はじめに

東日本旅客鉄道(JR東日本)グループが展開している駅ビル「アトレ」。その新しい業態が3月29日、茨城県土浦市にオープンします。

新業態の名称は「PLAYatre(プレイアトレ)」。既存のアトレ、アトレヴィとはまったく異なる新しいコンセプトで開発したという新業態は、既存業態とどう違うのでしょうか。


新しい消費のカタチを体感

「プレイアトレ土浦では、アクティブなリゾートライフを提案します。新しい消費のカタチを体感していただきたい」。プレイアトレ土浦の開発を手掛けたアトレの藤本沢子課長は、オープン前日に開かれたプレス内覧会で、こう意気込みました。

JR常磐線の土浦駅に隣接する駅ビル「ペルチ土浦」をコンバージョンして開業する、プレイアトレ土浦。まずは第1弾として地上1階と地下1階が3月29日にオープン。今後は2019年秋まで4回にわたって、順次リニューアルしていく予定です。

今回の第1弾では、学習塾やエステショップ、コンビニといった店舗のほかに、サイクルショップ「ル・サイク」とサイクルカフェ「タリーズコーヒー」が核テナントとして入居します。実は、この2つの核テナントに、新業態プレイアトレのコンセプトが凝縮されているのです。

目指すは「物販依存からの脱却」

プレイアトレのコンセプトは、ショッピング中心の駅ビルからの脱却。「コト発信」と「体験の提供」という2つのテーマに特化しているのが特徴です。

ただ一方で、アトレという名前を残しているように、従来からの“アトレらしさ”も共存させています。それは「それぞれの駅に合わせて、その街のライフスタイルを表現した商業施設である点」(アトレの藤本課長)です。

土浦の場合、地元の筑波山や霞ケ浦を周遊する、全長180キロメートルのサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」を生かした開発を心がけたといいます。

たとえばル・サイクは、首都圏を中心に104店舗を展開する「サイクルスポット」が運営しています。茨城県には初の出店で、ル・サイク単体の店舗としては最大規模を誇ります。


自転車だけでなく、アパレルやライトなどの自転車用品も充実

取り扱う自転車は約300台。身近にサイクリングを楽しんでもらえるよう、5万円台のエントリーユーザー向けクロスバイクを中心に豊富なラインナップを取りそろえています。

「土浦周辺の住民に利用してもらって、休日の楽しみになるお店を目指します」と、サイクルスポットの井上健太マネージャーは抱負を語ります。

初のビアンキコラボカフェ

もちろん、地元住民だけでなく、電車で手ぶらでやってきた観光客でも、サイクリングが楽しめる配慮がなされています。

地下1階には、茨城県が設置し、アトレが管理・運営する無人型レンタルバイクを配置。ソフトバンクの開発したシステムを導入しており、アプリをダウンロードしておけば、貸し出しから決済までアプリ上で完了します。35台が用意されており、料金は1日2,500円です。

ル・サイクでも有人式のレンタルサイクルを取り扱っており、料金は1日1,500~3,500円。欧州で人気になっているイーバイク(電動アシスト自転車)など、最新車種に乗ることができます。

もう1つの核テナントであるタリーズは、同社として初めて、イタリアの自転車メーカー「ビアンキ」とコラボレーション。サイクルカフェという新ジャンルの店舗になっています。


初のサイクルカフェとなるタリーズ。照明は自転車の車輪をイメージ

ビアンキにちなんで、通常の店舗では裏メニューとなっているエスプレッソをおすすめメニューとして標準展開。内装にも各所にこだわりを持たせており、自転車の車輪をイメージした照明や、レジ前に横断歩道のデコレーションを配しています。

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