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2017.08.2

「リスクを取らずに預金だけ」が静かなリスクになる理由

FPの家計相談シリーズ

「リスクを取らずに預金だけ」が静かなリスクになる理由

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は内藤忍氏がお答えします。


私は昔から、“元本割れ”という言葉が嫌いです。そのため現在も定期預金くらいしかやっていません。また、共働きで子供2人もまだ小さいため、支出を見直すことや、投資について勉強する時間が捻出できません。そんな、時間もなく、リスクも避けたい私にもできる投資方法はありますか?

また、大体どのくらいの収入で、どのくらいの資産を持つようになったら、みなさん、元本割れのリスクがある投資を行うようになるのでしょうか。なにぶんお金のことですので、なかなか周りに聞くこともできず、周りがどのような投資や資産運用を行っているのかも、なにもかもわからない状態です。でも、こちらの家計相談で皆さんの相談と、それに対するアドバイスを見ていて、私もなにか投資を始めてみたいと思うようになりました。こんな私にも、なにかアドバイスをいただければ幸いです。
(30代後半 既婚・子供2人 女性)

内藤:残念ながら、「勉強しないで始められる、元本割れにならない投資」は存在しません。ご存じの方がいれば、こっそり教えていただきたいぐらいです。

リスクなくして、リターンなし

投資とは「リスクにチャレンジすることによって、その見返りとして、リターンというご褒美をもらう行為」なのです。

資本主義が発展してきたのは、未知のものの可能性を信じて、自分の資産や才能をささげてきた人たちの努力と勇気によって、新しい技術革新が生まれ続けてきたからです。

たとえば、ビル・ゲイツがリスクを取ってMicrosoftを創業していなければ、今のようなパーソナルコンピューターはなかったでしょうし、スティーブ・ジョブズがリスクを取ってAppleを創業していなければ、iPhoneのような携帯電話はなかったはずです。

彼らは未知のものに挑戦するというリスクの見返りとして、莫大な富を得ることができました。つまり、起業家はリスクを取るからこそリターンが得られるのです。

これは資産運用も同じです。資本主義社会の資本提供側としてリスクをとって投資をするからこそ、その見返りとしてリターンが得られるのです。

リスクを取ってもリターンがないのなら、報われませんから誰も投資をしません。逆に、リスクを取らなくてもリターンが得られるのであれば、あえてリスクを取る人はいなくなってしまいます。

つまり、資本主義社会では「リスクを取らない人にはリターンを語る資格はない」ということです。

投資成功のカギは「マネーリテラシー」

相変わらず金融詐欺で騙される人が後を絶たないのは、このリスクとリターンの関係を理解しておらず、リスクゼロで儲かると喧伝された「おいしそうな話」に群がってしまうからです。

「ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン」という、金融市場の仕組みを理解していれば、元本割れにならない投資が存在しないことをご理解いただけれると思います。

また、投資の成功のためには「マネーリテラシー」と呼ばれる金融知識が必須です。といっても、それほど難しいものではなく、書籍やセミナーで誰でも学ぶことができます。

知識もなくいきなり投資を始めるのは、運転免許を持っていない人が高速道路で急に運転を始めるようなものです。事故に巻き込まれて失敗に終わるのは目に見えています。

とはいえ、始めてみることも大切です。投資信託なら1,000円から投資を始められますから、もし失敗したとしても損失はせいぜい数百円程度、実際に投資を始めながら勉強していくことも有効な進め方だと思います。

また、共働きで小さなお子さんがいる方でも、ネットや書籍で知識を得て、投資を始めている人はたくさんいます。投資は早く始めれば始めるほど、時間という自分が持っている資産を最大限に活用することができます。

元本割れするから投資しないというのも1つの考え方ですが、インフレになれば、元本保証されていたとしても、実質的な資産価値は下落します。

元本保証商品しか投資しない人には「リスクを取らないリスク」があることも認識しておいてください。

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