投資銀行UBSが最近公表した若者のお金に関する調査が話題を呼んでいます。
同調査では、米国のMillennials(2000年代の成人となった世代)1,000人に対してアンケートを行い、その世代としてのお金に対する価値観や、実際の投資動向を調査しています。
その結果として、このMillennials世代は、リスク回避的で、臨時収入があってもローンの返済を行う、堅実な層である旨が報告されています。
その中で目を引いたのが、下記の資産ポートフォリオ。Millennials世代と、それ以外の世代を比べたグラフが下記となります。
見ての通り、Millennials以外の世代では、株式に46%もの投資を行い、一方で23%が現預金となっています。対照的に、Millennials世代では、52%と半分以上が現預金に振り分けられています。
2008年の金融危機を経験した世代は、マーケットでのリスク自体をあまり良くないものと捉え、「大恐慌以来」のレベルで、堅実化している旨が、同レポートでは描かれています。
さて、この二つの対比ですが、ある比較グラフに近い気がしまして、比べてみました。
それがこちら。
(出所)日本銀行 資金循環統計について筆者加工 ※株式に投資信託を加えています
これは、米国と日本の、個人金融資産の構成を比べたものとなります。
見ての通り、日本は預貯金が53%と、まさに米国の若者世代とほぼ一緒。
日本での預貯金比率が高い大きな理由としては、よくリスク回避性や低い成長率が挙げられることが多いですが、一方でそれは、相場次第だったのでは、ということができてしまうのかもしれません。
ついに米国が日本に追いついた、と言ってしまうとあまりに切ないストーリーになりますが、谷あれば山あり。
山が来るときに備えた資産プランを、米国の若者も真剣に考えるべき時なのかもしれません。