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2017.08.30

拡がる「介護脱毛」超高齢化社会の“新常識”になるか?

中高年の脱毛が5年で4.5倍に増加

拡がる「介護脱毛」超高齢化社会の“新常識”になるか?

病院やエステでの脱毛――と聞くと肌を露出する機会も多い、若い女性が受けるイメージがありますが、実は近年、中高年の利用者が伸びているそう。

そして、ここには単に歳を重ねても若々しい人が増え、美容に気を遣うようになった、というだけではない理由が隠されているといいます。

全国に19店舗を展開する医療脱毛専門院の院長に、その実態と背景について教えていただきました。


中高年の脱毛が5年で4.5倍に増加

医療脱毛を専門に扱う美容皮膚科「リゼクリニック」の調査によると、2010年から2016年にかけて、45歳以上の男女の利用者数が4.53倍に伸びているといいます。

これはどうしてなのでしょうか? リゼクリニック東京新宿院の院長、大地まさ代先生はこう言います。

「中高年の利用者の方で、ここ数年、とくに増えているのはアンダーヘアの永久脱毛です。これは、いわゆる“介護脱毛”を希望されている方が多いことが背景にあると考えられます」(大地先生、以下同)

「介護脱毛」とは、文字通り、将来、介護される立場になったときに、アンダーヘアやワキ毛があるとなにかと不便や恥ずかしさが生じることから、その準備として行われる永久脱毛のこと。

とくにアンダーヘアはムレたり臭ったり不潔になりやすいだけでなく、介護者にとっても困る面があるようです。介護脱毛の流行はある意味、介護者に対する思いやりの結果でもあります。

介護経験から脱毛を決意する人も

「実際に親の介護を体験した方は、おむつ交換の際にアンダーヘアを綺麗にするのに手間取ったという経験から、『自分が介護を受けるときにはできるだけ手をかけさせたくない』と脱毛に踏み切る方が多いようです。

また、介護してもらうことになるお嫁さんや若い介護士の方に、不快な思いをさせたくない、と考える方も少なくありません」

加えて、今、中高年に脱毛が拡がっているのは環境的な要因もあるようです。

「約30年前までは毛穴一つひとつに針を刺し、電流を流す『針脱毛』が主流でしたが、痛みが強い・通う回数が多い・高額である、などの理由から断念する方も多くいらっしゃいました。

しかし近年、エステサロンの光脱毛や医療機関での医療レーザー脱毛が普及し、低価格化。脱毛器も進化し、痛みの少ない医療レーザーも登場しています。このように脱毛自体が比較的身近になったことも背景としてあるでしょう。

また、45歳以上になると子育てがひと段落し、自分のために使う時間と経済的な余裕が生まれるということも、この年代の利用者が増えている理由のひとつとして挙げられると思います」

“最後のチャンス”と駆け込み需要も

実は、レーザー脱毛は白髪になると効果が得られないのだそう。脱毛を希望する場合は、まだ毛が黒い40~50代のうちに施術を受けておく必要があるようです。

「脱毛を行う医療レーザーは、毛の黒いメラニン色素に反応します。そして、毛を作り出す細胞をレーザーで熱破壊し、毛が生えてこないようにします。つまり、医療レーザーで脱毛をするためには毛が黒い必要があるのです」

レーザー脱毛の普及とともに、このメカニズムを知っている人も増え、脱毛できる“最後のチャンス”と駆け込み需要も生まれている様子。

今年1月、同社が40~50代の女性330名を対象に行ったアンケート調査では、5人に1人が「いまのうちにワキや局部などの永久脱毛をしたい」と回答。

超高齢化社会を前に、このトレンドは拡がるのか? 潜在的な需要は高そうです。

取材協力

大地まさ代

リゼクリニック東京新宿院・院長。1988年、近畿大学医学部卒業。近畿大学病院呼吸器・アレルギー内科勤務等を経て、2015年リゼクリニック新宿院・院長に就任。https://www.rizeclinic.com/clinic/shinjuku/

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