はじめに

女性の雇用者数は増え続けています。総務省が発表している労働力調査によると、平成20年から29年までの10年で、およそ250万人も増加しています。

女性活躍推進の名の下に女性はどんどん社会で活躍し、能力を発揮し、輝きを増している印象です。

一方で、そんな時代の流れに取り残されてしまったかのように、専業主婦の存在感は薄れ、中には肩身の狭い思いをしている人もいると聞きます。


専業主婦に罪悪感を覚える妻たち

しゅふJOB総研では、専業主婦だった経験があると答えた女性に「専業主婦であることに後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことはありますか?」と質問してみました。


有効回答数804名

「ある」と「少しはある」を足すと56.7%。専業主婦経験者の過半数が後ろめたさや罪悪感を覚えていました。

「ある」または「少しはある」と回答した人のフリーコメントには、専業主婦経験者ならではの声が寄せられました。

「経済的に依存している気がして、罪悪感がありました(60代)」「無職(主婦)という肩書きと、税金を納めないことについて肩身が狭かった(50代)」「夫ばかりが金銭的な負担を負っているから(40代)」「世間から取り残されている感じ(40代)」「自分の稼いだお金でないと何となく自由に使うのに気がひけます(40代)」

主婦も立派な仕事

一方、後ろめたさや罪悪感は「ない」と回答した人のフリーコメントを見ると、主婦業に対する考え方が根本的に異なっている印象を受けます。

「うしろめたさや罪悪を感じる理由がない 収入がなく贅沢ができなくても家庭をおろそかにする方が罪悪(50代)」「主婦も立派な仕事なので(40代)」「子育ても家事も間接的に収入に繋がっているから(40代)」「子供たちの成長の全てを見ることが出来たから(40代)」「一日中子供の面倒をみるより、外で働いている方が楽だとずっと思っていた(40代)」

主婦業そのものに価値を見出していたり、主婦業の大変さを強く感じている人は、罪悪感を覚えないようです。

橘玲氏の『専業主婦は2億円損をする』という本が話題になりました。やはり働いて収入を得ていない専業主婦は金銭的に損をしていることは間違いありません。一方、専業主婦であることに罪悪感を覚えない人の声にも説得力を感じます。

敢えて2億円ではなく、専業主婦の道を選ぶ。それもまたキャリアの選択に他なりません。キャリアとは人生の轍(わだち)のこと。敢えて専業主婦を選んだ人は、専業主婦であることの意義に2億円以上の価値を見出している、とも言えるのだと思います。

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