扶養内で働く!配偶者控除と注意したいポイント3つ

FPの家計相談シリーズ

扶養内で働く!配偶者控除と注意したいポイント3つ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。


受験を控えた子供を2人抱えています。主人はボーナスなしの月収30万円。妻の私は月収9.5万円のパートです。今年から扶養範囲が広まったので120万円の限度額ギリギリまで働く予定です。

今後、持ち家の修繕費や電化製品の買い替え費、老後資金などを貯めていきたいのですが、主人の会社が不安定でボーナスもなく、退職金はないとのことで、この先どうなってしまうのか不安です。私も今のパートのまま120万円の扶養限度額内で働くほうがよいのか、正社員で働くほうがよいのか悩んでいます。そのあたりを教えていただきたいです。どうぞよろしくお願いします。

〈相談者プロフィール〉
・女性、50代、既婚、子供2人
・職業:パート・アルバイト
・居住形態:持ち家(戸建て)
・手取りの世帯月収:39万円
・毎月の支出目安:34万円

花輪:ご質問ありがとうございます。

妻だけではなく、夫の年収にも注意が必要

2018年1月に配偶者控除が改正されました。これまで控除を最大に受けるには、扶養される妻の年収が「105万円未満」(年金収入なら160万円未満)とされていたのが、今回の改正で「150万円以下」(年金収入なら205万円以下)まで可能になりました。

また、控除が段階的に適用される配偶者特別控除の適用要件も緩和され、妻の年収が「103万円超~141万円未満」(年金収入なら158万円超~196万円未満)とされていたのが、「103万円超~201万円以下」(年金収入なら158万円超~243万円以下)まで広がります。

もう一つのポイントとして、配偶者控除が適用される夫に年収制限がつくということがあります。夫の年収が「1,120万円を超える」と控除額が次第に減り、年収「1,220万円を超える」とゼロになります。

従来は配偶者特別控除にのみ年収制限がついていましたが、今後はたとえ妻に収入がなくても、高額納税者である夫は配偶者控除が適用されなくなります。つまり2018年からは、夫の年収が1,220万円超か、妻の年収が201万円超なら、控除はまったく受けられなくなります。

実際、いくらまで稼ぐのがおトク?

「150万円までなら大丈夫だからパートを増やそう」、そう思っている人も多いかもしれませんが、チェックしなければならないのは配偶者控除だけではありません。収入が増えることによって、他にも受けることができなくなる制度もあるからです。

【ポイント1】社会保険の扶養106万円、130万円の壁

2016年10月の社会保険制度の改正により、これまで年収130万円以上のパート労働者が対象だった社会保険料の負担が、従業員が501人以上いる会社などは年収要件が106万円に引き下げられました。

社会保険料の負担は年間20万円前後と大きいために、ひとつの大きな壁となります。パート先の社会保険の加入の基準を確認しましょう。130万円未満ならば、その壁を意識するとよいですね。

それ以降の配偶者控除や配偶者特別控除に関しては、受けられる控除額が段階的に下がる仕組みになっています。106万円、130万円の壁と比べて緩やかな傾斜のような壁になっているために、この壁が一番のネックとなります。

【ポイント2】家族手当支給の範囲を確認

また、会社の家族手当のガイドラインも確認しておきましょう。

人事院の「平成28年職種別民間給与実態調査」によると、家族手当を支給している企業のうち、85.4%が対象となる配偶者に収入制限を設けています。

さらに、その収入制限の額として、65.9%が「103万円」、すなわち配偶者控除の上限額と同額とし、29.5%が「130万円」、すなわち社会保険料の扶養の上限額と同額としています。

配偶者控除と社会保険料の扶養の金額が改正されることによって、会社のルールも変わる可能性もあるため、ご主人の勤務先への確認が必要になります。勤務先にもよりますが、家族手当は月額2万円程度支給がある会社もあります。うっかり受け取れなくなるなんてことのないようにしましょう。

【ポイント3】妻自身の住民税と所得税

妻自身が支払う住民税、所得税等のラインも確認しておきましょう。

東京23区の場合、パート年収が100万円以下であれば住民税はかからず、所得税は103万円以下であればかかりません。

主婦がパートをする際には、配偶者控除、社会保険料の扶養の壁、夫勤務先の家族手当、自身の所得税・住民税と、気にしなければならないポイントがたくさんあります。

これらの壁を大きく越えて高収入で働くか、年収100万円程度のパートをするかという選択肢が依然として有力になりそうです。いずれにせよ、働いたのにかえって手取りが減ってしまったということを避けるためにも、制度を理解した上で働き方戦略を立てたいところです。

正社員として働くなら年収200万以上を目指して

相談者の場合は、パート先に社会保険加入の要件を、ご主人の勤務先に家族手当の要件を確認して、壁を確認しましょう。

130万円未満ギリギリまで働いた場合、月1万円程度の収入増になります。正社員の場合、社会保険料を支払わなければならないので、年収200万円を大きく超えて働かないと、手取りで換算すると旨味を感じないかもしれません。

大学資金が不足する場合は、銀行の教育ローンより日本学生支援機構の奨学金のほうが利息などの条件はよいです。

日本学生支援機構のホームページには、大学生活にかかるお金についてわかりやすいリーフレットもあります。子供達とお金の話をするのにもよい機会かもしれません。

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