前回のブログでは、米国政府が選んだお金の知識20ヵ条についてご紹介しました。
限られた教育期間の中でこの20ヵ条の理解を深めていくため、米国の教育者向けには「お金の知識のコアにあるものはなにか」という形で、色々な教育コンテンツが整理されています。
米国の教育者向けサイト“Money As You Learn”では、お金の教育について、12個のビッグ・アイデアがあると述べています。20ヵ条と同様に、それぞれにも対象学年が定められています。
20ヵ条で並んでいた言葉と比べると、複利効果や希少性など、ずいぶんと専門的に見える単語が並んでいます。さらには、幼稚園期の教育に「機会コスト」という言葉が当てられているなど、一見とても難しい内容を教えているようにも見えます
しかし、これらはアイデアの核となる言葉であり、実際に子どもたちへのカリキュラムに利用される例としては、「機会コスト」を例に取ると
「お友達にプレゼントを買った後、お店で好みの指輪を見つけてしまいました。両方とも買うことはできるでしょうか」
といったもの。できるだけ簡単に、ただし本質はちゃんと体感できるように、個別のコンテンツは用意されています。
他にも挙げられているテーマとしては、「教育の効果」や「がまん」といった、粘り強く教える必要のあるものも含まれています。インフレーションや複利効果といった、専門的な知識とは別に、このようなお金に対する「姿勢」も学べるようなカリキュラムになっていることに気付かされます。
これらを見ていると、教わる生徒だけでなく、教える側としても、結構身につまされるトピックが多いことに気付かされます。
お金の教育は、こうやって関わる人たち全員が一緒に学んでいくものなのかもしれませんね。
Picture from Money As You Learn