はじめに

消費のキーワードとして「インスタ映え」という言葉が登場するようになりました。SNSサービスのインスタグラムに写真を投稿するユーザーが、ただ写真を投稿するのではなくて、投稿者のセンスをアピールするような写真を投稿するという意味です。

最近ではわざわざそのインスタ映えする写真を撮影する目的で、イベントに出かけたり、商品を購入したりと、インスタグラムが新たな消費を生み出すというトレンドが生まれ始めています。この「インスタ映え消費」は本物なのかどうか。議論をまとめてみたいと思います。


インスタ映え消費が若者の間で拡大している

インスタグラムにリア充(実生活が充実していること)ぶりをアピールするような写真や、面白さ、楽しさ、珍しさを感じさせる写真を投稿することが流行しています。

写真には投稿者のセンスが問われるということで、特に若い世代を中心に「インスタ映えする写真をどう撮影するかが毎日の生活の中心」というような極端なライフスタイルも登場するようになりました。

そこで登場したのが「インスタ映え消費」と言う言葉です。同じ消費をするなら、よりインスタグラムに映えるものを選ぶ。そんな消費スタイルが話題になりはじめています。

インスタ映え消費の例として今年の夏に話題になったのがナイトプールです。夜、幻想的な照明に照らされたプールで泳ぐことが若い女性を中心に流行しました。泳ぐというのは適切ではないかもしれません。プールに入っている人たちはみな、手にスマホを持っていて、ナイトプールで遊んでいる様子を自撮りするのが目的です。

そして写真をパシャリと撮影したら早速インスタグラムに投稿します。

インスタ映え消費はコト消費が目的ではない

このインスタ映え消費にはこれまでの消費にはない特徴があります。ナイトプールの場合、「今日の夜は友達と一緒に赤坂のナイトプールで涼んでいます」と投稿するのが消費の目的。自分の生活がいかにリア充なのかをアピールするためにナイトプールという体験を購入するのです。

消費の進化論的に説明すると、必要な物、欲しい物を消費するのが90年代までの“モノ消費”。それに対して、体験や経験を消費することに重点があてられたのが今世紀に入ってから増加した“コト消費”。

そしてインスタ映え消費は、体験や経験を消費するわけではないという点に新しい特長があります。ナイトプールで泳ぐという経験は目的ではなくインスタ映えするフォトジェニックな写真を作るための手段と言うわけなのです。

そのため、インスタ映え消費はふたつのの傾向があります。まずは王道のインスタ映え消費を見てみましょう。

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