および募集条件
下記1~5のいずれかに当てはまり、かつ民間企業(自営業含む)などで5年以上の経験(営業、企画、マーチャンダイジング、仕入れ)を有する方。
1:地域の魅力を客観的に把握でき、社会が求めている価値に結びつけることができる人材
2:組織を運営するマネジメント能力のある人材
3:他業種との新しい事業構築に挑戦できる人材
4:PDCAサイクルに基づき、計画から課題解決を進めることができる人材
5:会社設立準備から一緒に奔走できる情熱のある人材

「三豊市の若手を巻き込み、地域の資源を活かした新しい価値をつくりあげられるような情熱を持った方。そして、しっかりと売上を立てられる方を求めています」(倉本さん)。

応募資格は「28歳以上~50歳まで」。契約は3年更新の業務委託となりますが、「業務結果による途中解約あり」とシビアに結果も求めます。

しかし、その対価としての報酬もしっかり確保。年1,000万円の業務委託料を準備しています。

優秀な人材を求めて広く募集

また、香川県人だけによらず、広く優秀な人材を募るため、4月17日には東京・大手町で「CUO募集説明会」を開催。三豊市の横山忠始市長も登壇し、CUOにかける期待について自ら話しました。

説明会には、多様なバックグラウンドを持つ約60名が参加。経営者の姿も多く見られ、「説明会は好感触でした。よいスタートが切れたと感じております」と、倉本さんも採用への期待を語ります。

「広く募集をかけることで、市・県内外問わず、優秀な方を採用したいと思っています。加えて今回の事業では、三豊市に新しい風を吹かせられるような“よそ者”の視点も重要だと考えています」(倉本さん)

4月18日から5月19日まで書類による応募を受け付け、一次選考、合宿・プレゼンテーションなどの二次選考を経て、CUOの決定は8月20日を予定。

三豊市の未来を担う、初代CUOの切符を手にするのは誰になるのか? 「我こそは!」という人はぜひこちらへ。

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