はじめに

企業が運営するミュージアムは、入館料が無料だったり、格安でツアーに参加できる施設が多いのもうれしいところ。普段から親しんでいる製品をより詳しく知ることで、日常でも新たな発見があるかもしれません。

バリエーションも多種多様で、大人だけでも楽しむことができるというのもポイントの一つ。中でも、「ヱビスビール記念館」は、大人に大人気の企業ミュージアム。

ビールをもっとおいしく楽しめるコツや試飲体験が充実しています。ヱビスの歴史とビールの秘密について学んだ後に飲むビールは、いつもよりもさらにおいしく感じるはずです。


ビールの歴史から注ぎ方のコツまで

ヱビスビール記念館は、2010年にヱビスビールが誕生120周年を迎えたことを記念してオープンしました。日本麦酒醸造会社(現在のサッポロビール)が設立した、恵比寿ガーデンプレイス(ヱビスビールの製造工場があった場所)内にあります。

施設に入るとまず、エントランスから正面に見えるのは、巨大な銅の仕込釜。「コミュニケーションステージ」の前に鎮座するこの釜は、ヱビスビールの製造工場で1987(昭和62)年まで使用されていたものです。

館内への入場は無料。「ヱビスギャラリー」や「テイスティングサロン」「ミュージアムショップ」は、誰でも自由に入れます。ギャラリーでは、ヱビスビールに関する展示を見ることができます。

1890(明治23)年の発売以来、120年以上続くヱビスビールの歴史に関する映像や、実際に使われていたポスターなど、各時代の貴重な資料を展示。

試飲ができる「ヱビスツアー」

館内の資料は自由に見ることができますが、せっかくなら500円でレクチャーに加えて、ビール2杯の試飲まで付いてくるツアーに参加してみましょう。

ヱビスビールのエキスパート「ブランドコミュニケーター」がギャラリー案内と、ヱビスの歴史やおいしい飲み方のレクチャーをしてくれます。「恵比寿様が鯛を2匹抱えた“ラッキーヱビス”ラベルがある」といった豆知識も満載。ブランドコミュニケーターそれぞれの「持ちネタ」があるそう。日や回によって少しずつ内容が異なり、何度来ても飽きません。

ギャラリーで歴史や雑学を学んだ後は「コミュニケーションステージ」へ。「ヱビス」や「琥珀ヱビス」など、ツアーのテーマや季節に合わせたヱビスブランドの樽生ビールを2杯、飲み比べができます。軽いおつまみもあり、未成年者やお酒が飲めない方はソフトドリンクが提供されます。

さらに、自宅でもおいしいビールを楽しめるよう、「三度注ぎ」という缶ビールの注ぎ方も伝授してくれます。ちょっとしたコツで驚くほど味が変わるので、ぜひ覚えて帰りたいですね。

ギャラリーの案内が約20分、試飲が約20分で、ツアーは終了。定員に達していなければ当日参加もできますが、事前予約がおすすめです。

飲み足りない人はテイスティングサロンへ

1枚400円の「エビスコイン」と交換で、「ヱビスプレミアムブラック」や季節限定ビールなど、試飲したもの以外にもさまざまなビールを楽しめます。季節限定のドリンクやおつまみメニューも注文可能。

ヱビスビール記念館では、不定期で開催されるイベントも人気です。2018年9月21日から24日までは、恵比寿ガーデンプレイスで「恵比寿麦酒祭り」が開催。ビヤホールで音楽とともにビールを楽しんだり、各種ワークショップなどが開かれるイベントですが、ヱビスビール記念館でも、イベント限定のツアーが予定されています。

ヱビスビール記念館
東京都渋谷区恵比寿4-20-1 恵比寿ガーデンプレイス内、JR山手線・東京メトロ日比谷線恵比寿駅から徒歩5分、TEL:︎03-5423-7255、ツアー料金500円(20歳以下300円、小学生以下無料)、11:00〜19:00(ヱビスツアー最終回17:10、テイスティングサロンラストオーダー18:30)、月曜休(祝日の場合は翌日)

文=平野貴大(風来堂)

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