はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はプロのFPとして活躍する川口幸子氏がお答えします。

40歳のシングルマザーで、3人の子供がいます。現在の収入は、手取り月13万円、ボーナス年2回×20万円、養育費月12万円です。貯蓄が1,000万円(財産分与分)ありますが、今後手取りが増える可能性はありません。今は養育費で生活できていますが、養育費が終わった後の生活から老後が心配です。子供は奨学金を借りる予定です。養育費がある間になるべく貯金に回す予定ですが、今よりそんなに増やせないと思います。貯金には手を付けるつもりはありませんが、老後資金などのアドバイスをお願いします。

〈相談者プロフィール〉
・女性、40歳、バツイチ、子供3人(大学生・高3・中3)
・職業:会社員
・居住形態:賃貸
・住んでいる地域:鳥取県
・手取り年収:196万円
・毎月の支出目安:20万円


川口: 3人のお子様を育てながらお仕事をされていくことは大変ですよね。

奨学金は借金、借りる前によく考えて

今回、お子様の学費については奨学金を借りていく予定とのことですが、奨学金を借りるにしても返すお金(借金)ですので、大学費用がどれくらいかかるかについては確認をされておいたほうが良いと思います。

日本政策金融公庫の調査によりますと、平成27年度の授業料を除いた大学の入学費用(入学金、寄付金、受験料等)の平均は102.6万円。国公私立別では、国公立81.9万円、私立文系で106.7万円、私立理系で106.0万円ほどになります。

その上で在学費用(授業料、通学費、教材費、塾・習い事等含む)の平均は1年間で141.1万円。国公私立別では、国公立93.9万円、私立文系で142.2万円、私立理系で178.0万円ほどかかっております。

トータルで見ると、大学4年間でかかる費用は平均で667万円、国公私立別では国公立大学は457.5万円、私立文系で675.5万円、私立理系で818万円ほどになります。

昨今、教育費の負担は昔と比べかなり多くなってきており、奨学金の未納率も高くなってきております。

自分たちの人生なので選ぶのは子供ですが、奨学金を借りるということは社会人に向けてかなりの借金を背負うことになるので、その辺をしっかりと話をした上で奨学金の利用を検討されたほうが良いと思います。

老齢年数から老後資金を見積もる

さて、本題の老後資金ですが、目標となる額を決めて、そこに向けてプランニングをしていくことが重要です。

目標額を決めるために65歳からの平均余命より老齢年数を割り出します。厚生労働省の平成26年簡易生命表によると、65歳時点の女性の平均余命は24.18歳なので平均寿命は89.18歳になり、老後期間は約25年になります。

現在、女性の2人に1人は90歳を迎えているので、最低でも90歳までは意識されたほうが良いです。10年で3歳ほど寿命が延びておりますので、長生きすることを前提に、老後の年数は見積もる必要があります。

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