確定申告が必要になる副業売上のボーダーラインはどこ?

FPの家計相談シリーズ

確定申告が必要になる副業売上のボーダーラインはどこ?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は野瀬大樹氏がお答えします。


現在、会社に勤めながら副業をしています。趣味で撮影した山の風景写真などをネットのダウンロードサイト経由で販売しており、収入が月2万円程あります。“年収が20万円を超える場合は確定申告が必要”という文言を見たのですが、私もそれに該当するのでしょうか?
(20代後半 既婚 男性)

野瀬:副業では“「年収」が20万円を超える場合は確定申告が必要”とありますが、これは副業でもらっている報酬が給与である場合のみです。コンビニでアルバイトしているようなケースのみ該当します。

「年収」と「所得」の違い

相談者のように、風景写真をネット販売している場合の報酬は「雑所得」に該当します。この場合は“「所得」が20万円を超える場合は確定申告が必要”となります。

「年収」ではなく「所得」である点に注意が必要です。そして「所得」は以下の計算式で計算されます。

【収入-経費=所得】

つまり、相談者の場合経費を差し引いた結果が20万円以下であれば、確定申告は不要ということになります。

どこまでが「経費」になるか

そうなると気になるのが「経費」。どこまでが経費として認められるのでしょうか?

経費というのは、そもそも「売上を得るために必要だった出費」ということです。

相談者の「風景写真をインターネットで販売」の場合は、まず認められそうなのが以下のあたりでしょうか。

(1)撮影のための交通費
(2)参考としての写真集
(3)デジカメ
(4)パソコン
(5)インターネット料金

(1)は領収書がないことが多いので、日付と金額とどこに行ったかを書いたメモを残しておけばよいでしょう。

(2)は領収書さえ残しておけば問題なさそうです。ただし、そのほかの用途の本が混ざっているといけないので、領収書の裏に本のタイトルなどをメモしておくとよいでしょう。

問題は(3)デジカメ(4)パソコン(5)ネット料金です。

あくまで「副業」ですので、これらを100%この副業のためだけに使う! という形ではないと思います。

ご家族との旅行でもデジカメは使うし、パソコンやインターネット料金はもちろんプライベートで使いますよね。そうなると、これらを100%すべて「経費だ!」と主張することは難しくなります。

こういった場合ざっくりでもいいので「2割ぐらいは、この副業のために使っている」という割合を決めて按分して経費にするとよいでしょう。

なお、パソコンやデジカメが10万円を超える場合は、全額がその年ではなく何年かに按分して経費になる「減価償却費」となる点は注意が必要です。

例えば、おおよそ2割程度は経費として使用しているという場合、計算式は以下のようになります。

収入2万円/月×12カ月=24万円
24万円-(24万円×20%)=19万2千円

そのため“「所得」が20万円以下になる=確定申告が不要になる”可能性は高いと思われます。

売上が30万円を超えだすと……

さて、ここから先は今後の対応です。

今後、以下のようであれば税務署に開業届を出して「事業所得」にしてしまうことをお勧めします。

(i)もう少し売上が増えて、コンスタントに確定申告が必要になる場合
(ii)これから先もこの副業を続ける

そうして青色申告にしてしまえば、青色申告の特別控除や青色専従、さらには、もしある年に大きな損を出してしまったとしても、損失の繰越など税務上の特典が受けられるからです。これらの特典は「雑所得」では受けることができません。

「所得」がコンスタントに30万円あたりを超えだしたら、こういった対応も準備するようにしてください。

「事業所得の確定申告なんて大変!」と思うかもしれませんが、副業の延長レベルであれば十分独学で対応可能ですし、そのために確定申告の勉強の本を買っても「経費」として落とすことが可能です。

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