はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はプロのFPとして活躍する花輪陽子氏がお答えします。

月々の生活費は給料で間に合う金額ですが、クレジットカードの支払いが過多になる月があります。そのため、翌月に支払う額が大きくなり、家計が上手く回りません。何から手をつけたらいいのでしょうか。

〈相談者プロフィール〉
・女性、34歳、既婚、子供3人
・職業:パート・アルバイト
・居住形態:賃貸
・住んでいる地域:山口県
・手取りの世帯月収:27万円
・毎月の支出目安:30万円


花輪: クレジットカードでの支払いは、ポイントが貯まりおトクな反面、使い過ぎのリスクや家計管理を複雑にさせるデメリットがあったりします。

クレジットカードを使いこなす達人は、マネーフォワードに複数枚のクレジットカードを登録して、支払いをすべてカードにしても問題ないでしょう。しかし、相談者のようにクレジットカードを使うことによって、家計がうまく回らなくなっているという人は一度使い方を見直してみましょう。

使い過ぎる人は現金払いもあり?

なぜ、クレジットカードを使うことで家計が回らなくなるのでしょうか。

理由は主に2つあると思います。1つ目は使い過ぎること。2つ目は、支払いと決済日にタイムラグがあるということです。

「クレジットカードがあるから」と、手持ちのお金が少ないのに気が大きくなってしまうという人は、買い物の際に現金払いを心がけると良いでしょう。同じ1万円の買い物でも、「現金を使う」と「プラスティックのカードで支払う」とでは、精神的な重みが異なります。

都度現金払いにして、毎回支払いの際に塾考し、使うか使わないかを考えると支出を減らす効果があります。

変動の少ない固定費の支払いをクレジットカードで

支払いから決済までにタイムラグのあるクレジットカード払いで、うまく家計管理ができないという人も多いでしょう。

そんな人は、デビットカードやプリペイドカードなど即時払いや前払いのカードを選ぶのも手です。後払いではないので、家計管理が楽な上にポイントがつく場合も多いです。また記録が残るので、現金よりも管理がしやすいからです。

クレジットカードは固定費の支払いに留めると、家計管理がしやすくなります。たとえば携帯電話の料金、保険料などの固定費は毎月それほど大きくぶれる支出ではありません。「月の保険料は5,000円」などと予測がしやすいために、クレジットカード払いにしても家計が大きくずれることは少ないのです。

気をつけなければならないのが、買い物などの変動費の支払いです。セールでまとめて買う、年末年始やクリスマスの準備をする、旅行の際に買い物をする、といった支出は毎月なくても年間では大きな支出になります。

そのため年間計画を立てて、年間でいくらと予算を決めると良いでしょう。また、ボーナスなどで財源を確保するのも必須です。こうした特別支出はボーナスなどの特別収入からやりくりをするか、ボーナスがない場合は毎月積み立てて準備をするようにしましょう。

「貯金額の範囲内で利用」など、ルールを決める

いかがでしょうか。クレジットカードは後払いですが、必ず、貯金の裏付けがあった上で利用するようにしましょう。つまり、100万円貯金があるからその範囲で使うということです。ボーナスなどが入ることを見込んで先に使ってしまうことがないようにしましょう。

マネーフォワードでもクレジットカードの負債残高を確認できるので、使ったら「借金」という意識を持って、貯金からその分は差し引いて考えましょう。

また月収が27万円、仮に毎月の貯金額が2万円、家賃や教育費などの固定費が15万円だとすると、食費や自由に使えるお金は月10万円ですね。毎月クレジットカード支払いにできる額はそんなに大きくないことが分かります。

たとえば、毎月3万円まで、ボーナス時には10万円までなど、自分で収入における利用額の予算を決めてしまいましょう。使ったら家計簿で確認をして、毎月の予算の範囲での使用に止めれば家計が狂うこともありません。

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