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2017.10.26

都市伝説に便乗、イオン「台風コロッケ」の“その後”

大増産の販促企画は今後も続く?

都市伝説に便乗、イオン「台風コロッケ」の“その後”

台風21号が日本列島を襲った先週末。スーパー大手のイオンが“ある商品”の販促キャンペーンを実施しました。その商品とは、あつあつホクホクの「コロッケ」です。

「台風の日にはコロッケを食べる」というインターネット上の都市伝説に便乗した、この企画。はたして、売れ行きはどうだったのか。そして、今後も続くのでしょうか。


生産量を通常の1.5倍に

総合スーパーの「イオン」「イオンスタイル」を展開しているイオンリテールは、10月21~24日の4日間、本州と四国の約400店舗で「台風にはコロッケ!」というキャンペーンを実施しました。

10月21日といえば、超大型で非常に強い勢力の台風21号が日本列島に接近した日。同社では、店舗内の総菜コーナーに「台風接近中」というのぼりやポップ広告を掲げて、コロッケの生産量を通常の1.5倍に増やして販売したのです。

気になる売れ行きですが、イオンリテールの広報担当者によると、「販売のピークとなった21日と22日は、対象店舗全体でコロッケの売り上げが昨年の同じ週の土日に比べて5割増になりました。多くの店舗で、想定していたよりも早い時間に売り切れました」とのこと。思惑を上回る成果が上がったようです。

企画の発端は台風18号

イオンリテールが「台風コロッケ」のキャンペーンを実施したのは、今回が初めて。きっかけとなったのは、今年9月に日本列島を縦断した台風18号だったといいます。台風の上陸前、イオンの一部店舗でコロッケが完売する事態になったのです。

なぜ、台風の接近でコロッケの売り上げが伸びたのでしょうか。その理由を探るには、「台風コロッケ」の由来をひも解く必要があります。

このネット上の風習が生まれたのは、2001年8月にインターネット掲示板の「2ちゃんねる」に書き込まれた、1つの投稿が発端だといわれています。台風11号の上陸を実況するスレッドにおいて、「念のため、コロッケを16個買ってきました。もう3個食べてしまいました」という書き込みがありました。

この台風は全国で死者6人、負傷者29人を出すほどの強い勢力で、実況スレッドにもいつもと違う緊張感が漂っていました。そこに降って湧いたのが、前述のコロッケの書き込みだったのです。何ともゆる~いその内容に多くのネットユーザーが反応し、それ以来、「台風の日にはコロッケを買う」という風習がネット上で広がりました。


イオンの総菜売り場には「台風接近中」のポップ広告が…

潜在ニーズに気づいて便乗

イオンリテールも、以前から「台風コロッケ」という風習は認知していました。ただ、台風の接近とコロッケの売り上げについて、具体的な因果関係は見いだせないでいました。コロッケなどの総菜類は基本的に調理したその日のうちに販売しきってしまうのが前提だったため、精緻な要因分析はしていなかったのだそうです。

ところが、今年9月の台風18号接近を受けて、複数のネットメディアが「台風コロッケ」に関する記事を掲載。これに触発された一部の消費者がコロッケを大量に購入し、イオンの一部店舗でも売り上げが急激に伸びたとみられています。

こうした事態を受けて、イオンリテールでは各店舗にヒアリングを実施しました。その結果、台風の上陸前には通常よりもコロッケが早く売り切れることがあると判明。のぼりなどの販促グッズを用意し、先週末からキャンペーンを始めたというわけです。

「『台風コロッケ』という現象に、思っていた以上の潜在的なニーズがあるとわかり、便乗することにしました」(イオンリテール広報担当者)

今週末はどうする?

それでは、この企画は今後も継続していくのでしょうか。折しも、今週末には次の台風22号が日本に接近するとの予報が出ています。イオンリテールに聞くと、「今週末も同じ対応を予定しています。台風前のコロッケを訴求していきたい」と、前のめりです。

どの店舗で実施するのかという質問には、「台風の進路にもよるので、天気図を見ながら各店舗で判断することになります。初回のキャンペーンでは、ほぼすべてのエリアで数字が伸びていたので、割と広い範囲で実施するかもしれません」とのこと。

ネットの書き込みから始まった「台風コロッケ」ですが、将来的にはハロウィーンやクリスマスのように、恒例の販促行事となるかもしれません。

(文:編集部 猪澤顕明)

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