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2018.10.5

首都圏に密集の私立中学、受験校はどうやって決める?

数字から読み解く中学受験:第1回

首都圏に密集の私立中学、受験校はどうやって決める?

中学受験についての様々な話題を“数字”を切り口にお話しする本連載。

「鵜の目鷹の目」のことわざにかけ、森上教育研究所の高橋真実氏に<タカの目>として「中学受験に関する数字と親目線からの気になるポイント」を、森上展安氏に<モリの目>として「数字の詳しい背景」を掘り下げていただきます。

鵜の目鷹の目…鵜や鷹が獲物を求めるように、熱心にものを探し出そうとする様子

今回の中学受験に関する数字…「778校」


私立中学の数ってこんなにあるの?

<タカの目>(高橋真実)

我が家では5年前に娘が中学受験にチャレンジしました。地方出身で、当たり前のように学区の公立中学校に進学し、これまた当然のように県立高校に進んだ私にとって、中学受験はすべてが“未知との遭遇”でした。そんな私が、娘の中学受験を意識して情報収集を始めて驚いたことがあります。「私立中学ってこんなにあるの?」

全国の中学校は1万270校。このうち中高一貫校を含む公立中学校9,421校、私立中学は778校あります。私立中学は全体の8%弱にあたります(残り71校は国立)。

その中で、全国の私立中学の1/4にあたる187校は東京都内にあります。第2位は神奈川県の64校、第3位は大阪府の63校です。これを見ても、いかに首都圏に私立中学が多いかということがわかります。都内はまさに過密状態。

たとえば、偏差値50から55まで(四谷大塚合不合判定テスト80偏差値一覧による)で見ても、2月1日の入試解禁日に女子が受験校として選択可能な都内の私立中学は実に23校。親にとっても子どもにとっても、受験校を選択することが最初の難関と言えるかもしれません。

ちなみに、私が育った東北地方の中核都市では、当時はゼロだった私立中学は現在3校になりました。大都市との教育環境の格差や、公立中学の教育に対する問題意識がこうした私立中学誕生の背景にあるようです。

学校の選択肢があるのは恵まれた環境かもしれませんが、一方で、選択肢があるからこそ、子どものために何を選ばせるべきなのか、頭が痛いというのも親の本音ではないでしょうか。


私立中学の起源とは?

<モリの目>(森上展安)

778校も私立中学があるというタカの目さんのご指摘。確かにそんなにあれば迷いますね。首都圏には約300校、それ以外には近畿圏に集中しているのが私立中学という存在です。そもそもその源は外国居留地にあったミッションスクールが起点でしたから、神戸、横浜、そして築地に発祥の地があります。

もちろん、子女教育を欧米流にばかりされては困るというので、仏教系や士業のなくなったお武家たちも参入して明治には欧風の「学校」が次々できました。その後、大正の自由教育、戦後のカトリック男子校の参入、そして新制公立中学の発足となって今日に至っています。

もっとも昭和63年(1988年)に15歳人口がピークを迎えましたから、これを境に私学経営に転機が訪れます。即ち高校だけの募集を中高一貫にして中学募集を始める学校が大勢になっていったのです。それまでの多くの私学のあり様は、公立高校の受け皿として戦後のベビーブーマーの高校進学率急増を支える存在でした。

ここのところはタカの目さんの地方の場合も、都市圏の中流層も同じ状況であったわけです。

しかし、そうした中流層とは別に、戦前からの特権的な学校(英国ではチャータースクールと呼称されました)の流れがありました。旧制中学は公私ともに有料、その上の旧制高校は帝国大学に進学を保証されていました。

こうした旧制の中学は新制高校に、旧制高校は新制大学になりました。麻布、開成は旧制中学から新制高校になり、成城、学習院、成蹊、成城学園等は5年生旧制高校から大学になり、併設して中学、高校ともなりました。

以上のように学校の流れは明治、大正、戦後すぐと、もう1つは90年代からの私立高校による中学併設(公立一貫化もその流れ)との4つの流れが合流して今日に至りました。

よく私学は「建学の精神」ということを言いますが、各々由来があるのですね。

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