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2017.03.13

『サバイバルファミリー』に学ぶ、壮絶節約テクニック

もし電気が突然使えなくなったら?

『サバイバルファミリー』に学ぶ、壮絶節約テクニック

「もし電気が突然使えなくなったら、いったいどうすれば!?」

テレビ、冷蔵庫、エアコン、スマホ……、数々の電化製品に囲まれ(そして、月々数千~数万円の電気代を支払い)、便利な暮らしを甘受する現代人にはまったく想像のつかない世界です。

そんな「ありえない」世界をリアルかつコミカルに作り出したのが映画『ウォーターボーイズ』『ハッピーフライト』の矢口史靖監督による最新作『サバイバルファミリー』。

電気がOFFになることで、人間本来の力がONになる姿を描いた今作から、どんな状況でもたくましく生き抜く術を学ぶため、プロデューサーの小川英洋氏に話をうかがいました。


映画『サバイバルファミリー』あらすじ

ある朝起きたら、電気がまったく使えなくなっていた! 家電どころか、交通も流通も完全ストップ。テレビもスマホも使えず、情報も一切入ってこない。最初のうちは「すぐに復旧するだろう」とのんきに構えた人々も、3日、1週間……と時間が過ぎても改善しないうちに焦りを見せ始め……。

そんな「もしも」の世界で主人公となるのは、一緒に住んでいても心はバラバラな鈴木ファミリー。亭主関白が空回りしている父親(小日向文世)、能天気な母親(深津絵里)、つっけんどんな大学生の長男(泉澤祐希)、ちょっとギャルな高校生の長女(葵わかな)という、見るからにサバイバル能力ゼロのこの一家は、果たして無事に生き延びることができるのか!?

電気がなくなったら、1か月で若者はダウンしてしまう!?

――映画を見て驚いたのが、電気が止まった日本社会の描き方です。誰に命令されたわけでもないのに、当然のように学校や会社に行ってしまう。でも、確かに自分も会社に行くと思いました。

「監督が脚本を書くにあたり、10~60代の方々に『もしも、ある日突然電気が使えなくなったらどうするか?』というアンケートをとったんです。“1日目はどうするか?”を聞いて、答えを書かないと次の質問をめくれない。そうやって、“3日目はどうするか?”“1週間、1年経ったらどうするか?”を聞いていきました。

その結果をストーリーにも反映していますが、実際、会社や学校に行くという方が多かったです。あと、おもしろいことに、若い人ほど1カ月くらいで“僕はもうダメです”という悲観的な回答が多くみられ、世代が上になるほど“家庭菜園を始める”“学校の校庭で畑を耕す”など前向きな回答が目立ちました。

ただ、映画のなかでの両親と子供たちの行動の違いにも表れていますが、子供たちのほうが電気のない生活に対して表面上は悲観的だけれども、実際に電気が使えなくなったら、適応力は親よりも高いんじゃないかな、とも思います」(フジテレビジョン・小川英洋氏、以下同)

――あと、激しい暴動なども起きませんね。海外の映画ではあまり考えられない展開です。

「本当に電気がなくなったら、日本は島国なうえに同一民族の割合が全人口の約95%以上を占める単一民族国家なので、アメリカのような多民族国家とは違った展開を見せると考えました。全世界的な停電という状況を考えれば、会社、学校、スーパーでも、どこか“のどか”な様子の日本人が描かれます。矢口監督によって、日本映画ならではのディザスター(大災害)ムービーが誕生したと言えるかもしれません。

さらに、主人公の鈴木ファミリーも決してヒーローのような人たちではない。家族4人がそろった姿を見ても、非常にちんまりしている。ヴィジュアルからして、サバイバル能力ゼロ、電気がなくなったらとても生き延びられないだろうと思わせるタイプ。

矢口映画ファンには知られたエピソードですが、実は、『ウォーターボーイズ』から矢口監督のオリジナル作品では、すべて鈴木という名字の人物が主人公なんです。鈴木というのは日本で一、二を争うくらいメジャーな苗字。こういったネーミングにも表れていますが、監督が撮りたいのはいわゆるヒーローではなく『普通の人たちが頑張る姿を描くこと』です」

監督も実践! 節約にもつながるサバイバル術

――作中にはさまざまなサバイバル術が登場します。極端ではありますが、実生活での節約にもつながるのではないかと思ったのですが……。

「実は、登場するサバイバル術の多くは、実際に監督をはじめとするスタッフも試しています。監督のこだわりなのですが、シナハン(シナリオハンティングの略。脚本を作るうえでの取材のこと)をとても丁寧に行っています。今回も、東京から鹿児島まで実際に移動して、ストーリーを組み立てていきました。作中の人物と同じ行動を経験することで、“ありえない”世界観をリアルに描き、“ありえる”ものとして観客に届けたかったから。

たとえば、母親の実家がある九州を目指す途中で飲み水が尽き、長男がバッテリー補充液を飲む(※)ことを思いつく、というシーンは、実際に監督やスタッフがシナハンで試してみて飲めるということで、ストーリーに反映したものです。

ただし、監督は『この家族の真似をしないでください』と冗談交じりに主張していますけど……。ただ、失敗も含めて“なるほど”と思えますし、鈴木家とは真逆にサバイバル能力が高い“イケてるけどイケ好かない”斎藤ファミリーという一家も登場するので、電気やお金を使わなくてもたくましく楽しく生きる知恵は随所に登場しています」

※バッテリー補充液のパッケージには「飲んではいけません」という旨の記載がありますので、真似はしないように。

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