はじめに

お金を貯めよう!と思ったとき、「いくら貯めたらいいの?」「投資をしたほうがいい?」「おススメ商品はなに?」と、未来にばかり目が行っていませんか?
実は、貯まる家計にとって大事なことは、「未来」の前に「今」なのです。


お金の現在地をちゃんと知ろう!

情報社会に生きる私たちには、沢山の情報が入ってきます。そのおかげで、楽しい情報やオトクな情報を手に入れることができるのですが、ついつい、未来のことばかりに目が向いていませんか?

貯蓄への焦り、投資への興味、老後の不安など、お金に関しても様々な未来を想像することと思いますが、お金を貯めたいと思ったら、まずは自分自身と向き合うことが第一歩。
未来のお金をどう準備するか考える前に、「今のお金の状況を知ること」が重要なのです。
 
お金の話から少しそれますが、たとえば、あなたが「北海道の札幌に行こう!」と思ったとしましょう。そのとき、飛行機で行きますか?船で行きますか?それとも新幹線?
そんなふうに目的地までの行き方を選択できるのは、あなたが今いるところをわかっているから。

もしもあなたが、沖縄に住んでいるのなら飛行機でしょう。でも、函館に住んでいれば新幹線かもしれません。もしくは札幌の隣町なら、車や自転車かもしれませんね。

そんなふうに「札幌」という目的地は一緒でも、目的地に着くまでの方法論は、あなたが今いるところによって、変わるのです。あなたはお金の現在地、きちんと把握できていますか?

具体的にどうやって知るの?

お金の現在地を知る項目は、次の5つです。

1.手取り収入

2.貯蓄総額

3.ローン

4.毎月の支出

5.特別な支出

1.手取り収入

会社員の方は、6月の給料と一緒に、職場から「住民税の決定通知書」をもらったと思います。これと併せて昨年の源泉徴収票を使うと、昨年ベースでの手取り収入がわかります。

計算式は、とても簡単! 

「年収-社会保険料-所得税-住民税=手取り収入」

源泉徴収票と住民税の決定通知書を用意して、源泉徴収票の「支払金額」から「社会保険料等の総額」と「源泉徴収税額」と住民税の決定通知書から住民税額を差し引いたものが自分が実際に使える手取り収入です。決して、社内預金や財形、会社経由で加入した保険料や社食代などが差し引かれる「振込額」ではないので、注意してくださいね。

なお、手取り収入は、年収の約8割が目安です(年収600万円前後の人から7割台に下がります)。

2.貯蓄総額

家族全員の貯蓄額を合計しましょう。それぞれの合計額を出すのが面倒くさいという場合は、ぜひ家計簿アプリを活用してみてください。

家族全員の金融機関口座を登録しておくと、ログインするだけで資産残高がわかるからとても便利。スマホやタブレット端末に入れておけば、頻繁にチェックすることができます。

3.ローン

住宅ローン以外にも奨学金、車、太陽光や浄水器、エステなど様々な借り入れが考えられます。借り入れた時期と借りた金額、そして、現在の残高と金利を確認しましょう。

特に、変動金利で借りた人は金利の変化を確認する必要があります。また高金利やリボ払いで買った人は総額でいくら支払うのか、つまり実際の利息部分がいくらになるのか計算してみるか、確認しましょう。

手元のお金がなくてもモノを買うことができるのがローンのメリットですが、それによって支払う利息のデメリットも知っておきましょう。利息の重みがわかれば、今後、買い物をするときに安易なローンやリボ払いは少なくなるはずです。

4.毎月の支出

毎月の支出こそ、ついつい見落としがちです。

クレジットカードや電子マネーでの支払いが習慣づいていると、使った後の記録は明細で振り返ることができるメリットがあります。

しかしその反面、使っている瞬間は、お金を使っている意識が薄れる傾向にあるため、食費、日用品、おこづかい的なお金は、自分が思っているよりも使っていることが多いです。

これらも家計簿アプリを使いながら振り返ってみましょう。長期間使っている人は、毎月の定期的な支出だけならいくらなのかをふり返ってみてください。

そして、これから使い始める、あるいは使い始めてまだ数カ月という場合は、自動入力されている分類をさらに細かく入力しながら確認してみてください。それだけでも、毎月の支出内容がつかめるようになってきます。

5.特別な支出

毎月は発生しないけれど、固定資産税などの税金、保険料の年払いなど「1年に使う時期と金額が決まっている支出」、旅行や帰省など「毎年発生するけれど、金額の変動がある支出」、そして、冠婚葬祭費や交際費など「年によって大きく変わる支出」があります。

これらの支出を「今月はこの支出があったから赤字でも仕方ない」と自分に言い訳せずに、毎月は発生しないけれど「予定できる特別な支出」として、予算管理ができる家計を目指しましょう。

現在地がわかって、初めて目的地に進むための方向やその手段がわかります。あなたがお金を貯めたい、そして、どうやったらお金が貯まるの?と思うのなら、まずは現在地を整理することから始めましょう!

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