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2017.03.14

どうすればお金の不安なく100歳まで生きられますか?

生き抜くために必要な「お金の知恵」

どうすればお金の不安なく100歳まで生きられますか?

100年続く人生を安心して生きるためには、一体どれくらいのお金が必要なのでしょうか。

2月11日に行われたイベントで、金融のプロ山崎元さんとファイナンシャルプランナーの岩城みずほさんが、より豊かに人生を生きるために考えたいお金との付き合い方について語りました。

今回、このイベントを主催したのはNPO法人「ルーム・トゥ・リード・ジャパン」。途上国の子供たちが初等教育を受けられるように支援を行っている団体です。山崎さんと岩城さんがその活動に共感したことで、ボランティアでの登壇が実現し、参加費のうち、予約システムの使用料を除いたすべての金額が「ルーム・トゥ・リード・ジャパン」へ寄付されました。

運用や投資だけでなく寄付という選択も含めて、お金をどう使うかは自分の生き方を示す手段です。お金に縛られるのではなく、人生をよりよくする手段として使いこなすためには、どのようなことを意識すればいいのでしょうか。


必要貯蓄率を守れるなら面倒な計算や節約は必要ない

まず、話題に上がったのが100年続く人生を見越した貯蓄の方法について。

2050年には、女性の4人にひとりが98歳、男性の4人にひとりが93歳まで生きると言われています。つまり、リタイアメントした後の人生が30年以上続く人が少なくないということです。お金の心配なく一生を過ごすためには、老後の蓄えを確保しておくことが大切です。

岩城:総務省の家計調査によると、世帯主が60歳以上で2人以上の無職世帯の支出は、50歳代の世帯の支出の約7割です。逆に言えば、退職後も支出が大きく減るわけではなく、7割ほどにしかならないということです。さらに、公的年金の財政検証によると年金の支給額が減っていくことはほぼ間違いありません。つまり現役時代にお金をしっかり貯めておく必要があるということです。

とはいえ「お金を貯めることばかりにとらわれて、もっとも大切な人生の目標を見失うことは本末転倒です」と岩城さんは言います。

岩城:毎月の必要貯蓄率を達成していれば、ストレスのかかる節約などにとらわれる必要はありません。上手にお金と付き合っていくためには、使ってよいお金は自由に使えばよいのです。

必要貯蓄率の計算式

X:老後生活費率

現役時代の生活費を「1」とした時の老後の生活費の比率。「0.7」程度になる人が多いが「リタイアメントまでに住宅ローンを払い終わる」「老後は物価が低い郊外で暮らす予定」など、生活費が減る要素があれば「0.5〜0.6」くらいの数値を当てはめてもよい。

Y:手取り年収

「今後の」現役時代の年収の平均額。40代前半での年収が生涯の平均年収になることが多いので、若い方は会社の先輩の年収を参考にしよう。結婚している場合は世帯合計の年収で考えても、あるいは主な稼ぎ手の収入をベースに考えて、もう一方の収入をすべて貯蓄にまわすことにして「現在資産額」として考えてもいい。自営業の場合は、不安定な要素が多いので、少し厳しめの金額に設定しておく。

P:年金額(年間)

将来受け取れる年金の年間予想額。厚生年金の場合、現在支給されている額は「現役世代の手取り年収×0.5」ほどだが、今後下がっていくことが予想されるため「手取り年収×0.3」程度で計算しておくとよい。自営業者などは、「0.15%」程度と、厳しめに見積もっておく。

A:現在資産額

現在持っている資産の合計額。株や投資信託は時価で、貯蓄性の保険等もここに算入する。確定拠出年金や退職一時金の目処がついていれば算入してもよい。

a/b:現役年数/老後年数

今後現役で働く年数と、引退してからの老後がどれくらい続くのかという予想の年数。自分が引退しようと思う年齢から、現在の年齢を引いた数が「現役年数」、寿命を迎える年齢から、現役を引退する年齢を引いた数が「老後年数」になる。寿命を迎える年齢は95〜100歳に設定しておいた方がいい。

上記の数式は、山崎さんと岩城さんが共著した『そこ、ハッキリ答えてください!「お金の考え方」このままでいいのか心配です。』での対話のなかで、「必要貯蓄額が確保できるなら、あとは面倒くさいことを考えなくていい」(同書p.100より引用)という岩城さんの言葉を受けて、山崎さんが考案したものです。

算出された「必要貯蓄率」を「手取り年収」に掛けて、12ヶ月で割ると「ひと月あたりの必要貯蓄額」が求められます。

山崎:実際に計算してみると、必要貯蓄率は20%程度になる人が多いようです。実現は、やや苦しいと思う方が多いかも知れません。また、ごく稀には、すでに多くの資産を持っていて、必要貯蓄率がマイナスになる人もいます。その場合は、もう少し自由にお金を使ってもいいということです。

岩城:この数式は、今後どういう生き方をしていくかの指標になるものです。必要貯蓄率を下げたければ、老後生活費率を下げたり、現役年数を増やしたりといった工夫をする必要があります。この必要貯蓄率さえ守っていれば無理な節約をする必要はなく、使っていいお金は自由に使ってかまいません。お金よりもっと大切な人生のことに注力して生きていきましょう。

山崎:お金のことを意識しすぎることも、大きな損をすることもなく生きていけるのが理想的です。お金のことばかり考えて生活していても楽しくありません。面倒くさいことは考えなくとも、安心して人生を送れるように、現在使うお金と将来使うお金の配分をあらかじめ決めておこうというのがこの数式の主旨です。

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