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イオンがキリンとタッグ、新生PBビールはどう変わった?

「トップバリュ」の新たな挑戦

イオンがキリンとタッグ、新生PBビールはどう変わった?

「我々が望んでいた姿に、ほぼほぼ近い形になってお届けできました」(イオンリカーの神戸一明社長)

大手スーパーのイオンは6月5日、プライベートブランド(PB)のビール系飲料「トップバリュ バーリアル」をリニューアルし、新たに発売しました。バーリアルのリニューアルは今回が4回目。過去3代は韓国メーカーに製造を委託していましたが、今回初めて国内大手のキリンビールに委託先を切り替えました。

従来商品に比べて、一体どこがどう変わったのか。そして、そこに秘められたイオンの狙いは何なのか。取材しました。


「キリッとスッキリ」新しい飲みごたえ

今回のリニューアルでは、原料や酵母もイチから見直すことにより、麦・ホップ・水の絶妙なバランスによるフレーバーを追求しました。キリンビールのこれまでのノウハウを生かした仕込みと発酵技術により、日本人好みの繊細な味わいとスッキリした喉ごし、キレ、そして泡もちを実現したといいます。

価格は従来品と変わらず84円(税込み)で、低価格を維持。パッケージも色鮮やかに大幅リニューアルしています。


イオン品川シーサイド地下1階特設フロア

バーリアルは2010年6月に発売したイオンPBの低価格帯ビール系飲料です。製造を海外で行うことで低価格を実現し、2017年5月までのシリーズ累計販売本数は16億本(350ミリリットル換算)を超えたメガヒット商品となりました。

今回のリニューアルでは、「トップバリュ バーリアル」「トップバリュ バーリアルリッチテイスト」「トップバリュ バーリアル糖質50%オフ」の3商品を、キリンビールの神戸工場・取手工場・岡山工場・横浜工場の国内4工場で生産します。

パートナーを切り替えた背景は?

それにしても、なぜ今になって初めて国産に切り替えたのでしょうか。イオンリカーの神戸社長は「今回の製造委託先の変更は、日本人の好みに合うフレーバーを求めた結果」と話します。

バーリアルは発売以来、海外メーカーと3回のリニューアルを重ねてきましたが、なかなか日本人の味覚に合う繊細なコクや味わいを作ることができなかったといいます。昨今はアルコール度数の強い商品の売れ行きが好調ですが、度数ありきの製造ではなく、商品ごとの味わいや飲みごたえに最適な度数を選んだと、神戸社長はその品質に自信を示します。

イオンが国内ビールメーカーと組むのは、今回が初めてではありません。「トップバリュ 麦の恵み」では、製造をサッポロビールに委託しています。業界を見渡しても、サントリービールがセブン&アイホールディングスのPBに商品供給を行うなど、大手流通チェーンとビールメーカーがタッグを組むケースが増えています。

今回、製造委託先であるキリンビールとは、卸売業者を介さない直取引をイオンとして初めて実現できたといいます。神戸社長は「卸売業の細やかな提案が必要な商品もあり、商品の特性・目的に合わせて商流を選んでいます」としたうえで、バーリアルの低価格維持には物流・商流両面の努力があったことをにじませました。

ビールから他商品への買い回り狙う 

「PBであっても、ナショナルブランドのNo.1商品に負けない品質のものを作る。さらにそれを最安値で提供することで、お客様の信頼を獲得し、店舗への来店を促していきたい」と神戸社長。新生バーリアルシリーズを入り口に、他の商品への買い回りにも意欲をのぞかせます。

本年度は1,700万ケースの出荷、従来品対比で1.4倍の売り上げを目指すと意気込みます。今回のリニューアルは、イオン全体の増収という面でも要(かなめ)といえそうです。

暑くなるこれからが、まさにビール商戦の本番。新バーリアルシリーズはイオンの起爆剤となるのでしょうか。

(文:編集部 瀧六花子)

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