「マルチカレンシー口座」の活用が“外貨上級者”への道

FPの家計相談シリーズ

「マルチカレンシー口座」の活用が“外貨上級者”への道

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は内藤忍氏がお答えします。


以前、海外赴任で香港におり、昨年帰任してからも現地の銀行口座を保有しています。国内口座へ送金するという必要に迫られていないため、外貨預金の感覚で放っています。それでもいつか円安が進んだときに、海外口座をクローズして国内口座に送金すべきか、海外口座を維持して長期的視野で運用すべきかどうかを考えています。今後どのようにして国内の口座に資金を集約すればよいのか、アドバイスをいただけますか?
(40代後半 既婚・子供2人 男性)

内藤:海外の銀行に口座を保有し、外貨預金として運用しているということですが、まず注意しなければならないことは、海外の外貨運用による利益に関しては、現地で課税されない場合でも国内で納税する必要があるということです。

国内の外貨預金と同じように、利息に対して20%の課税になりますので、確定申告をしっかり行ってください。

複数の通貨の口座を保有できるマルチカレンシー口座

ご存知だとは思いますが、海外口座にはマルチカレンシー口座といって、複数の通貨の口座を保有することができ、ネット上から自由に通貨の変更ができる便利なサービスがあります。

米ドル、日本円、香港ドル、ユーロといった主要通貨がカバーされていれば、自分に必要な通貨をフレキシブルに調達できるメリットがあります。

また国内の金融機関に比べ、海外送金の手続きが簡単で、コスト面でも有利になるケースが多いようです。

海外に頻繁に送金などを行う人にとっては、海外口座のメリットといえるでしょう。

さらに、シティバンクやHSBCといったグローバルにビジネスを展開している銀行の口座を持っていれば、海外の支店やATMから現金を引き出すことができます。海外に頻繁に出かける人にとっては便利です。

一方、海外口座のデメリットとして、基本的には現地語か英語を使ったやり取りになることがあげられます。最低限、英語で対応できるだけの語学力が必要になります。

口座開設や通常の資金のやり取りだけではなく、万一トラブルに巻き込まれたりした場合も、その対応を外国語で行う必要が出てきます。メールや電話でやり取りを行うことになり、現地に出向くことはなかなかできません。そのような、緊急時のリスクがあることを認識しておきましょう。

海外で口座開設して外貨を長期運用するメリットは?

将来の為替リスクを考えれば、資産の一部を外貨で保有することには意味があります。

しかし、それは海外口座を持たなくても、国内の金融機関で外貨運用をすれば実現できます。海外口座を保有するべきかどうかは、コストや利便性を総合的に判断して決めればよいことです。

税制上のメリットがあるわけではありませんから、外貨預金を活用して資産運用を長期で行う場合、運用利回りに極端に大きな差がなければ、わざわざ口座を開設して海外で運用するメリットは低いといえます。

ご相談者の方の場合は、すでに海外口座も保有し、語学に関してもハードルが低いと思われますので、メリット・デメリットを認識したうえで、そのまま継続して外貨運用を海外で行う選択肢もあると思います。

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