はじめに

「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」という欧米の言い伝えであるジューン・ブライド。日本でも1960年代頃からウェディング業界やホテル業界から広がり始めたようです。

でも、ジューン・ブライドは日本では梅雨の時期。実際のところ、6月に結婚は多いのでしょうか?また、未婚化や晩婚化が進行していますが、結婚の障壁は何なのかについて考えてみました。


日本で結婚式が多いのはいつ?

経済産業省の統計によれば、結婚式場業の取扱件数は秋や春に多く、真夏や年末年始は多くありません。結婚式は、さわやかな過ごしやすい気候で、列席者の予定も合わせやすい時期が人気のようです。そして、ジューン・ブライドの6月は12ヶ月中7位。やはり日本では季節柄、あまり多くありません。

(出所)経済産業省のデータを元に筆者作成

一方で、必ずしも結婚式と入籍の時期が一致するわけではないのです。厚生労働省「人口動態調査」によると、入籍は3月に最も多く、11月、12月、7月、5月と続いています。必ずしも結婚式の多くない月も上位にあがっていますが、入籍は、ひなまつりやクリスマスなど、何かのイベントと合わせたい方も多いのかもしれません。

晩婚化で「ジミ婚」の増加

入籍はしても結婚式はしないという方が増えています。リクルートブライダル総研「結婚総合意識調査」によれば、挙式や披露宴、披露パーティなどのいわゆる結婚式の実施率は2014年では70.2%でしたが、2017年では65.2%へ低下。
実施率は年齢が高いほど下がりますので、晩婚化の進行で結婚式をしない「ジミ婚」が増えているようです。ただし、親族中心の食事会や記念撮影等も含めると、結婚を機に何らかのセレモニーを実施した割合は2017年で85.2%ですので、全く何もしない方は少数派です。

厳しい経済環境と「スマ婚」ニーズ

「ジミ婚」には若年層の経済環境の厳しさも影響しているでしょう。ここ数年はアベノミクスで企業の業績は改善し、新卒採用が積極化するなど、若者の雇用環境は良くなっています。ただ、1990年代初頭と比べると非正規雇用者は増えていますし 、正規雇用者でも年収が伸びにくくなっています。

そんな中、「初任給で結婚式」という謳い文句で、格安で挙式や披露宴ができるブライダル・サービスが登場しました。株式会社メイションの「スマ婚」です。「スマ婚」のショールームは2009年に大阪でオープンしてから全国各地に増え、事業は順調に拡大しているようです。若者の「スマ婚」ニーズは拡大しているのかもしれません。

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