外国証券への投資を始める前に知っておくべき注意点

FPの家計相談シリーズ

外国証券への投資を始める前に知っておくべき注意点

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。


新しく外国投資を始めようと考えています。そこで気になったのは、外国投資を円建てで買うか、現地通貨建てで買うかです。

証券会社の中には円建てで株を買える会社もありますし、いちいち為替を気にせずに買えるので便利です。たとえば昨今のドルに対する円高ニュースを知ると、ドル建てで買った方が得なのではと考えています。外国投資を始めたばかりの人は、「円建て」と「現地通貨建て」のどちらがよいのでしょうか?

〈相談者プロフィール〉
・男性、25歳、未婚
・職業:会社員
・居住形態:賃貸
・住んでいる地域:東京都
・手取りの世帯月収:25万円
・毎月の支出目安:20万円

花輪:ご質問ありがとうございます。

外国証券への投資のメリット、デメリット

米国株などの外国証券に投資をする場合、株式などの投資対象の値動きと同時に、円から現地通貨(逆も)への変換時に為替差益も発生するので注意する必要があります。

また、リーマンショックのときのように、株式市場が暴落し、急激に円高が進むことで、円で見た資産価値が投資対象と為替のダブルで下落する場合もあります。反対に、2013年から2017年にかけては株式市場が上昇し、円安が進み、円で見た資産価値がダブルで上昇する局面もありました。

マーケット環境が良いとき、悪いときによって、円で見た資産価値が大きく変動するので、高いリターンも期待できますが、リスクも受け入れる必要があります。

国内に比べると手数料はやや割高

米国株の取引も特定口座で行うことができるなど、外国証券への投資環境も10年前と比べると格段と整ってきました。

ただし、米国株取引など外国証券の税金は初心者にとってはやや複雑です。米国株取引にかかる税金は基本的には国内の株式取引と同じですが、米ドルから円に換算する必要があったり、為替取引で発生した為替損益についてはNISAの制度対象外になったりなど注意点もあります。

外国株式や海外ETFは基本的にはNISAの対象ですが、取引によってはNISAの非課税口座を使えないケースもあります。外国証券の税金に関して、詳しくは証券会社や税理士、税務署などの専門家に確認をするようにしましょう。

また、手数料は10年前と比べると随分下がりましたが、国内の株式取引と比べるとやや割高になります。国内取引手数料のほかに、現地取引手数料がかかる場合もあります。為替手数料もかかりますので、そう考えると、あまり頻繁に売買をしないほうがよいでしょう。

どちらにしても決め手になるのは“商品の魅力”

現地の取引所に上場している株式を現地通貨建てで購入するほうが、投資対象の種類も豊富で、取引所や商品にもよりますが、取引量も円建ての物と比べると一般に多いです。

円建ての商品のメリットとしては、円で換算をしたほうが資産価値が分かりやすいということが挙げられます。

現地通貨建てでも円建てでもどちらでもよいのですが、決め手は商品の魅力になるでしょう。

証券会社の商品ラインナップから選んで、購入したい商品が円建てでもあるのであれば、選択肢に入れてもよいと思います。また、投資経験や税金などに対する知識の差もあるので、慣れている方ならば現地通貨建てに挑戦するのもよいでしょう。

日本円を現地通貨に振り替えて、現地通貨で取引をする(取引できる時間も決まっている)という一連の流れは一度やってみないと、人によってはハードルと感じる場合もあるからです。

確定申告は必要?

また、米国株の場合は、特定口座内での取引は源泉徴収税なので、原則として確定申告は不要です(特定口座外の株式譲渡益と通算する場合は、任意で確定申告をすることはできます)。

配当金に対する税金に関しても、源泉分離課税で確定申告は任意です(確定申告はしなくてもよいですが、その場合は外国税額控除が受けられません)。基本、特定口座内では確定申告をしなくても大丈夫ですが、税金に関して多少知識がないと、細かい部分まで分かりにくいかもしれません。

ただし、一連の流れ(買い付け、売却、税金の処理)を経験してみると、慣れればそれほど大変ではないことが分かるでしょう。また、経験をすると、投資の熟練度が上がります。

為替の動きに関しては、金融のプロでも短期や中期の予測は難しいです。「円高だから」という目先のことだけにとらわれずに、自分の投資レベルとライフプランに合った投資スタンスを選び、長期的な視点を持つことが大切です。

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