はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの相談シリーズ。今回はプロのFPとして活躍する深野康彦氏がお答えします。

生計を共にしていない父親が事業で失敗、入院してしまいました。会社として3,000万円の借金と仕入れ業者への未払金が500万円ほどあり、個人としても消費者金融から借金が約120万円あります。可能な限り返済していきたいのですが、私は一介のサラリーマンであり、かなり難しい状況です。債務整理や債権放棄、また返済することでの私自身への税額控除等の施策があれば教えてください。
(30代 未婚 男性)


深野: ご質問ありがとうございます。お父様が事業で失敗され、また体調を壊して入院されたとのこと。お父様の体調が、1日も早く回復されることを願うばかりです。

さて、ご質問の件ですが、結論からいえば残念ながら、お父様の返済にご協力した場合でも、ご質問者の方には税額控除等の施策はありません。税額控除はあくまでも自分自身、または扶養家族等に起こったことで一定の条件を満たしていれば控除が行えるものです。

また、ご質問者の方はお父様と生計を共にしていないことから、仮に医療費を援助したとしても医療費控除の適用もありません。

助けてあげたい気持ちはわかりますが…

お父様のことを考えて返済の手伝いをしてあげたい気持ちはわかりますが、ご質問者はサラリーマンであり、かなり厳しい状況と記載されています。また独身であり、30代という年齢を考えて、ご自身の将来を俯瞰すれば、今後さまざまなライフイベントがあり、それなりの資金が必要になるはずです。

厳しい状況のなか、お父様の返済の手伝いをすることで自分自身の貯蓄を含めた家計がままならなくなるのは本末転倒といえます。酷な言い方になりますが、援助というものは自分の生活基盤がしっかりできてはじめてできるものと筆者は思っています。

がんばって援助して本人が体調を崩したりしては、それこそなんのための援助なのか、わかりません。控除などはありませんが、せいぜいお父様の医療費の援助をしてあげるくらいに留めた方がよいと思います。

また、事業の失敗の援助は賛成いたしかねます。

お父様は債務整理、債権放棄、あるいは最後の手段ですが自己破産などといった法や商習慣上認められている方法で処理されるのがよいと思われてなりません。

繰り返しますが、お父様のことを思う気持ちはよくわかりますけれど、自分自身の将来のこともよく考えたうえでできる範囲の援助をしてあげてください。

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