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2017.12.6

家を買ったほうがよい「2つの条件」当てはまるのは誰?

FPの家計相談シリーズ

家を買ったほうがよい「2つの条件」当てはまるのは誰?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は野瀬大樹氏がお答えします。


現在、東京都下で1LDKの部屋を借りて夫婦で暮らしています。夫婦二人ですので1LDKの部屋でも問題なく、築2年の物件のため、快適に暮らしています。しかし、月末になるたびに家賃13万円が口座から引き落とされているのを見て、少し複雑な気分になります。自分のものにはならないのに、13万円という大金を払って、これでいいのだろうかという気分です。

「それならば家を買えばいいじゃない」と思われるかも知れません。世帯収入は平均並みなので、正直、家を買うことはできると思います。今も「家賃並みで買える」「豪華な暮らし」など、すてきなコピーが並ぶチラシを見ては、ため息をつく毎日です。

しかし、「35年ローンという長い長い道のりを自分は歩めるのだろうか」「不景気で仕事をクビになったらどうしよう」などと考えるとなかなか踏ん切りがつきません。また、物件を見ていると、それぞれに個性があって目移りしてしまいます。

そこで教えていただきたいのは、お金のプロが「家を買ったほうがよい」と思うのは、どんな人かということです。安定していて、たくさんの収入がある人がいいのはわかります。しかし、自分と同じような収入の人たちが家を買っているのを見ると、それだけではないのかなと思えてくるのです。また逆に、お金のプロの方が「買うよりも賃貸がよい」と思うのはどのような人でしょうか? ぜひお話を聞かせてください。
(30代前半 既婚・子供なし 男性)

野瀬:この論争は本当に多いですね。その時々の相場など不確定な要素も絡むため、答えが出にくい問題なのでしょう。

このようなときはまずメリットとデメリットを整理した上で、「ご質問者の場合はどうなのか」を考えていくようにしましょう。

また、通常こういった比較ではトータルの支出を見てどちらが得かを考えることが多いですが、ある学者さんの集計では、人生トータルでの支出は「賃貸も購入も変わらない」との主張もあります。そのため、今回はトータル支出以外の部分を中心に考えたいと思います。

「賃貸」か「購入」か?

■ 賃貸のメリット/購入のデメリット
1:身軽(転職や家族数増減にも対応できる)
2:会社から家賃補助が出る場合、その分の収入が増える
3:自分の好きなデザインの家に引っ越せる
4:人口減少による住宅需要減少(価格減)を回避できる

逆の場合も考えてみましょう。

■ 購入のメリット/賃貸のデメリット
1:将来貸したり売ったりすることで、収入や利益が生まれる可能性もある
2:インフレが起こった際のリスクヘッジになる
3:今の税制は購入者に優しい(住宅ローン控除や相続税)
4:自分流にリフォームやアレンジができる

それぞれの特徴は、このあたりかと思います。

とくに日本の地方都市が直面する可能性の高い、今後の不動産の値下がりは強烈なため注意が必要ですが、ご質問者の方は東京にお住まいのため、今回この点はあまり関係ないかとは思います。

これらのメリットを踏まえて私なりに「家を買ったほうがよい人」をまとめました。逆にこれに該当しない人は「賃貸のほうがよい人」ということになります。

家を買ったほうがよいのはどんな人?

その1:とにかく家が好きな人

これは、お金の問題ではなく心の問題ですが、世の中にはとにかく「家」が好きな方が存在します。

自分が住みたい“理想の家”があり、そんなすてきな家で過ごしていると、心が休まり明日からもがんばる力がみなぎる。そして、その家に住むためなら毎日節約して頭金を貯めることがまったく苦ではない、という人です。

こういう方は「本当に心の底から家が好き」なので家を買うべきなのです。

この相談コラムで私が何度も主張していることですが、究極的に家計改善というものは「本当は好きでもないのに、なんとなく買ってしまっているものをやめて、本当に心の底から好きなものを買う」ということです。

ですから、家が本当に好きならば、どんな制約があっても家は買うべきだと思います。

そして、その効果が最大価値になるように、以下の点に気を付けるとよいでしょう。

・家族数が変わらない
・住む場所が変わらない

お子さんが生まれたり、両親と同居したり、転勤や転職によって住む場所が変わる可能性はあるでしょう。そうなったときにせっかくがんばって購入し、自分好みにデザイン・リフォームした家から離れなければいけなくなるのは本当に悲しいことです。

また、自分の家が大好きな方は、自分流に家をリフォームしがちです。それ自体にはなんら問題がないのですが、そうなるとそのデザインが他の方の好みにも合う保証がないため、出口戦略としては不利になります。

この2点をクリアできる、またはクリアしそうな場合に限って、家は買うべきだと思います。

その2:投資に向く家が見つかった場合

これはお金面の話ですが、条件その1をクリアしなくても、こちらをクリアしていれば家は「買い」だと思います。

その理由は、仮に購入した家が10年後も買った価格と同額で売れるのであれば、今買って10年後に売っても「10年間タダ」で住めたことになるからです(もちろん、固定資産税、管理費、不動産取得税などはかかりますが)。

では、値下がりしない物件はどう見つければよいかというと、基本的には以下の条件を満たしたものが対象となりやすいかと思います。

(1)築10年から20年の中古物件
よほどの人気エリアではない限り、不動産価格は築10年から20年で一度値段が下がり、落ち着きます。ですので、このあたりのタイミングの物件を狙うとよいでしょう。

(2)駅から徒歩10分以内(できれば2線利用の駅)
今後人口が縮小することを考えると、東京であったとしても駅から徒歩10分以内のところがよいでしょう。

(3)1LDKから3LDKのよくある間取・よくあるデザイン
これらの物件はほしい、住みたいと思う方が多いので、貸しやすい・売りやすいというメリットがあります。

また、同様の理由から奇抜なデザインは避けたほうがよいでしょう。

慌てて買うのはNG

さて、お話をまとめると、上記条件の「その1」をクリアしていれば買い、そうでなかった場合も「その2」をクリアしていれば、買いかなと思います。

逆にこれらをクリアしていなければ、自宅は買いではありません。ちなみに私は賃貸に住んでいますが、賃貸である理由は下記のとおりです。

・その1:そもそも家がそんなに好きではないし、上記の条件も満たさない
・その2:満たすものはあるが「投資」の面から今の市況は価格が高い

現在は不動産の市況もかなり高いので、その点だけは気をつけたいですね。2年から3年のスパンで、のんびりゆっくり好条件の物件を探すぐらいの心構えでよいと思います。

不動産は慌てて買うものではありません。今はよい条件でローンを組めるように、自分の属性を高めるべきなのかもしれませんね。よい条件でローンを組めるように日々努力するのも、立派な節約です。

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