日本のお金持ちは、アートより車や馬が好き?

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いきなりですが、質問です。
もし、億万長者になったとしたら、どのようなことにお金を使いたいですか?

考えるだけでもちょっと楽しい気分になる質問ですが、このテーマについてここ数年、調査を行っているレポートがあります。

コンサルティング会社Capgeminiと加銀行RBCが共同で作成しているWorld Wealth Reportは、世界の地域ごとに、お金持ちの消費や、投資について継続的に調査を行っています。

その中でも、同レポートが近年特集しているのが「情熱投資(Passion Investment)」。

同レポートが「情熱投資」と位置づけるのはアートやサッカーチーム、更には高級車の収集などで投資というよりは、やや趣味や生きがいに寄っているもの、かつ大きなお金を投じている対象です。そして、億万長者(1億円以上を保有する個人)が投じている「情熱投資」の金額を、地域と種類別に分けて表示しています。

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(出所)Capgemini, RBC Wealth Management “World Wealth Report 2013

調査結果の中から、日本のお金持ちについての数字を見てみましょう。日本のお金持ちは、自動車や船などの高級収集品に対して、情熱投資の29.7%を投じており、世界の平均の19%に比べて約10%高い値となっています。また、スポーツへの投資でも、11.8%と他の地域と比較して、一番高い数字となっています。スポーツへの投資では、日本では、馬主としての投資額が大きいためかもしれません。

確かに、バラエティ番組で取り上げられるお金持ちの生活には、高級車が何台も出てきたり、馬主となっているイメージがありますが、それは結構、日本の実態を表しているのかもしれませんね。

一方で、比較的少ない金額が投じられているのがアート。他のどの地域よりも少ない、12.2%となっています。歴史上の芸術家の裏には、常にパトロンの存在があったことを考えると、文化的にはちょっと考えものかもしれません。

海外、特に中国の富裕層の中で、アートへの投資が活発化してきています。今年9月には、あの有名なオークションハウスであるクリスティーズが、初めて中国国内でオークションを実施しています。

次回のブログでは、アートへの投資動向について、もう少し見てみることとしましょう。

Photo by Seemz London

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