はじめに

前回の「今売れている『お金・投資本』ランキング(2017年7月~9月)』から、早いもので3か月が経ちました。

その間に、日経平均株価の急変動、またビットコインをはじめとした“新しいお金”=仮想通貨の価格が乱高下。仮想通貨の急な値上がりで1億円単位の資産を手にした「億り人」と呼ばれる人たちが現れる一方、1日で4割近くの急落なども起きており、メディアでも「ビットコイン」「仮想通貨」といったキーワードを日常的に目にするようになりました。

それでは、全国の書店ではどのような「お金・投資関連本」が売れていたのでしょうか? 直近3か月(10~12月)の売上ランキングを発表します(日販 オープンネットワークWIN調べ/括弧内は前回の順位との比較です)。


今売れている「お金・投資本」ランキング(2017年10月~12月)

順位書名著者出版社発売日
1(→)はじめての人のための3000円投資生活横山光昭アスコム2016/6/27
2(NEW)投資なんか、おやめなさい荻原博子新潮社2017/9/15
3(→)めざせ「億り人」!マンガでわかる最強の株入門安恒理新星出版社2017/6/5
4(NEW)いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン大塚雄介ディスカヴァー・トゥエンティワン2017/3/15
5(↓)3000円投資生活で本当に人生を変える!横山光昭アスコム2017/6/26
6(↓)金持ち父さん貧乏父さんロバート・キヨサキ筑摩書房2013/11/8
7(NEW)一生モノの株のトリセツ相場師朗宝島社2017/10/5
8(↓)いちばんカンタン!株の超入門書安恒理高橋書店2014/8/11
9(NEW)お金2.0佐藤航陽幻冬舎2017/11/30
10(NEW)「仮想通貨投資」入門戸田俊司幻冬舎2017/11/2

第1位は、前回と変わらず『はじめての人のための3000円投資生活』となりました。

発売から約1年半経過していますが、まだまだ売れている超ロングセラーの投資本です。40~60代の世代を中心に、男女ともに売れています。

『はじめての人のための3000円投資生活』
著者:横山光昭
発売日:2016年07月
発行所:アスコム
価格:1,188円(税込)
ISBNコード:9784776209119

第2位は『投資なんか、おやめなさい』。経済ジャーナリストの荻原博子さんによる新書で、2017年9月に発売され今回ランキングに初登場しました。

昨今の投資ブームに冷や水を浴びせるようなタイトルですが、本書が否定しているのは「外貨建て生命保険」「毎月分配型投信」「純金積み立て」といった手数料やリスクの高い商品。投資上級者ならすでに知っている内容も多いかもしれませんが、セールスマンのトークが判断材料の中心になっているという方は読んでおくべき一冊です。

購入者のピークは60代の男性。「退職金などまとまったお金が入った方」という読者像が想像されます。

『投資なんか、おやめなさい』
著者:荻原博子
発売日:2017年09月
発行所:新潮社
価格:821円(税込)
ISBNコード:9784106107337

前回第3位だった『めざせ「億り人」!マンガでわかる最強の株入門』は、順位をキープ。漫画なのでサクサク読めて、口座開設から銘柄選び、チャートの読み方まで、株式投資初心者のための基本的な知識が気軽に学べる入門書です。株価の好調を受け、引き続き売れています。

『めざせ「億り人」!マンガでわかる最強の株入門』
著者:安恒理 吉村佳
発売日:2017年06月
発行所:新星出版社
価格:1,404円(税込)
ISBNコード:9784405102965

それではトップ3を紹介したところで、ここからはランキング初登場のタイトルを見ていきましょう。

まず紹介するのは、第4位の『いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン』。今話題のビットコインの解説本です。

ビットコインの特性だけでなく、取引を安全に管理するための特殊技術である「ブロックチェーン」についても解説した一冊。ITや金融に関する知識がない人でもわかりやすい内容で、ビットコインの急上昇を受け、12月末から売上が急上昇しています。

ちなみに著者の大塚雄介さんは、仮想通貨取引所大手「コインチェック」の取締役。記者会見で和田晃一良社長の隣にいた方ですね……。

『いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン』
著者:大塚雄介
発売日:2017年03月
発行所:ディスカヴァー・トゥエンティワン
価格:1,620円(税込)
ISBNコード:9784799320150

続いては、第7位の『一生モノの株のトリセツ』。ラジオNIKKEI「相場師朗の株塾」や著書『株は技術だ!』でおなじみの相場師朗さんによる新刊です。

本書で相場さんが紹介しているのは、経済の知識やニュースなどのファンダメンタルは一切使わず、「ローソク足チャート」や「移動平均線」といったテクニカル分析だけで株を売買する投資法。40~60代の男性を中心に読まれています。

『一生モノの株のトリセツ』
著者:相場師朗
発売日:2017年10月
発行所:宝島社
価格:1,490円(税込)
ISBNコード:9784800276063

次は第9位の『お金2.0』です。

『お金2.0』は、フォーブス誌「日本を救う起業家ベスト10」にも選ばれた株式会社メタップス創業者・佐藤航陽さんによる著書。仮想通貨、フィンテック、シェアリングエコノミー、評価経済など次々に新しい概念が生まれている現代の経済において、「これから何が変わるのか」「そのうえでどう生きるか」を論じた“新しい教科書”です。

読者の多くは男性。50代をピークに幅広く読まれており、発売以降重版を繰り返してさらに読者を拡大しています。

『お金2.0』
著者:佐藤航陽
発売日:2017年11月
発行所:幻冬舎
価格:1,620円(税込)
ISBNコード:9784344032156

最後に紹介するのは、第10位の『「仮想通貨投資」入門』。仮想通貨取引所「ビットステーション」代表取締役の戸田俊司さんによる著書で、仮想通貨の知識がまったくない人にもわかるように書かれた超入門書です。

仮想通貨といえば「ビットコイン」が有名ですが、本書では「イーサリアム」「リップル」といったアルトコインについても解説。また仮想通貨の仕組みだけでなく、仮想通貨の始め方や、値動きやチャートの読み方といった実践的なトレード方法、レバレッジを効かせてより大きく儲けるための売買テクニックなどについても記載されています。

こちらも昨年12月末から売上が急上昇。20代から50代まで、男性を中心に幅広い世代に売れています。

『「仮想通貨投資」入門』
著者:戸田俊司
発売日:2017年10月
発行所:幻冬舎メディアコンサルティング
価格:1,620円(税込)
ISBNコード:9784344913950

今売れている「お金・投資本」のランキングはいかがでしたか?

前回の「お金・投資本」ランキング(7~9月)はFXの基本書が目立ちましたが、今回はそれに代わって「仮想通貨」の関連本が多くランクインしており、まさに投資のトレンドが反映されたランキングとなっています。

次回の「お金・投資本」ランキングは4月ごろに公開予定です。次回もお楽しみに!

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