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2018.07.26

災害ボランティアが考えたい“経済効果”

被災地内外で貢献できるお金の話

災害ボランティアが考えたい“経済効果”

西日本豪雨(平成30年7月豪雨)を中心に、災害が相次ぐこの夏の日本列島。被災地には多くのボランティアが駆け付けて復旧、復興に貢献していますが、各地の被害規模に比べればまだ人手や支援は足りないと見られています。ボランティアというと「無償」のイメージですが、逆にボランティアがお金を使うことで被災者が救われたり、ボランティア活動が被災地に経済効果を呼び込んだりする可能性もあります。そんな「ボランティアにまつわるお金の話」から、今できることを考えてみましょう。


「義援金」と「支援金」の違い

ボランティアは被災地で家屋の泥出しなどの力仕事をするのが基本に思われています。しかし、決してそれだけではありません。

災害直後は交通や物流がマヒ。安易に車などで現地に入ると渋滞を引き起こし、かといって支援物資を送っても受け取って仕分けられるような人がいません。そこで、まずは「お金を寄付すること」が有効です。

かつては日本赤十字社を通じた義援金が一般的でした。しかし、赤十字社の義援金は各都道府県に設置された「義援金配分委員会」の決定に基づき、対象の市町村が被災者に配分します。被災者に直接、公平に現金を届けるためには有効ですが、どうしても時間がかかるうえ、現地の復旧、復興事業や救護、支援活動には一切使われません。

一方、日本財団などは被災地への「支援金」として寄付を募り、弔慰金などの直接的な被災者支援のほか、緊急支援や復旧、復興事業に当たる民間団体などの活動資金に充てています。

今回の西日本豪雨でも避難所の環境改善やボランティアセンターの立ち上げと運営などに取り組む団体の活動を速やかに支援すると表明。東日本大震災や熊本地震での実績から、災害直後のきめ細かい被災者のケアはもちろん、中長期的な生活再建やコミュニティの再生までを見据えているはずです。こうした形の寄付によって“間接的なボランティア”ができると考えてもいいのでしょう。

また、ヤフーなどのIT企業はネット上で直接寄付のできる支援団体をリストアップ。医療や教育などの分野ごとに検索できるようにしています。寄付の方法も「Tポイント」が活用できるなど、ハードルを下げて寄付を促しています。

今は「ふるさと納税」も災害による緊急の寄付に対応しています。被災自治体に直接、寄付金が届けられますが、現場の対応に追われている自治体には「代理自治体」が代わって寄付を受け付ける仕組みも。西日本豪雨では岡山県倉敷市の代理自治体を茨城県境町や守谷市が引き受けるなどして、7月24日現在で全体の寄付金額が10億円近くに上っています。今後もこうした支援や寄付のマッチングがさまざまに取り組まれ、災害対応をめぐるお金の流れも変わっていくことでしょう。

忘れてはならないボランティア保険

現地の交通状況などが分かってくれば、「いざ現地へ」と思う人は多くなるでしょう。その際、水や食料、着替えをはじめヘルメットや長靴などの「ボランティア装備」を用意することはもちろん大事です。しかし、もっと基本的に忘れてならないのは「保険」です。

ボランティア活動には危険が伴います。現地の状況が分からない中で自分自身がけがをするのはもちろん、被災家屋の片付け中にモノを壊してしまったり、テントの設営中に誤って他人にけがを負わせたりする可能性もあります。

こうしたけがや事故による損害を補償するために「ボランティア活動保険」があり、各災害ボランティアセンターでは活動参加者に強く加入を勧めています。

加入は、事前に最寄りの社会福祉協議会(社協)で手続きを済ませるのがベストです。ただし、大規模災害時は「特例」で被災地の社協でも申し込みが受け付けられます。その際、通常は手続き完了日の翌日午前0時から補償が始まりますが、大災害時は社協での手続き完了時点から即、補償が開始されます。

なお、保険期間は毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間です。年度の途中で加入した場合も、3月末という保険終了日は変わりません。つまり今年8月1日に加入すると、来年3月末までの8カ月間が保険対象となり、それ以降はあらためて翌年度の手続きが必要になります。できるだけ多く活動をしたい人は、あらかじめ毎年4月には手続きをしておいた方がいいということです。

保険のタイプは「基本タイプ(基本プラン)」と「天災タイプ(天災プラン)」に分かれます。どちらもボランティア活動中のけがと損害賠償責任が補償され、台風や洪水、突風などの風水害によるけがは両タイプで補償されます。しかし、地震や噴火、津波によるけがの場合は「天災タイプ」でなければ補償されません。

例えば水害の被災地でボランティア活動中に弁当を食べて食中毒になった場合は、どちらのタイプでも治療費などが補償されます。しかし、地震の被災地で活動中、余震で建物が崩れてけがをした場合は「天災タイプ」でしか補償対象になりません。

さらに両タイプは保険金額などによって数種類のプランに分かれます。全国社会福祉協議会(全社協)が扱う平成30年度のボランティア保険では「Aプラン」「Bプラン」の2種類があり、Aに対してBは補償される保険金が1.5倍ほど大きくなります。そのため、申込時に支払う保険料は「基本タイプAプラン」で350円、「基本B」で同510円、「天災A」で同500円、「天災B」で同710円。東京や愛知など独自に都道府県の社協が設けている保険ではA、B、C、あるいは家族プランなどで保険料も250円から1,400円などと幅が広くなります。

加入にあたってはパンフレットなどをしっかり読んで、自分の活動内容と補償内容を照らし合わせ、窓口では社協の担当者とよく相談して決めた方がいいでしょう。現地で安心して活動し、万一の場合に自身にも被災者にも負担をかけないよう、「保険」は欠かせないものだと認識してください。

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