海外移住の前にすべき、総資産1000万円の管理方法

FPの家計相談シリーズ

海外移住の前にすべき、総資産1000万円の管理方法

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はプロのFPとして活躍する花輪陽子氏がお答えします。


美味しかったレストランの優待から入り、いくつかの投資は行っていますが、まだ資産の大半を円預金で保有しています。流動性の点では望ましいと思っていますが、国際結婚し、時期不確実 (かなり近いかもしれない) な将来に夫婦ともども妻の出身国へ移住するかもしれません。不確定な海外移住に為替リスクが集中しています。移住に備えたポートフォリオと、その作り方について教えてください。

〈相談者プロフィール〉
・男性、29歳、既婚、子供なし
・職業:会社員
・居住形態:賃貸
・住んでいる地域:神奈川
・手取りの月収:20万円
・毎月の支出目安:18万円(うち家賃8万円-補助3万円)
・総資産1,000万円弱のうち、投資信託(新興国中心)と現物国内株に80万円ずつ、会社の財形住宅(年1%の奨励金)に250万円、残りが銀行預金です。

花輪:将来の海外移住に備えて、しておきたいことがいくつかあります。

海外移住に備えてすべきこと

銀行の海外送金の設定など、国外に出てからだと難しくなるので今のうちに行っておきたいです。オンライン証券にある株式なども、原則として売却をして口座を手仕舞う必要があります。

クレジットカードやポイントカードなども整理しておきたいです。マイレージの家族プログラムなどを検討しても良いですね。

財形貯蓄制度は転職・退職時の取り扱いとして、転職先に制度があれば、退職から2年以内に手続きを行うことで移管できます。

転職先がすぐに見つからない場合も、2年以内であれば、もとの金融機関に置いておくことができます。転職して2年以内に再開できない場合は、利子等の非課税の優遇措置がなくなり、課税扱いとなります。

転職先に財形がない場合や、転職せずに退職する場合は、積み立ててきた資産を払い出すことになります。さらに住宅取得の目的外の解約となると、利子に対して5年さかのぼって課税が行われます。

海外移住に伴って、社内移動ではなくて職場が変わる可能性もあるので、勤務先や金融機関に処理を確認する方が良いでしょう。

できるだけ換金しやすい資産で保有

現在のポートフォリオについて「流動性の点では望ましいと思っています」ということですが、その通りだと思います。

貯蓄型保険などではなく、できるだけ換金をしやすい形の資産で持っておき、実際に移住してから少しずつお金を動かすなどをすれば良いでしょう。

渡航先にもよりますが、投資型の保険、外債、外国投資信託などのラインナップは金融先進国では豊富です。移住をしてから本格的に投資を始めても遅くはないでしょう。一時帰国の際に日本円を使うこともあるので、ある程度は日本円も必要になります。

円と外国通貨にする比率ですが、自分の生活の割合から考えると良いでしょう。

生活の拠点を日本において年に1~2回アメリカ圏に旅行をするという人は、9割を円資産で1割を米ドルにするなどです。その割合が逆転するのであれば、資産のウェイトを同じように変えても良いでしょう。

外貨建て資産は為替リスクが大きいので、その通貨で育ててそのまま使うという発想の方が良いでしょう。

海外でも働けるスキルを身につける

また現在29歳と、これから働いて稼ぐお金の方が金融資産より大きくなるので、収入を増やす工夫も必要になります。海外でも働くことができるスキルなどを身につけておくことも重要です。

米国やシンガポールなどではリンクトインもよく使われているので、英語で職歴などをまとめておいても良いでしょう。

渡航先によっては生活費も大きく異なります。日本よりも住居費、教育費、医療費などが大きくなる国も多いからです。また、海外への引っ越しは荷物の輸送費、不動産契約の初期費用、家具・家電や携帯電話などの購入費用がかかります。

まずは、その国でやりくりできる支出の管理と収入の確保が一番重要になってきます。

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