2018.09.10

副業の儲けが「20万円以下なら確定申告は不要」は本当?

副業をはじめよう

副業の儲けが「20万円以下なら確定申告は不要」は本当?

「働き方改革」が声高に叫ばれ、副業を容認する企業が少しづつ増えるにつれ、副業に関する税金について相談を受ける機会が増えてきました。

そこで今回は、副業で得た収入によって、確定申告が必要になるときの条件や住民税はどうなるのかなど、副業にまつわる税金について解説していきたいと思います。


副業は「所得税」の確定申告

副業に関する税金についての質問で、特に多いのは、いくら儲けたら確定申告をしないといけないのかというものです。

そもそも確定申告は、納税者が税額を確定して税務署に自己申告するということ(詳しくは「フリーランスの確定申告」を参照ください)。

法人税や消費税にも確定申告はありますが、上記は「所得税」の確定申告を意味しています。所得税とは、個人が何らかの方法でお金を稼いだときに課される税金のことです。

ところが、本業がいわゆるサラリーマンの場合、勤務先で年末調整によって所得税額の精算が行われるため、基本的には確定申告の必要はありません。

ただし、6団体以上にふるさと納税を行った場合や、住宅ローン控除の適用を初めて受ける場合など、確定申告の手続きをしなければならないケースもあります。そういったケースで、実際に確定申告をしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

副業の内容によって変わる所得の種類

所得税法では、「所得」に対して税率が掛けられます。所得とは、とても簡単に言うと、“収入から経費を引いたもの”です(一部、経費が引けない所得もあります)。

所得税法では、所得の種類を発生源泉別で10種類に区分して、それぞれに応じた計算方法がとられることになっています。どうして所得が区分されるかというと、その所得が、汗をかいて必死に稼いだものなのか、たまたまラッキーで得たものなのか等によって、経費や計算方法を分けた方がいいと考えられているからです。

区分される10種類の所得は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得です。副業で得た収入も、これら10種類のうち、いずれかの所得に区分されて課税されます。

前回、副業にあたる仕事は多岐にわたるということをご紹介しましたが、それぞれの仕事がどの所得にあたるのか確認してみましょう。

<副業にあたる仕事とその所得の種類>
・他社でアルバイトとして働いた:給与所得
・ライターとして記事を書いた:雑所得または事業所得
・週末に資格を活かしてコンサルティングの仕事をした:雑所得または事業所得
・ネットショップやフリマアプリで商品を販売した:雑所得または事業所得
・株式や投資信託など金融商品に投資した:
 (売却損益)譲渡所得
 (配当)配当所得
・投資用マンションを購入して賃貸した:不動産所得

同じ副業でも、色々な種類の所得があるということがご理解いただけると思います。

「20万以下なら申告不要」は本当?

よく、副業での儲けが20万円以下だったら申告は必要ないという話を耳にします。

これは10種類の所得、すべてにあてはまる話ではありません。その所得が、給与所得または退職所得以外に該当した場合です。また、ここで指す20万円以下というのは、収入から経費を引いた所得金額の合計で判断します。

つまり、本業での給与所得があり、それとは別に副業収入としての年間所得が20万円超となる場合は、基本的に所得税の確定申告が必要になります。ただし、副業収入が給与所得の場合は、たとえ年間所得が1円であっても確定申告をしなければなりません(国税庁「確定申告が必要な方」参考)。

住民税は1円でも所得があれば申告が必要

気をつけていただきたいのは、上記は所得税に関しての取扱いということです。住民税にはこの“20万円の基準”がありませんので、極端な話、副業収入の年間所得が1円を超えると申告の必要があります。

住民税もまた所得税と同様に、“個人が何らかの方法でお金を稼いだときに課される税金”です。所得税は税務署を通じて国に納めるものですが、住民税は行政サービス提供の対価として、住んでいる市区町村に納めることになっています。

所得税の確定申告はしたことがあっても、住民税の申告書を提出したことがあるという方は少ないのではないでしょうか。なぜなら、所得税の確定申告書を提出すると、その申告書の写しが市区町村に回付されることになっているからです。

いわゆるサラリーマン(給与所得者)については、勤務先から「給与支払報告書」という資料が市区町村に提出されることになっており、そのデータに基づいて住民税の計算が行われています。

所得20万以下でも確定申告をおすすめする理由

住民税の申告書は、各市区町村によってフォーマットが異なります。所得税の確定申告書を提出しない場合で、住民税の申告をしなければならない、あるいは申告したい時だけ作成することになります。住民税の申告を行うケースは稀です。実際に住民税の申告書を見たことがあるという方は少ないのではないでしょうか。

一方で、所得税の申告書は全統一フォーマットで用意されているものがあり、インターネットからも入手することができ、確定申告書作成サイトを使えば作成もスムーズです。

先にも述べたとおり、所得税の確定申告のデータは市区町村に自動的に届くシステムになっています。そのため、副業による年間所得がある方は、金額に関係なく、所得税の確定申告書を提出される方が手続き的にはわかりやすいと思います。

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