FPの体験談“コレは有益だった”と思うお金の使い方

お金との付き合い方を聞いてみた

FPの体験談“コレは有益だった”と思うお金の使い方

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は今までに有益だったお金の使い方について、内藤忍氏の体験談を聞いてみました。


これまでで一番有益だったと思う、お金の使い方(消費・投資)について教えて下さい。よろしくお願いします。
(30代前半 独身 男性)

内藤:お金が有効に使われたかどうかを判断する定量的な基準の1つは、投資のリターンだと思います。投資でリターンを上げれば、それはお金が有益に使われたと考えることができるのです。

お金が有効に使われるということ

例えば株価が上昇する会社は、会社の企業価値が高まっているわけであり、企業活動がマーケットから評価されていることになります。企業価値というのは、市場から評価される「企業の通信簿」のようなものなのです。

だから、もし自分の投資した株式が上昇すれば、それは企業価値の向上にファイナンスという側面で寄与したことになります。つまり、お金が有効に活用されたということができるのです。

逆に、投資した株式の株価が下落したとしたら、それはその企業のマーケットからの評価が低くなり、企業価値が下がったことを意味します。投資家として資金提供したことが有効に使われなかったと考えられるでしょう。

株式市場は完全ではありませんから、投機的な動きや短期的な需給によって企業価値が本来よりも過剰に評価されたり、過小に評価されることがあります。

しかし、長期的に見れば株価が上昇し、企業価値を高めている会社に投資をしているということは、その会社の成長を資金面でサポートしていることになります。そして、その会社の生み出すサービスや商品が世の中で評価されているということが、企業価値上昇の理由になっていると考えられるのです。

最も有益な投資は創業メンバーとして立ち上げた証券会社

そのような観点から自分自身の投資を振り返って最も有益だったと考えるのは、1999~2011年まで在籍したマネックス証券(現マネックスグループ)への投資です。

ネット証券がまだ一般化する前の1999年に、その年の10月1日から完全自由化される株式売買手数料をビジネスチャンスと捉え、マネックスはゼロから起業してネット証券を立ち上げました。

自らも創業メンバーとして仕事をしながら、一方で投資家として株主になることで企業価値の向上に取り組み、大手ネット証券として日本の個人投資家に低コストで快適な金融取引プラットフォームの提供に注力しました。結果として、投資としてもよい結果を得ることができたのです。

投資はギャンブルであるとか、投資で稼いだお金はあぶく銭といった偏見が日本の社会にはまだ根強く残っています。

しかし投資で利益を得る行為は、このように企業の成長と付加価値の提供の結果としてもたらされる果実といえるのです。

資本主義社会のマーケットメカニズムにはのってこない、リターンのない、有効なお金の使い方もたくさんあると思います。しかし、少なくとも証券投資においては儲けることを善だとする風潮が一般的になり、健全な市場原理主義が機能しなければ、日本人のお金との付き合い方は、いつまでも成熟したものにならないと思います。

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