はじめに

個人で購入できる投資信託は、現在、約6000本あります。そして、その6000本のほとんどが、「売る側にとって都合のよい金融商品」だということをご存じでしょうか?

「売る側に都合が良い=買う側に不利」ということです。つまり、私たちにとっては損をしかねない商品がほとんどなのです。

投資信託といえば、100円と少額から、自動で積み立てることが可能で、忙しい方でも、ズボラな方でも始めやすい投資商品。iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA、つみたてNISAといった、個人の資産形成をサポートする優遇制度がたくさんありますが、これらの制度に共通しているのも「投資信託」を選ぶという点です。

気軽に始められる投資信託でも、正しいマネー知識がなければ、本当に儲かる商品を選ぶのは至難のワザ。今回は、投資信託で勝利する極意を3つお伝えします。


投資信託で勝利する極意1

販売手数料がないものを選ぶ

投資信託を買うときにかかる手数料が販売手数料です。販売手数料は、投資信託の購入金額に対して最大で3%程度かかります。具体的な金額ではなくパーセンテージで書かれていますので、3%と聞いても何だかたいしたことないと感じるかもしれません。

例えば、販売手数料が3%の投資信託を100万円分買った場合、その瞬間に3万円が引かれるといったら、きっと誰もが驚くのではないでしょうか。

実際、100万円単位で投資信託を買う人は少ないかもしれませんが、10万円であっても3000円は引かれてしまいます。1000円のランチに3回行ける金額です。こう考えると3%の重みを感じられると思います。

しかし、投資信託の中には、販売手数料がかからないものがあります。それは「ノーロード投資信託」と呼ばれるもの。ロードとは英語で”Load”、手数料のことです。100万円分購入してももちろん0円ですので、販売手数料3%の投資信託よりもずっと得です。

ノーロード投資信託は、その後の運用面でもわずかですが有利になる場合があります。投資信託の販売手数料を「内枠」、つまり購入金額の中から支払う投資信託の場合、3%の販売手数料を支払うと、購入できる投資信託は97万円分になってしまいます。

でも、ノーロード投資信託では100万円分きっちり購入することができます。なお、販売手数料を購入金額とは別に支払う外枠形式の投資信託もあります。その場合は、購入時に103万円を払う形です。

もし、これらの投資信託がともに5%値上がりしたら、販売手数料3%の投資信託で値上がりした金額は4万8500円となるのに対し、ノーロード投資信託で値上がりした金額は5万円です。ノーロード投資信託のほうが元本部分は多いため、値上がり益も大きくなります。

販売手数料は、金融機関ごとに設定できます。当然、販売手数料がない投資信託が得です。できるだけ安く買えるところを探すべきでしょう。

ただし、2点ほど、注意していただきたい点があります。

1点目は、信託報酬(持っている間かかる手数料)が割高ではないかということ。販売手数料は1回だけですが、信託報酬は持っている間ずっとかかります。目先の無料にだまされて、長期で持つと損になる投資信託を買っていないか、確認しましょう。

2点目は、ノーロードだからといって、運用成績が必ずよいとは限らないという点です。いくら販売手数料が安くても、儲からない投資信託ではどうしようもありません。過去の運用実績(基準価額の推移)や純資産総額の推移が堅調に右肩あがりかどうかなども合わせて見るようにしましょう。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward]