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日本の年金制度から合法的に脱退する方法はありますか?

FPの家計相談シリーズ

日本の年金制度から合法的に脱退する方法はありますか?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの相談シリーズ。今回は読者の家計の悩みについて、プロのFPとして活躍する深野康彦(ふかの・やすひこ)氏がお答えします。


日本国籍のまま、国が管轄する国民年金や厚生年金などの制度から脱退するためには、どうしたらよいのでしょうか?
(30代後半 独身 男性)

深野:私の立場では、やや答えにくい質問がきてしまいましたが、原則論で回答させていただきます。

合法的に脱退はできない

質問者の就業形態が記載されていませんので、仮定の話で回答しますが、お勤めの場合は、勤務先が厚生年金に加入している限り合法的に脱退することはできません。厚生年金は企業単位で加入していることになるため、その企業に属している限りは、個々人の理由で脱退をすることはできないのです。

あってはならないのですが、勤務先が厚生年金に加入してなく、個人で国民年金に加入していなければ未加入となります。

仮に、勤務先が従業員から厚生年金保険料を徴収していながら、年金機構に納めていない場合は勤務先が詐欺行為を働いていることになり、これは犯罪になります。

一方、自営業の場合であれば、国民年金の加入手続きをしなければ未加入となり、事実上加入しないことは可能です。

自営業者でもすでに国民年金に加入されているのであれば、合法的に脱退することはできません。

ただし、年金保険料を未納すれば事実上未加入ということになってしまいます。国民年金に加入しているが、未納している場合、本人に収入がないときは世帯主や配偶者も連帯して国民年金保険料を納付する義務を追うことになります。

保険料免除制度も

また、さまざまな事情で国民年金保険料を納めることが困難な人もいるため、一定の要件に該当したとき、所得が一定の水準よりも少ないとき、失業・災害などに遭ったときなどは、本人の届出や申請により国民年金保険料の納付が免除されます。

この場合、全額免除に該当するのであれば、未納ではないことから将来年金を受け取るときの加入期間として計算しますが、年金額には反映されません。

国民年金加入者、および世帯主や配偶者の連帯納付義務者に十分な所得がありながら、国民年金保険料が13ヵ月~24ヵ月に渡って未納になっている場合は、強制徴収が行われるケースがあります。

過去に未納があった場合は、通常、2年前まで遡って納めることができます。もし、それ以前にも未納の保険料がある場合は「後納制度」を活用しましょう。平成27年10月から平成30年9月30日までは、5年前まで遡って保険料を納付できる「5年の後納制度」が利用できます。

年金は本当にもらえるのか?

本当に今後、国から年金はもらえるのか、と不安になる方もいると思いますが、ゼロになることはないと考えられます。

なぜなら、国民年金保険の受給額の2分の1は税金で賄われているのですから、税金で賄う分がゼロにならない限り、少なくとも国民年金保険の半分はもらうことができると思われます。ただし、国民年金保険の半分といっても人によって加入期間が異なるので、将来受給できる金額は異なります。

また、これまでは原則として25年以上の保険料納付期間が必要でしたが、平成29年8月からは、加入期間が10年以上であれば、公的年金を受給できる権利が発生することになります。

現在の現役世代は「リタイア世代と比較して年金受給額が少ない」、また「国が信用できないから公的年金に加入しない」など言われていますが、私は民間の年金保険などに加入する前に公的年金にまず入るべきと強く思っています。

公的年金の保険料は、全額社会保険料控除額となるため節税効果が高い一方、民間の個人年金保険はいくら保険料を払っても最高4万円の控除しか得られません。

また、公的年金は老後のためのものと思われがちですが、障害者に該当した場合は「障害年金」、配偶者がいる方が亡くなった場合は「遺族年金」が受け取れるなど、老後以外の現役世代の保障も得られる優れものなのです。

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