• >
  • >
  • ベテラン保育士が同居、シングルマザー専用の下宿が誕生
2017.05.25

ベテラン保育士が同居、シングルマザー専用の下宿が誕生

平日の夕飯を用意、送り迎えにも対応

ベテラン保育士が同居、シングルマザー専用の下宿が誕生

育児、家事、仕事をこなし、休む暇もなく日々の生活に追われるシングルマザー。金銭面や契約の問題で住む場所に困った経験を持つ人も少なくはありません。

そんなシングルマザーと子供たちのための新しい下宿が誕生しました。


シングルマザーの4割が家探しに苦労

不動産情報サ-ビス「アットホーム」が全国618名を対象に実施した「シングルマザーの住まいの実態調査」によると、実家以外で暮らすシングルマザーの約4割が賃貸での住まい探しに苦労したことがわかっています。

家賃と広さが丁度いい物件が見つからない、年収が入居条件に満たない、連帯保証人がいない……。シングルマザーであることを理由に入居を断られた経験を持つ人も1割存在しました。

育児と仕事で板挟みのなか、家探しにも苦労するシングルマザー。

そんながんばるママと子供が、いつも笑顔でいられるようにという思いを元に、6月上旬、シングルマザーとその子供たち(シングルキッズ)を対象にした住まい「MANAHOUSE(マナハウス)上用賀」が、東京都世田谷区に誕生します。

運営するのは、「ひとり親とこどもの支援」を手がけるシングルズキッズ株式会社です。

シニア保育士が管理人を務める現代版“下宿”

同社は、用賀駅徒歩15分の住宅街にある築41年の一軒家をリフォームし、2階に5世帯が暮らせる部屋を用意。家探しに右往左往するシングルマザーのためのシェアハウスをスタートします。

そして、マナハウスが提供するのは住む場所だけではありません。

子供たちが、ひとりぼっちにならず多世代大人数で楽しくあったかいご飯を食べれる場所。ママが少し寄りかかれる止まり木みたいな、ほっとできる場所。

コンセプトは「シニアと地域が支える現代版“下宿”」。ここにはベテラン保育士が管理人として住み込み、平日の夜ご飯の用意など生活をサポートしてくれます。

下宿の管理人を務める関野紅子さんは、子育て経験もあり、保育士・幼稚園教員資格を持つ、この道30年のベテラン

1階の大きなリビングは地域に開放。日中はサロンカフェとして、夕方になると地域食堂として、居住者はもちろん、近所のシングルキッズや支援者も一緒に、みんなで食卓を囲むことができます。

子供にとって困ったときに頼れる大人がいつも近くにいることは安心につながります。また同じ境遇の仲間や多世代の大人との交流は貴重な経験となるでしょう。地域のおじいちゃんに宿題を教えてもらう、そんな光景が見られるかもしれません。

母親は食事を作るぶんの家事負担が減るので、仕事に注力したり、子供との時間をより多く取ったりできるように。そして経験豊富な保育士の存在は、ひとりでがんばりすぎてしまいがちなシングルマザーにとって、精神的にも肉体的にも大きな支えとなるでしょう。

平日は夜21時まで子供の見守りつきで、希望者には保育園のお迎え対応も(別途月1万円)。

対象となるのは、入居時に小学4年生以下の子供を持つ家庭。家賃は部屋の広さにより異なりますが、食費や共益費も含めて10万円~15万円代。入居金として3万円が必要ですが、ほかに敷金・礼金や仲介手数料はありません。

きっかけはギャル時代の経験

マナハウスを作ろうと思ったのはどうしてなのか? シングルキッズ代表取締役の山中真奈さんに聞きました。

「私は昔“ギャル”だったのですが、その頃に出会った女の子や周囲の子供たちが、大人の理不尽な都合によって傷つく姿を目の当たりにし、この問題を根本的に解決したいと思っていました。その後、不動産業界で働く経験をし、自身のキャリアと兼ね合わせながらアドバイザーのもと、昨年10月から今回の下宿を企画していました」

シニア保育士が管理人として住み込むというシステムは、実は当初から想定されていたものではなかったそう。

「私たちのミッションは、シングルマザー支援ではなく、あくまでシングルキッズを幸せにすることです。

20~40歳のシングルキッズとして育った方にアンケート調査を行ったところ、彼らは決して不幸ではありませんが、『3日に1回しかお風呂に入れなかった』『給食でしかお腹いっぱいにならなかった』『家に帰って母親がいる家庭に憧れがあった』『お金がかかるようなことは我慢していた』など、困っていたという回答がありました。そこを補うために、時間、社会貢献意欲、資産、知識があるシニアの方々の力を借りようと思ったのです。

今回、管理人をしていただく関野さんとは以前からの友人で、関野さんがたまたま引っ越しをお考えの時期に、たまたま再会し、ぜひ一緒に下宿を始めようということになりました。保育士シニアを探していたというわけではなく、思いがけず関野さんが保育士資格をお持ちだったということなんです」

高齢者の使っていない部屋の貸出を交渉

さまざまな偶然が重なって、ベテラン保育士が管理人として在宅することになったマナハウス上用賀。

地域の高齢者と協力し、世代を超えて子育てをする新しい家族のかたちに「こんな暮らしがしたかった!」と、すでに2組の親子から入居申し込みが入っています。

山中さん自身も約1年間、ここで一緒に暮らしながら、今後は戸建てにひとりで住む高齢者の使っていない部屋を母子家庭や父子家庭にも安く貸してもらえるように交渉していく予定。

また別の地域でも、夜勤があるシングルマザーやシングルファザーをシニア管理人がサポートする下宿の展開を考えていると言います。

現在、クラウドファンディングでは、マナハウス上用賀のリフォーム費を募集中

目標金額360万円に対して、現在236人から330万円超の支援金が集まっています(5月29日締切)。

入居者もまだまだ募集中。詳細はこちらから。

Card Stocks

連載・特集

Ranking

Pick Up

Keyword

Authors