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2017.07.31

経費が管理できない夫 「事業専従者」が支えるべき理由

FPの家計相談シリーズ

経費が管理できない夫 「事業専従者」が支えるべき理由

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は野瀬大樹氏がお答えします。


共働きで、実家で母と同居し、母名義と、私と母名義の土地2カ所を所有しています。帳簿上はプラスになるはずなのに、現金が残らず毎月のやりくりがやっとです。ざっくりな収入・支出は下記のとおりです。
■収入面
私と主人の合計手取り:60万円/月
母名義の土地での不動産収入:30~40万円/月
■支出面
自宅改装費:7万円返済/月(総額1,000万円)
生活費:30万円/月
車のローン:8万円返済/月
その他ローン:11万円返済/月(総額700万円)
固定資産税:120万円/年間(自宅と不動産)

・固定資産税は不動産収入の口座から出ますが、収入が定額ではないため、延滞してしまうことががしばしば。この場合は私たちの貯蓄口座からの補填となります。
・遠方に住む主人の家族がよく来るので、もろもろ経費がかかります。
・その他ローンについては、主に私が2回ほど育児休暇を取った際に借りました。
・田舎なので、近所づきあいもあり、見えない交際費があります(母支出分) 。
・夫のカード使いが荒く、改善するといっても有言実行しません。
・母75歳は年金受給者。父が8年前に他界しているので、以前より年金が減額。
・そのため不動産収入から7万円/月を母に渡しています。
・夫がフリーランスなので、税金・年金等の管理ができない。

土地は2つとも不動産収入を得ていますが、ひとつは区画整理対象なので、賃料は現状維持。もうひとつは、いい立地にあるので遺産相続か、必要に迫られるまで売却については考えていません。2つのローンの担保にもしています。資産は多くても現金が手元になく、毎月Excelとにらめっこです。さまざまな要素が絡み合っており、家計が見えない状態のなかで、なにかよいアドバイスや家計の管理方法などがありましたら教えてください。
(30代後半 既婚・子供2人 女性)

野瀬:収入だけを見ると、月々約90~100万円ありますので、水準としてはうらやましい限りです。となると問題は支出面ですね。

いただいた資料から積み上げて計算すると支出は73万円なので、単純に引き算すると「90万円 – 73万円」で手元には17万円が残ることになります。

車のローン8万円というのが少し高い気はしますが、何年のローンかがわかりませんので致し方ないとしましょう。

「毎月17万円が残る」と考えると、悪くはないような気もしますが、それでもいただいた文章には『現金が手元になく』とありますので、上記以外に、なにかお金が減る要因があるのだと思われます。

手元にお金が残らない要因は?

考えられる要因を以下に列挙するとともに、改善提案も併せて記載しました。

(1)カード払いの無駄をなくす

「カード払い」が多いと聞いていたのですが、家計は30万円に収まっているので、それ以外にご主人のカード支出があることが予想されます。

ご主人のカード支払がそれほど大きくなるのは2つの原因が考えられます。

(a)必要な支出
私もよく家内に叱られるのですが、仕事で必要な交通費などをカードで支払った場合、ついついその領収書をなくしてしまったり、ワイシャツに入れてそのまま洗濯してしまったりします。

ご主人は自営業とおうかがいしておりますので、「本来は経費として計上できるものを、領収書がないために経費として計上していない」可能性は十分にあると思います。

ですから、一度そのあたりをカード明細などから洗い出して、ご主人の経費として落とせるものをしっかりと把握してください。

またその領収書の管理ですが、お母様にやっていただくのはいかがでしょうか? その際にはご主人のご商売の「事業専従者」にすることができます。

そうすると、ご主人の扶養からは外れますが、毎月渡している7万円をご主人のご商売の経費として取り込むことができ、結果、ご主人の所得税を圧縮することができます。

この手の作業はしっかりしている女性のほうが得意ですし、領収書をお母様が管理するとなると、ご主人の支出もある程度、抑制が効くようになるかもしれません。

(b)不要な支出
それ以外は単なる「無駄遣い」であるともいえます。もちろん長い人生、息抜きは必要なのですが、質問者の方が毎日家計とにらめっこしているのに、無駄遣いされていると思うと悲しくなりますよね。

これは私の経験からのご提案なのですが、一度、家庭でのお金の流れを完全オープンにしてみてはいかがでしょうか?

私自身、結婚当初はお金に関するケンカが絶えなかったのですが、一度、完全オープンにしてからは、お互いが予算を守れるようになりました。

今の家計の状態をご主人に理解していただくためにも、一度、質問者の努力の様子を示したほうがよいと思います。

(2)税金負担を軽くする

つぎに家計を圧迫している要因として予想がつくのが税金です。情報としていただいた支出がほとんどローンの返済であるため、税務上、経費にならず、キャッシュフローが苦しくなるのだと思います。

おそらく確定申告のタイミングで所得税が発生し、その支払いに苦しんでいるのではないでしょうか。考えられる要因を以下に挙げます。

(a)質問者の名義ですべての財産の確定申告している可能性
現在、不動産はすべてお母様名義なので、本来はお母様が確定申告をするべきなのですが、ひょっとしてご主人か質問者の方の名義でなされていないでしょうか。

お母様であれば収入は年金のみなので、税率も低いと思いますが、お二人であれば手取り年収から考えて税率が高くなってしまう可能性があります。

そして、そもそもお母様名義の不動産からの収入を、お母様以外の人の確定申告に取り込むのは間違いですので、もしそうであれば直ちに訂正してください。

(b)経費を取り込み忘れている可能性
これは(1)の(a)と同様、経費の取り込み忘れを探す方法で、この場合、特に懸念されるのは「減価償却費」の取り込み忘れです。

固定資産税やその他経費はもちろんですが、特に減価償却費について計上漏れがないかを一度税理士さんに確認してもらうとよいでしょう。

(c)住宅ローン控除を使えるか確認する
意外に忘れている人は多いのですが、住宅ローン控除はリフォームであっても使えます。自宅改装費用として1,000万円も出されているので可能性としては高いと思います。

金額的には年間数万円程度かもしれませんが、確定申告時に申請をするだけでお金が戻ってくるので、ぜひ申請してみてください。

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