2017.06.28

これからのマンション市場はどう変化するのか

時間と立地で選ぶ不動産投資

これからのマンション市場はどう変化するのか

5月13日(土)、老後資金や安定した副収入を求める人たち向けに不動産投資を紹介する「不動産投資1DAYスクール」と題したイベントが品川インターシティホールで開催されました。

メディアなどで活躍する不動産の専門家、個人投資家の不動産経営をサポートする企業が一堂に会し、不動産投資のノウハウや成功の秘訣が語られました。

本記事では、株式会社東京日商エステムによるセミナーをご紹介。住宅コンサルタント野中清志氏が「経済・市場動向から徹底分析!これからのマンション市場はどう変化するのか」をテーマに話しました。


賃貸物件は買う人も住む人も、層が厚くなっている

野中氏:突然ですが、私、年頭に目標を2つ作りました。ひとつめは、筋トレをして筋肉をつけること。2つめは日記をつけることです。

長い日記は続かないので、その日に印象に残ったひと言を手帳に記す「キーワード日記」をつけることにしました。今日は不動産投資についてお話させていただきますが、みなさんもぜひ登場したキーワードを手帳に記して、今後の参考にしていただければと思います。

最初にお伝えしたいキーワードが「逆転現象」です。不動産投資というと、これまでは中高年の方が主流でした。ところが最近は若い方が非常に増えてきています。これには2つ理由があります。

まず今の若い方は、年金に対する信頼が極めて低くなっています。私のような中高年になると「年金はいくらもらえるかな」と考えるものですが、若い方は逆で「本当にもらえるのかな」という発想になってしまっています。そこで、家賃収入を年金代わりにできる不動産投資への注目が高まっているのです。

さらに、近年は超低金利が続いています。とても有利にローンが組めるようになり、若い人にもチャレンジしやすい環境になりました。

一方、賃貸物件の借り手はというと、こちらはもともと若い人が中心の市場でした。ところが今の日本では、50歳の時点で独身の人は男性で約23%、女性が約13%いるそうです。結婚する人の初婚年齢も上がっていて、独身の時間が極めて長くなっています。ワンルームマンション入居者の平均年齢も、この10年間で5歳も上昇しています。そのせいか、賃貸物件は若い人だけでなく中高年も借りるようになっており、投資家も入居者も層が厚くなっているというのが最近の傾向です。

次はマーケット動向を見てみましょう。2016年に1都3県で発売された新築のファミリーマンションは約3万7千戸です。一方で、ワンルームマンションは大体1万戸なので、ワンルームとファミリー向けを合計すると5万弱となります。首都圏で発売されるマンションの5戸に1戸はワンルームで、20%を占めることになります。

かつてのワンルームマンションのシェアは15%程度でしたが、この5年ほどで20%に跳ね上がりました。これはワンルームが増えたのではなく、ファミリー向けが減っていることによるものです。具体的には、面積が80平米を超える住宅の供給が大幅に減少しています。

これは構造的な変化によるものです。みなさんの周囲でも、5人家族や6人家族というファミリーはあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。5LDK、6LDKといった広い住宅の需要は減退しています。不動産マーケットでは「コンパクト化」が進んでおり、これが市場のキーワードです。

不動産の希少性は「時間」と「立地」で決まる

現在の日本の住宅における最大の問題点はなんでしょうか。それは、空き家が多いことです。

2013年時点で空き家は830万戸ありましたが、おそらくいまは900万戸を突破しているでしょう。近い将来には1,000万戸を突破するかもしれません。具体的にどんな住宅が空き家になっているかというと、圧倒的に郊外の広すぎる住宅です。さきほど説明したように、広い家は構造的に需要が減っているからです。
 
空き家だらけで住宅が余っている日本の不動産市場でも、足りていない住宅というのがひとつだけあります。それがクオリティの高い住宅です。クオリティとは単に耐震性や耐火性、構造とか設備とか、そういうことではありません。不動産で最も希少性のある「時間」という価値を持つ住宅です。

日本で一番古い民間第1号マンションは、1956年に東京・四ツ谷にできた「四谷コーポラス」というマンションです。駅から6分、60平方メートルの広さで、分譲価格は230万円でした。当時の大卒初任給は月収8千円、年収は10万円です。年収10万の時代に230万のマンションというと年収の23倍になります。今でいうと年収500万円の方が1億1500万の家を買うようなもので、超高嶺の花でした。このマンションはすでに60年が経過していますが、現在でも中古市場で流通しています。

60年前に230万円だったマンションが今、中古でいくらで売れているでしょうか。なんと4000万から5000万近くで売れているんです。

今、四ツ谷周辺で、60平方メートルの新築マンションだと9000万以上します。10年落ちで8000万、20年落ちで7000万程度。要は同じエリアに、それより高い新築が出てくると、先にできた中古マンションの価格がどんどん上がるんです。逆に、同じエリアに後から安い新築が出てくれば、もとからある中古マンションは下落します。これは、不動産業界における資産価値の「経済的要因」といいます。住宅の価値というのはこの経済的要因によって大きく変動するんです。

住宅の価値で2番目に希少性のあるのは、立地です。お風呂やキッチンは時間が経てば100%劣化しますが、都心から何分、あるいは駅から何分という立地の価値は何年たっても劣化しません。

ちなみに劣化の反対はなんでしょうか。優化です。立地は時間が経ってからむしろ優化することもあります。新線の開通や再開発、都市計画、再開発などでエリアの価値が上がると、駅徒歩5分という立地はさらに優化されていくんです。

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