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2018.06.30

産休で収入が減るのに…財布の紐を握らせてくれない夫

FPの家計相談シリーズ

産休で収入が減るのに…財布の紐を握らせてくれない夫

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横山光昭氏がお答えします。


財布を1つにしたいのですが、夫がなかなか受け入れてくれません。今は共働きで、毎月夫婦でお金を出し合いながら暮らしています。ですが、現在妊娠中で、産前産後休暇に入るとお給料は出ませんし、育児休暇も取ろうと考えています。

また、子どもを保育園に預けると考えると、時間に追われたり、子どもが病気のときは急な欠勤や早退をする可能性が高くなります。60代の義父母が比較的近くに住んでいるため、認可保育園への入所は難しく、無認可の中から探さなくてはいけないだろうと思います。そうすると、保育料が毎月7万円はかかる見込です。

そうなると、生活費にあてられる金額はとても少なくなるので、無理をしながら働くよりは家庭に入ってしまった方がよいのではないかとも考えています。そのため、今の内から夫の収入で暮らすことに慣れ、基盤を作っておきたいのです。2人目、3人目も欲しいと思っているので、なおさらです。ただ、夫は「今のやり方を変えたくない」と言います。数人の子どもを産み、子育てが落ち着いたら再び仕事をしようとは考えているのですが、なかなか理解してもらえません。

〈相談者プロフィール〉
・女性、33際、既婚(夫:35歳・会社員)、妊娠中
・職業:会社員
・手取りの世帯月収:57万円
夫:39.2万円
妻:17.8万円(産休育休中、復職後は13万円前後の見込)

【支出の内訳】
<夫の負担>
住居費(家賃など):9.7万円
水道光熱費:1.9万円
生命保険料:2.5万円
<生活費(夫10万円+妻17.8万円)から>
食費:7.3万円
交際費:8.2万円
その他生活費:8.2万円
貯蓄:約4万円

横山:当たり前ですが、お金のことや今後のことは、ご主人とよく話し合って、納得がいくように決めていきましょう。

夫はなぜ、財布を1つにしたくないのか?

ご主人は、何が心配で、または、嫌で「変えたくない」というのでしょうか。多くのケースを見ていると、こういった場合、ご主人は自分が自由にできるお金が減ってしまうから嫌だとか、自分1人の稼ぎが家族の暮らしぶりを左右すると思うと嫌だとか、意外と細かく、思いがけない理由で嫌だと感じてしまっている人が多いようです。

特に、家族が増えると、それによって将来的な生活の見通しを立てなければならないため、暮らし方に変化が生じたり、必要になるお金が変化することに気持ちがついていけず、自分の身の回りのことしか考えられないことが多いように感じます。

相談者さんのご主人が生活費として支払っているのは、合計すると24万円ほど。15万円ほどはご主人の手元に残っています。毎月15万円が手元にあるはずなのに、それがなくなる生活は、やはり嫌だと考えてしまうのではないでしょうか。

少しずつ、相談者さんが考える全体的な見通しを伝えながら、子どもの成長と家計を兼ね合わせて、ご家庭にとってもっともよいと思われる方向へ向かう働き方、暮らし方を一緒に検討していけるとよいだろうと思います。

ただ、漠然とした話では伝わらないこともありますので、数字を使って具体的に説明してみましょう。イメージがつくと、ご主人の理解も得られ、結果が大きく変わることもあります。

出産後も妻が働き続けると家計はどうなる?

現状は、ご主人が毎月生活費として入れる10万円と、相談者さんの収入18万円ほどの、合計28万円程で生活し、毎月4万円ほど貯蓄できています。掛かる生活費は24万円ほどということですね。

相談者さんが産休・育休に入ると、収入は13万円に減り、ご主人が家計に入れる金額と合わせると23万円。少し節約をすれば、貯蓄はできませんが暮らすことは可能な金額です。

その後、相談者さんが復職し、収入は時短勤務のため13万円、加えて保育料7万円が掛ったとします。計算の便宜上と、イメージのしやすさから、相談者さんの収入で保育料を払うように計算させてもらうと、相談者さんが支払える生活費は5万円です。ご主人が家計に入れている10万円をもらっても、15万円にしかなりません。ご主人は、もう9〜10万円ほどを家計に入れる必要があります。

つまり、家計を合わせ、1馬力で暮らすにしても、2人で働き続けても、ご主人が今まで自由にしてきた金額を減らさなくては生活はできないということです。

そして、相談者さんの収入から5万円を生活費にあてられるとしても、子育て中は急なお迎えや通院、またはそれを補助するものが必要だったり、思いがけない支出がありがちです。生活費の5万円は、実際はもっと少ない金額になっている可能性があります。

このように考えると、お金の面だけで見れば、妻が働かないという選択肢も、家庭にお金を残す上ではアリなのではないかと思います。あとは、ご主人が生活の変化をいかに受け入れることができるかというところです。

追記ですが、保育料は、認可保育園に入れれば安くなりますが、都内では条件が厳しく、60代のご両親が近くにいるなら、保育できる人がいると見なされることが多いようです。ですから、無認可保育園で考えているのだと思いますが、この辺りは一度役所に問い合わせてよく聞いてみるとよいでしょう。

夫の収入のみで暮らすなら支出の削減を

妻が働いても働かなくても、暮らしは大変になると思いがちですが、今の試算は支出額を現状のままで考えた場合です。もし、夫婦2人暮らしだからと自由に支出していた項目を削減できたら、家計にゆとりが生まれるでしょう。

妻が家庭に入るとして、今から財布を1つにしたいというのであれば、1馬力の収入でも暮らしていくことが可能になるように、今から支出をカットしていくようにしましょう。

現在は、食費、交際費などの支出が多めで、お子さんがいない共働きご夫婦にありがちな家計状況になっています。暮らし方を変え、これらの支出を削減できれば、1馬力での暮らしも無理なくできるでしょう。

ただ、今後の教育費やご夫婦の老後資金を考えると、ご夫婦で収入を得ることに越したことはありません。お子さんを2人、3人ともうけることはよいですが、働ける見込みができたら相談者さんも働きに出て、貯蓄や将来もらえる年金額を増やしていくことを意識しておいた方がよいですね。

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