はじめに

6月に入り、新聞等では「日経平均株価が2万円台に乗せてきた」と報じられましたが、そもそも「日経平均株価」とはなにかをしっかり理解していますか?

そして、この2万円という数字は、どんな意味を持つのでしょうか。今回は用語の意味とその読み解き方を解説したいと思います。


日経平均株価とは?

株式投資をしていると、「日経平均株価」「ニューヨークダウ」などという言葉に出会います。これらは「株価指数」という、株式市場全体の動きを見るために計算された数字です。

つまり「日経平均株価(以下、日経平均)が高い」というときは株式市場全体が高いことが多く、「日経平均が2万円を超えた」という事実は、株式相場全体がある水準を超えて上昇してきたことを示しています。

では、日経平均の数字はどのように計算されているのでしょうか?

日本の株式市場のほぼ100%を占める東京証券取引所には、大小織り交ぜ4,000以上の「株式」が上場し、誰でも売り買いできるようになっています(「ETF(上場投資信託)」も含めた数字)。

そして、日経平均は東京証券取引所の「一部市場」というところに上場している225銘柄の株価で構成されています。これらを単純に平均したものが本来の「日経平均」で、これが日本経済新聞社が算出している株価指数になります。

ただ“単純に平均”するといっても株価を測る物差しの統一が必要ということで、個々の株価を「50円額面」に換算し、平均を出します。また、50円額面に調整した株価の合計を単純に225で割るのではなく、「除数」という調整係数のようなものを使います。

計算式は以下になります。

日経平均株価 = 225銘柄の株価合計(50円額面換算) ÷ 除数 

「除数って何?」「ぜんぜん単純じゃない!」という声が聞こえてきそうですが、これは1950年9月に、戦後1949年5月の取引所再開時に遡って計算されたもので、当初の「除数」は単純に225で、225銘柄の株価平均を算出していました。

その後、銘柄の入れ替えなどがあり、指数の連続性が途切れないように調整された結果、2017年6月9日時点の除数は「26.301」となっています。

日経平均2万円が持つ意味

こうして計算された日経平均は、1989年12月29日に3万8,915.87円という過去最高値を叩き出し、その後、バブル崩壊とともに下落。2003年4月、2008年10月、2009年3月などに安値を付け、現在に至ります。

“ITバブル”の2000年には一時2万円台まで戻しましたが、その後、2008年のリーマンショックなどを経て、2015年4月に再度2万円を付けるまで2万円を超えることはありませんでした。

そして米国の利上げなどから2015年8月に2万円を割り込むと、昨年は2万円の数字が遠く、今年6月にようやく超えてきたため、今回盛んに報道されたのです。

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