はじめに

手軽に食べられてシャキシャキとした食感が特徴のもやし。様々な地域で広く栽培が行われています。

大量生産が行われているため価格は安く、成分面や栄養面から見ても優れた食材です。


種類ごとに成分に特徴がある

市場に流通しているもやしには大まかに3つの種類があり、種類によって含まれている成分に違いがあります。

大豆もやし、緑豆もやし、ブラックマッペもやしが、よく見かけられるものです。もやしはこれらの豆の新芽に当たるものなので、それぞれの豆に由来する成分を豊富に含んでいます。

植物としては「成長段階にあること」がもやしの特徴であり、タンパク質を合成する原料になるアミノ酸が豊富に含まれているのは、どの種類にも共通している点です。

特にアスパラギン酸の含有量が多く、エネルギーを作るのに役立つアミノ酸として疲労回復に効果的です。

種類別では、大豆もやしの場合、大豆に由来するイソフラボンも多く含まれていて、更年期症状の緩和や月経困難症の改善に効果があるといわれています。近年主流になっているブラックマッペもやしは、ビタミンCがほかの種類に比べて多いのが特徴です。

実は、理想的な栄養バランス!

もやしはほとんどが水分からできていますが、まさに成長中の新芽のため、さまざまな栄養が豊富に含まれているのが魅力です。

低カロリーで低脂質、低糖質で適度にタンパク質と食物繊維を含んでいます。ダイエット中に必要な栄養がバランスよく摂れるので、有用な食材として活用できるでしょう。

アスパラギン酸の効果に加えて、エネルギー生成に必要なビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、及び新陳代謝に欠かせないビタミンB6、葉酸、ビタミンCも含まれています。また、鉄分や亜鉛、銅などの血液を作るために欠かせないミネラルも。多くの栄養成分が少しずつ含まれていることから、もやしを食べることによって総合的に栄養のベースアップを行うことが可能です。

日持ちさせるコツは水分を調整すること

もやしは日持ちが悪い野菜としてもよく知られています。冷蔵保存しておいても、2日か3日のうちに溶けてきて食べられなくなってしまいます。

しかし、保存方法によっては4日前後保存できるようになります。

もやしの日持ちが悪いのは、水分が多く腐敗が進行しやすいからです。また、周囲の水分を吸い上げたり、水と一緒に不要物を外に出す力も働いています。

そのため、周囲の水を新鮮に保つこと大切です。保存するときには袋を開けてキッチンペーパーで包み、毎日軽く湿らせたペーパータオルで包み直していくのです。あるいは水につけて、毎日水を交換するという方法もあります。

温度は低めの方がよいため、チルドルームに保存した方が野菜室よりも長持ちします。冷凍すれば一ヶ月保存することもできますが、炒め物に使う以外は食感が悪くなってしまうためあまり適していません。

自分で育てて食べるのもおすすめ

もやしがなぜ安いのかというと大量生産が簡単だからです。豆を手に入れて日陰で水に漬けておけば、誰でももやしを栽培することができます。

一人分程度なら室内で簡単に作ることができるので、一人暮らしの場合は栽培して食べるのもよい方法です。

成長している間は傷むリスクもありません。毎日でなくとも水を換えていれば問題なく成長していくので、ぜひもやしを育てることも検討してみてください。

食べ方のバリエーションが豊富なもやしは、大量に買ってしまっても、多様な料理に上手に使えば消費することは難しくありません。

汁物、煮物、炒め物などの仕上げに入れると、シャキシャキの食感を楽しみながら食べることができます。また、軽く茹でて冷やせばサラダにも合いますし、冷やし中華などの具材にもなります。

もやしはバランスよく栄養を含んでいる魅力的な食材ですので、多様な料理に活用し、工夫しておいしくいただきたいですね。

(この記事はケノコトからの転載です)

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