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“一度払って取り戻す”確定申告、そもそもなぜ必要?

FPの家計相談シリーズ

“一度払って取り戻す”確定申告、そもそもなぜ必要?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は深野康彦氏がお答えします。


変な疑問なんですが、確定申告ってなぜやるんでしょうか? 必死に領収書を集めて、3月になったら日本中が慌てて準備して、こんな制度がなかったらいいのにと思うのですが、どうなのでしょうか? 一度払って、確定申告で取り戻すという作業は必要なのでしょうか? 海外でもやっているのでしょうか?
(30代前半 既婚・子供なし 男性)

深野:そもそも「確定申告」とは、納税者自らが所得金額と税額を計算し、確定した税額を納付する「自己申告制度」に基づくものです。確定申告により、払いすぎた税金が戻ってくる人もいれば、不足額を納める人もいます。

また、個人事業主や会社員で、給与収入が2,000万円を超える人、給与を2ヵ所以上からもらっている人、給与所得や退職所得以外の所得の合計が20万円を超えている人など、確定申告が義務づけられている人もいるのです。

このため、3月になったら確定申告で慌てる人が増えるのですが、そのほかにも慌てる要因があります。

慌てる理由は先に税金を徴収できないから

勤労者の場合、年末調整を勤務先が行ってくれるため、大多数の人は年末調整でその年の課税関係が終了します。

しかし、年末調整が終了した後、子供が生まれたことで世帯全員の医療費が10万円を超えた(医療費控除)、住宅ローンを利用してマイホームを購入した(住宅ローン控除)等々、年末調整で控除できない部分は確定申告をすることにより還付を受けることができるのです。

このように、1年間の個々人の家族や収入あるいは支出などを、すべて国が把握(勤労者は会社が把握)することが困難であることから、該当する各人に確定申告を行わせて、適正な税金を納める必要があるわけです。

“適正な税金を納める”と言いましたが、勤労者の場合は年末調整で払いすぎているときに還付が行われます。逆に納めている(徴収されている)税金が少ない場合は、確定申告により不足する税金を納めることになります。勤労者の場合は、そういったことはほとんどありません。

「確定申告は面倒なので、先に税金を徴収してくれれば楽」と思われるかもしれませんが、年間の収入や控除額などは1年が終わることで確定します。

そのため先に税金を徴収することは、難しいといわざるを得ないのです。

勤労者の場合、毎月所得税が差し引かれていますが、あくまでも今月と同水準の収入が1年間続くと仮定して税金を徴収し、12月の年末調整のときに年間の正しい収入を確定、その収入を元に正しい税金を計算していることになるのです。

アメリカでも確定申告は行われている?

確定申告は面倒かもしれませんが、還付を受けられるのであれば確定申告をしたほうがよいでしょう。

なぜなら、税金を取り戻すチャンスは確定申告しかないからです。

諸外国の確定申告の状況はよくわかりかねますが、アメリカでは全国民が確定申告を行っています。

個人的には、税金の仕組みを理解するためにも、日本も全国民に確定申告を義務づけたほうがよい気がしますが、税務署がパンクしてしまうから無理でしょうね。

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