ハワイ&韓国、旅行者数と株価の“強い関係”って?

旅行者数から将来の株価を見通す

ハワイ&韓国、旅行者数と株価の“強い関係”って?

夏休みシーズンが到来しました。8月中旬のお盆の時期には、一斉休暇する会社も少なくないようです。夏休みは実家に帰ってのんびりするのも良いでしょうし、いつもより人が減る都会で過ごすのも良いでしょう。

なかなか長期休暇も取りにくい方にとっては、家族旅行の良いタイミングにもなります。国内の観光地はどこも混んでいるので、人混みを避けたい人の中には、この際だから海外旅行を計画する方もいるでしょう。

7月に日本経済新聞社から2018年夏のボーナス調査が公表されました。支給額の平均は前年と比べて4.2%増えて、リーマン・ショック前の2008年に迫る水準になったとのことです。今回、ボーナスが増えたうれしい方の中には、ちょっとぜいたくに海外でもと考える方もいるでしょう。

「景気が良い→人々の収入が増える→海外旅行が増える」が連想されますが、海外旅行が増える時は景気や株価も好調になると考えられます。そこで、実際に海外旅行者と株価の関係を確認してみましょう。


海外旅行者数と株価の相関性はまちまち

データは、日本政府観光局の出国日本人数を使っています。図1の赤色グラフが出国者数です。これに対して、青色グラフが日経平均株価となります。

出国というと、バケーションの旅行だけとは限りません。ビジネスに関するものや留学など、さまざまなものが入ります。ただ、これらも景気と連動性が高いものでしょう。景気が悪ければ海外とのビジネスも減るでしょうし、収入が少ないとなかなか留学費用も捻出できないからです。

実際に赤と青のグラフの推移を見ると、予想通り、おおむね連動しているように見えます。とはいうものの、連動しない場面があることも事実です。

まずは、2003年に見られた出国者数の大きな落ち込みです。当時はSARS(サーズ)やイラク戦争などの影響があり、旅行が控えられた年でした。一方、日経平均株価は底値から回復を見せました。出国者数は地政学リスクなどの特殊要因の影響を受けてしまう場面があるようです。

また、アベノミクス相場が始まった2012年末から、株価は上昇しましたが、出国者は減少ました。これは円安が原因と考えます。

景気や株価に関しては「円安→日本の輸出が盛んになる→景気回復→株高」が連想されます。つまり円安は株高となります。しかし、旅行者にとって円安はあまりうれしい話になりません。旅行にかかる費用が上がってしまいますし、海外で買い物しても、いつもよりお金がかかるからです。

韓国への旅行者が増えると株安傾向

こうして見ると、海外旅行者と株価は連動しているようにも見えますが、実はよくよく見ると、そうでもない時期もあるのです。

旅行者数に関してさらに深掘りしていくと、景気との関係で面白いことがわかります。図1では、韓国への旅行者を取り上げてみました。ここでも厳密に旅行者というデータは取れないので、日本人の韓国への入国者数を旅行者のデータと見なしています。

韓国への旅行者数のデータを取るには、韓国観光公社の資料からも取得できますが、 JTB総合研究所のウェブサイトが便利です。このサイトは、各国への旅行者数のデータが2000年からまとまって掲載されています。

図1の緑のグラフが韓国への旅行者数のデータですが、日経平均と反対の動きをしています。韓国への旅行者数が増える時は株価が下がる傾向が見られるのです。これには、次のような理由があります。

韓国への旅行は、海外旅行の中でも「安・近・短(安くて、近くて、時間も短い)」の典型です。数万円レベルの予算で、現地まで2~3時間、2日程度の旅行日程で済むからです。

旅行者数は韓流ブームなどとも関係する面もありますが、基本的には安・近・短で、人々の所得や景気の落ち込みにも強く、実際には景気が弱い場面で増えてきました。たとえば、いつもの夏休みはハワイ旅行などを計画する人も、ボーナスが厳しかったりすると「今年は韓国に行ってみようか」と思う人もいるのではないでしょうか。

ハワイ旅行者が多いと株高に?

では、そのハワイ旅行者はどうでしょうか。図2でハワイ旅行者と日経平均の推移を比べてみると、連動しています。

そして日経平均と旅行者との関係を深くとらえるため、さらに、ハワイ旅行者数を韓国旅行者数で割って見ました。これが図2の赤いグラフです。

このグラフが上昇すると、韓国旅行者に比べてハワイ旅行者数が増えたことを意味します。株価にプラス方向で連動を見せるハワイ旅行者数に対して、マイナス方向の連動の韓国旅行者数で割ることで、より日経平均との関係を強くとらえることになります。

さて、今年の夏休み、皆さんの周り方の旅行計画はどうでしょう。どうやら私の周りではハワイ旅行を楽しみにする人が増えています。今年の夏は株高が期待できるかもしれません。

Card Stocks

連載

Ranking

Pick Up

Keyword

Authors