はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。

現在、夫婦で別々に普通預金、定期預金を複数所有しています。その中には、ほぼ使用せずにそのままにしている口座もあります。今後、節約をしていくためには、口座はひとつにまとめて、その口座に2人で貯金していった方が良いでしょうか。また、その場合には日々使う口座と貯蓄口座は分けた方がいいのでしょうか。お金が貯まる口座管理のアイデアがあれば教えてください。
(30代 既婚 男性)


花輪: 夫婦の口座は、目的に合わせた口座を作って2人で管理していくのがベストです。

支払い用と貯蓄用に分けて夫婦で管理

共通の費用を支払う「支払い口座」と「貯蓄用口座」を作ると良いですが、実際には2人の名前で口座を開設することはできないので、口座名義はどちらか一方になります。ただ、銀行で「代理人カード」を作れば、ひとつの口座に対して、キャッシュカードを2枚持つことができるので夫婦で利用できます。

共働きの場合は、それぞれの収入に応じて決まった割合で支払い口座に入金する方法がいいでしょう。住居費、光熱費、保険料など家計に関する支出はすべて支払い口座から引き落としさせます。

貯蓄口座は目的別に複数持ちが正解

また、貯蓄用の口座はできれば複数持ちましょう。

目的が達成されるまでは崩さない口座と、臨時支出に対応させるプール用の口座です。プール用の口座があると、手をつけてはいけない貯蓄を取り崩しにくくなります。

また、貯蓄の目的が複数ある場合は、子どもの学費、2人の老後、マイホーム購入など目的別に持つのがよいでしょう。

相手に知られたくない支払いやへそくりは、自分の口座で管理しましょう。そうすることでプライバシーを守ることができます。実は、へそくりを持つ夫婦は多く、多くのアンケート調査の結果では女性の方が貯めている傾向があるようです。

複数ある口座の残高は家計簿アプリで把握

口座が複数ある場合は、家計管理サービスで把握するとよいでしょう。

「支払い口座」「貯金用口座」「プライベート口座」など、複数に増えてしまった銀行や証券口座、クレジットカードの情報を管理するのに優れています。登録した複数の口座の残高やクレジットカードの請求額などが一目で分かるのでおすすめですよ。

複数の口座に残高があると、管理が複雑になり、忘れてしまうというデメリットがあります。ですが、家計管理サービスで把握できる分には問題ありません。パスワードの管理などを徹底するようにしましょう。

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