はじめに

おおっぴらには聞きづらい、お金の話。自分の金銭感覚はほかの人と比べて普通なのか、それとも少し変わっているのか? 世の中のお金の平均値は気になるところ。

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が実施した「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2017」を紐解くと、気になるみんなのお財布事情が見えてきました。


おごっても抵抗を感じない金額は?

残業している部下を連れて、仕事帰りにちょっと一杯。後輩と同行したときにはランチをご馳走。部下や後輩の日頃の労をきちんとねぎらっていますか?

感謝の気持ちをきちんとかたちで表してあげた方がいいとはわかっていても、そもそもの自分の給与が上がらないと財布の紐は固くなりがちですよね。そんな厳しい時代のなか、世のビジネスマンたちは、部下や後輩に一体いくらおごっているのでしょうか?

SMBCコンシューマーファイナンスが男女1000人に聞いた調査によると、30~40代の男女が部下や後輩におごってあげるときに「抵抗を感じない」金額は1,000円が最も多く89.8%。

2,000円おごっても「抵抗を感じない」と回答した人は61.1%、3,000円になると過半数は割りますが、それでも46.8%の人が「抵抗を感じない」と答えました。

ただ、4,000円になると大きく逆転し、「抵抗を感じる」人が75.3%と大半を占めます。

男性は見栄っ張り?

この回答を男女別に詳しくみると、3,000円に「抵抗を感じない」と回答した女性は37.6%だったのに対して、男性は半数以上の56.0%という結果に。

さらに、1万円でも「抵抗を感じない」と答える男性は13.8%と、女性に比べて3倍以上の高い数字になりました。

女性の方がお金にシビアで堅実な一方、男性の太っ腹、もしくは見栄っ張りな一面が浮き彫りに。

部下や後輩におごってもOKな金額の境界線は、女性はちょっといいランチ1回分の1,000円から2,000円の間、男性は気軽な飲み会1回分の3,000円と4,000円の間にあるといえそうです。

おごられるのに抵抗を感じない金額は?

では、それに対して日頃おごられることの多い20代は、どう感じているのでしょうか?

20代の男女に「職場の上司からおごってもらうときに抵抗を感じない金額は?」と聞いた同様のアンケートから、若者の本音を読み解くと、おごる側の53%が躊躇しはじめる3,000円では60.7%が「抵抗を感じない」と回答。

しかし、4,000円になると58.9%が「抵抗を感じる」を選んでいます(「20代の金銭感覚についての意識調査2016」SMBCコンシューマーファイナンス調べ)。

この結果をみると、“ケチ上司”と思われたくないと、気前よく4,000円以上をおごってあげても、かえって相手を恐縮させてしまう可能性もありそう。

おごる側もおごられる側も、余計な気遣いなく受け入れられる金額は「~3,000円まで」ということが、アンケートから読み解けます。

財布にいくら入ってる?

これを読んで、今日は後輩におごってあげようとランチに誘い、いざ、支払いとなったときに財布の中にお金が足りない……。こんなことが起こってしまうと、けっこう恥ずかしいですね。

理想のお財布の中身は「自分の年齢×1,000円」という説もありますが、30代、40代の人が普段財布の中に入れている金額を調べると、「5,000円超~1万円以下」が最も多く、28.6%。

平均額はリッチ派が数字を引き上げたため、1万4,131円になりましたが、実際は1万円以下の人が65.8%という数字には「意外とみんな少ないな」という印象を持つかもしれません。

最近は電子マネーやクレジットカードを駆使し、現金を使わないキャッシュレス派の人も増えているので、その影響もあるのでしょうか。

そして、そのお金を入れているみんなの財布も気になるところ。

以前ベストセラーになった本のなかで「使う財布の値段×200倍=年収」になるとした数式が紹介され、「財布を見ればその人の年収がわかる」説がまことしやかにささやかれました。

これが真実か否かはわかりませんが、30代、40代男女の財布本体の値段は「1万円超~2万円以下」が19.1%で最も多く、累積比率では3万円以下までで85.5%を占めました。

平均額は19,237円と、こちらも意外と手頃な数字です。5万円を超える高級ブランド品を使う人がいる一方で、財布の“外”より、中身の方を充実させたいという堅実な人が多そう。

出会いと別れが増える新年度への移行期間は、送別会や歓迎ランチなど同僚と食事をする機会も増える時期。相手が恐縮しない金額を見極めて、ご馳走できるスマートな上司の振る舞いを心がけたいですね。

「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2017」SMBCコンシューマーファイナンス調べ
【調査対象】ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする30歳~49歳の男女
【調査期間】2017年1月17日~19日
【調査方法】全国を対象としたインターネット調査。有効回答数1,000

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