2018.01.7

1989年1円玉が大量製造、そのワケは?

貨幣の製造数から歴史を読む

1989年1円玉が大量製造、そのワケは?

貨幣は毎年きっちりと同じ枚数が造られていると思いがちですが、実はそうではありません。日本の政治や状況によって、大きく変動しているのです。その理由は様々あります。お金は時代を映す鏡、今回はお金の製造数から時代を読み解きます。


製造枚数は時代を反映する

貨幣には全て、製造年が刻印されていますよね。造幣局で製造される貨幣は、毎年、同じ枚数が造られるわけではありません。需要枚数を調べた上で、製造枚数が定められるため、年によってバラつきがあるのです。

「昭和23年」から「平成28年」まで、全種類の貨幣を合計した製造枚数を見てみると、最少と最多で相当な差があります。

最も貨幣製造枚数が多かった年は、「昭和49年」の約56億枚。

そのワケは、高度経済成長と共に、貨幣製造枚数が順調に増加していったからです。また、日本に自動販売機、公衆電話、駅の切符販売機が一気に普及した年でもありました。ちなみにこの年はまだ、五〇〇円玉が製造されていません。

逆に、最少は「昭和64年」の2億7千万枚。この年は、年始の天皇崩御により昭和から平成へと年号が変化しました。「昭和64年」は1月1日〜1月7日、たった7日間しかなかったため。

ちなみに、「昭和64年」製の五〇円玉、百円玉は一枚も存在しません。というのも、年明けすぐには製造する予定がなく、その前に年号が変わってしまったためです。

年によっては、特定の種類の貨幣だけが、多く製造されることもあります。

例えば、1円玉の場合、「平成元年」に24億枚、「平成2年」に28億枚製造されました。この年、日本に消費税が導入されたため、1円単位の小銭が急に必要になったのです。

近年は、必要とされる一円玉は十分に流通していることや、電子マネーなどの普及もあって、一円玉の製造は減少傾向にあります。「平成28年」はなんと約60万枚。

「昭和64年」の一円玉は約1億枚なので、それよりも希少価値があるのです。

【1円 アルミニウム貨幣 製造数】

昭和30年(1955)381,700 51年(1976)928,850 平成8年(1996)942,213
31年(1956)500,900 52年(1977)895,000 9年(1997)783,086
32年(1957)492,000 53年(1978)864,000 10年(1998)452,612
33年(1958)374,900 54年(1979)1,015,000 11年(1999)67,120
34年(1959)208,600 55年(1980)1,145,000 12年(2000)12,026
35年(1960)300,000 56年(1981)1,206,000 13年(2001)8,024
36年(1961)432,400 57年(1982)1,017,000 14年(2002)9,667
37年(1962)572,000 58年(1983)1,086,000 15年(2003)117,406
38年(1963)788,700 59年(1984)981,850 16年(2004)52,903
39年(1964)1,665,100 60年(1985)837,150 17年(2005)30,029
40年(1965)1,743,256 61年(1986)417,960 18年(2006)129,594
41年(1966)807,344 62年(1987)955,775 19年(2007)223,904
42年(1967)220,600 63年(1988)1,269,042 20年(2008)134,811
43年(1968)0 64年(1989)116,100 21年(2009)48,003
44年(1969)184,700 平成 元年(1989)2,366,970 22年(2010)7,905
45年(1970)556,400 2年(1990)2,768,953 23年(2011)456
46年(1971)904,950 3年(1991)2,301,120 24年(2012)659
47年(1972)1,274,950 4年(1992)1,299,130 25年(2013)554
48年(1973)1,470,000 5年(1993)1,261,240 26年(2014)124,013
49年(1974)1,750,000 6年(1994)1,040,767 27年(2015)82,004
50年(1975)1,656,150 7年(1995)1,041,874 28年(2016)574

造幣局さいたま支局
埼玉県さいたま市大宮区北袋町1-190-22、さいたま新都心駅から徒歩12分、9時〜16時30分(入館は16時まで)、入館無料、TEL:048-645-5899

文=佐藤成美(風来堂) 撮影(造幣局さいたま支局)=今田 壮(風来堂)

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