はじめに

「貯蓄から投資へ」を旗印に、政府はNISA(少額投資非課税制度)などの施策を行っていますが、実際にはなかなか投資を行う人が増えないと言われています。

日本が抱える家計金融資産は1,800兆円を超え、依然、現預金重視。投資は「日本人の体質に合わない」「忙しすぎて投資する時間がない」など、さまざまな背景がありますが、今年いくつか初心者にもおすすめの制度が始まっています。


投資初心者にもおすすめの新制度

例えば、今年11月から口座開設が始まる「つみたてNISA」や、対象が拡大された「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、「貯蓄から投資」の手始めとして非常に便利なのではないかと思います。

投資に興味を持っていても、「ある程度まとまったお金を貯めてから」と思っていたり、ちまたにあふれる「○億円稼いだ」というギャンブル性の高い記事を読んだりした結果、二の足を踏んでしまう人が多いのは致し方ないことでしょう。

積み立て型の「つみたてNISA」や「iDeCo」では、一度に大きな額を投資する必要はありません。少しづつ貯金を貯めるような感覚のまま、投資を始められるというメリットがあります。

また、金(きん)やプラチナなど、貴金属の積み立てもあります。多額の資金が必要と思われがちな株式にも、少額から買えるものもあります。

このように、少額から投資を始めるという意味で裾野は拡がってきているので、「つみたてNISA」などの制度を利用しなくても、コツコツ積み立てるようなかたちであれば、初心者の方も手を出しやすいのではないでしょうか。

積み立てで「時間のリスク」を分散

ほか、積み立て投資のメリットとしては、「時間」をかけることで“高いところで買ってしまう”リスクを分散できるということがあります。

もちろん、「毎月月末に買う商品が、毎月月末に高値になる」ということであれば、いつも高いところで買ってしまうというリスクがあるのですが、基本的には長期間の積み立てであれば「時間のリスク」を小さくできます。

金を毎日定額で買い付ける積立プランなどであれば、価格変動のリスクも極力避けられます。

前回、このコラムで「投資とギャンブルは違う」ということを述べましたが、まさに積み立て投資は比較的リスクが少なく、若い方にはとくに有効ではないかと思います。

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